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ワーキングメモリ【スポーツ編】
スポーツするとき、それが、新しい動きであるときは、
とかく基本に忠実に、と言われるのはどうしてでしょうか。
私の実体験も含めて回想的にお伝えします~。
1.スポーツ(運動)学習する時の3つのステップ
スポーツを教わる時、脳は3つのステップで学習します。
①脳の認知機能中枢、前頭前皮質を使い、ワーキングメモリが一連の指示を出す
②前頭前皮質が、調整する脳(小脳)に伝え、指示を”復唱”させる
③小脳が運動皮質(思った通りに運動をするように命令する脳)に指示を伝え、筋肉に命じて動くようにさせる
スポーツの成果がよくなるのは、
①の認知機能(こうして~と頭で考える)を使って学ぶのではなく、
身体での感覚を覚える事で、半自動的→半反射的に運動を習得することが出来るためである。
反復練習や基本練習をするのは、①-②を除いた、
③だけのループ(小脳ー運動皮質ループ)を使って行動するためです。
①ー②を経由して、行動運動(意識して考えて行動)する時
ワーキングメモリが、過去の経験を引っ張り出してきて、脳の中で調整し始めるので、
つまり、ワーキングメモリが〝邪魔“をしてしまうために、
効率よく運動することが出来ない。
そして、一旦③ループだけを使うようになると、
ワーキングメモリは補欠選手のように、控えにまわり、
いざという時に、出動する。
講演会やプレゼンの場、自己紹介の場で、
ドギマギして全然いつもと違う事を話してしまう事はないだろうか。
私はしょっちゅうある。
おそらく、何度も基本的な事を反復練習して、
自分の中でシュミレーションをしておくと、
この「半分自動的に出来る」というループになるため
ちょっと、よそ見して、皆がどんな顔をしてきいているのか、
他の事を考える余裕が出てくる…
…できたら、そんな風になりたい。
事前準備って、そういう事かもしれない(笑)
2、いざという時の出動に使われるワーキングメモリ
半分自動的に身体を動かしている時、
ワーキングメモリは控室にいる。
そして、いつもと違うパターンが来た時、油断ならない状況になった時に
ワーキングメモリを活用する。
それは、基本的な動作は
③の小脳―運動皮質が担っているので(自動的に出来ているので)
パッと出てくることが出来る。
3.プレッシャーに弱い
プレッシャーやストレスがかかると、
普段と同じようなパフォーマンスを発揮できない…
それは、ワーキングメモリ「運動学習回路」に問題がある。
運動を学ぶとき、「思考を働かせて」ずっと考えていたら、
ワーキングメモリはそちらに対応することで手一杯になって、
不安感に対処することが出来なくなる。
一方で、(あれこれ考えずに)身体で覚えた方は
ワーキングメモリを使って学ばなかったため、プレッシャーがかかっても
そのワーキングメモリをストレス対応に使う事が出来る。
プレッシャーに負けないために
新たな技術やスポーツを身につけようとする時、この①-②ループを使わず、③ループで動く事が、とっても大事。
「習慣化」パターン的に行動するメリット
私が思うに、
①②ループを使って初めは学習してもいいが、
ながーーーーい目を見て、後々の事を考えると、
回数を重ねたら③ループを意識して、感覚で覚える事が最も効率がいい。
その為に、「習慣化」というものがあるんじゃないか??
とさえ思う。
思考を働かせず、半分自動的に行う。
そうすることで、余剰エネルギーをワーキングメモリに使う事が出来る。
過去の記憶と経験に基づいて、即座に反応できるのは、
基本動作や習慣的に出来ている行動があってこそ、
効果的に発揮できるんじゃないかな。
去年、コロナ渦に自分が巻き込まれているな~と感じたとき、
この、
「習慣化」「自動化」パターン的に行動する事を意識した。
余分な心配や、迷いを起こさないようにするために、
パターン的に
ポイントを絞ってやるべきことを決める。
それをすることで、
不思議とリラックスして、穏やかで、冷静に判断できることが増え
優先順位を決める事が出来た。
まだまだ、揺れる事もあるのだけどもW
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