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子育て世代に向けて、郡上おどりをリメイクしたイベント「郡上ODORI」を開催して学んだこと
「郡上ODORI」は、私たちオドルキカクが主催するイベントで、今年で2年目を迎えました。このイベントは、岐阜県郡上地方で行われる「郡上おどり」を「子育て世代」に合わせてリメイクしたものです。この企画は「心躍る場づくり」で人・街の課題解決を目指す私たちの挑戦の一環です。
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「郡上ODORI」は、2022年には岐阜市メディアコスモスで開催し、そして今年2023年には岐阜市メディアコスモスと名古屋市のHisaya Odori Parkで開催しました。今年のイベントには、2日間で延べ4,000人近くの方々が来場しました。
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「郡上ODORI」の会場ではカラフルな浴衣をまとった参加者たちの元気な掛け声と笑顔が溢れています。その会場でママがとても楽しそうに躍る姿を見て、私たちはママの本当の願い(インサイト)に気づくことができました。
このストーリーでは、なぜ私たちが「郡上おどり」をリメイクして「郡上ODORI」として開催することになったのか、この企画に込めた私たちの思い、そして開催したことで気づけたママの本当の願い(インサイト)についてお伝えします。
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岐阜を盛り上げたい。妻の諦めている姿をきっかけにイベントを企画
以前は東京で仕事と生活を送っていましたが、コロナ禍を機に、子育てについて再考するようになりました。その結果、妻の実家がある岐阜市に家族と一緒に移住することを決意しました。この移住がきっかけで、岐阜の魅力を再発見し、地域への貢献を積極的に考えるようになりました。
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岐阜の魅力を夫婦で語り合う中で、妻が母親としての役割を果たしながらも我慢していた「郡上おどり」への強い思いを知ることになりました。妻は「郡上おどり」が大好きで、実は行きたいと思っていたものの、夜に行われるために子育ての都合から諦めていたのです。
この気持ちを理解し、他の多くのママやパパも同じような理由で諦めているかもしれないと考え、その問題を解決できるイベントを開催したいという思いから、「郡上ODORI」の企画がスタートしました。
日本3大盆踊りの1つ「郡上おどり」を子育て世代に向けてリメイク
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「郡上おどり」は30夜以上繰り広げられるロングランのイベントです。8月13日から16日までの4日間は、徹夜で踊り明かす「徹夜おどり」があります。現在は20時から翌朝5時までの最長9時間、エンドレスで踊り続けます。2022年11月30日にユネスコ無形文化遺産に登録され、日本3大盆踊りの1つと言われるほど有名なイベントです。
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しかし、夜が本番だと、なかなか子育て世帯には郡上八幡まで行くことができず、若い頃に毎年楽しみにしていた郡上踊りが遠ざかってしまいます。私もそうですし、私の妻もその一人です。
なので、郡上ODORIでは昼間にイベントを開催して、郡上おどりにあまり興味がないお子さまでも楽しめるように「こども縁日」などを併せて行ないました。
イベントの準備にはコロナ禍もあり、思った以上に時間と手間かがかってしまい、従来のクライアントワークに支障がないように合間をぬって、なんとか進めていきました。
また、このイベントに対する協賛(PR出展)の営業を行ないましたが、実績のないイベントのため、なかなか協賛社も見つからない苦しい状況に直面しました。
1回目のイベントの準備は本当に大変でした。
情けない話ですが、「イベントやめようかな」という言葉が何度も頭によぎりました。
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おんぶ紐の赤ちゃんと一緒に踊るママの、「最高です♡」の一言に救われた
そんな苦難の中で1回目の「郡上ODORI」を開催しましたが、実は2回目の開催を1回目のイベント中に決意していました。それは、会場でおんぶ紐の赤ちゃんと一緒に踊っているママがいて、あまりにも楽しそうな姿を見て、「(郡上踊り)いいですね」と声をかけた後に返ってきた「最高です♡」の言葉を聞いた瞬間でした。この瞬間で、自分の中で「2回目やる!」という決意のスイッチが入りました。
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「最高です♡」の言葉で、私の苦労が全て報われ、最高だと思ってくれるママがいるのであれば、このイベントを続けるべきだと強く感じました。
家族と楽しそうに参加するママを見て大切なことに気づいた
郡上ODORIの会場で家族と一緒に楽しむママの姿を見て、ママたちが願っていたことの本質は、子どもを預けて自分だけが郡上おどりを楽しむのではなく、自分の楽しみと家族の楽しみを同じ場で共有したかったんだと気づくことができました。
このイベントで家族と一緒に楽しみを共有したいママの気持ちを強く実感しました。
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2023年の「郡上ODORI」は、岐阜市のメディアコスモスでの開催に加え、名古屋市のヒサヤオオドオリパークでも開催しました。そして、岐阜市と郡上市からもイベントの後援をいただきました。
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また今年は初の試みとして、告知ポスターに郡上おどりの三種の神器「下駄、手拭い、浴衣」の1つである手拭いを使用し、郡上八幡の地場産業であるシルクスクリーンでオリジナル手ぬぐいポスターを作成しました。これを名鉄名古屋駅・岐阜駅のホームに掲出したり、会場でシルクスクリーンのワークショップを開催したり、郡上おどりと共に郡上八幡の地元産業を紹介しました。
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心躍る場づくりですが、地域や文化を楽しむ人々は、その場所のファンになります。ファンになった人々は、その場所の魅力を広めるために熱心に活動します。
主催者としては、参加者を楽しませ惹きつけることが成功の鍵だと感じています。
12月には新たなクリスマスの「心躍る場づくり」に挑戦
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12月には自社企画の第2弾として各務原市の学びの森でクリスマスイベント「Noël」を予定しています。オドルキカク主催は夏と冬の2大イベントを柱として、人と地域を結びつけ、心躍る場づくりに挑戦していきます。
イベントやそれまでの準備(協力依頼や告知、PRリリースなど)を通じて、たくさんの出会いがあり、協力者も増えています。イベントの企画運営者として、一人でも多くの方に「最高です♡」と言ってもらえるように、頑張ります。
オドルキカクは、心踊る場所を作り、その場所のファンを増やし、地域と人々を盛り上げていくプレイスブランディングを提供していきます。
イベント当日の記録写真やアフタームービーをご覧いただけます。