なぜ僕にとって「黒」の服が特別なのか
「黒」の服って、かっこいいですよね。
そして、それが似合う人もまたかっこいい。古着好きな僕にとって、「黒」という色は少し特別な色です。
黒は身に付けるものの中ではスタンダードな色のひとつ。
何にでも似合う無難な色として、靴やバッグなど、黒のものを持っているという方は多いのではないでしょうか。
(去年のリハーサルのとき。朝、その日の服を考える時間がないときは下半身を黒で揃えるとラクだったりする。)
この色は古着の世界ではより特別な色です。1940年代、1950年代などに作られたヴィンテージと呼ばれる服においては特に。
お店に行けばサイズや色を選べる新品のアパレルと違い、古着はその場にあるものが全て。
ヴィンテージの服が作られた年代には、黒は死を連想させる色として敬遠されていたようで、
それゆえ現代まで残っているものはとても希少です。
現代に近づくにつれて、洋服の存在意義が機能性などからファッション性に変わり、黒の服が敬遠されることも減っていきました。
なので、比較的年代が新しい古着の中には黒の服をよく見かけます。
しかしそれでも、供給される量よりも需要のほうが圧倒的に多いのか、「黒」という色には他の色の何倍ものプレミアがつくことが多々あるのです。
こちらは冬に色違いでゲットしたマクレガーというブランドのジャケット。どちらも大体2万円くらいだったのですが、黒だとなんとその10倍の値段になることもあります。これはヴィンテージの世界ではあるあるです。
面白いでしょう?
そんなわけで、ヴィンテージファンの僕の中では、「黒」という色はとても特別な色です。
ただ色が「黒い」というだけでカッコいいよね!と盛り上がれるのも、古着好きならではだと思います。
さきほどの10倍の値段というのは例ですが、古着好きは好きなアイテムであればあるほど、高くともいつかは「黒」を手に入れてみたいものなのです。
と、ここまでかなり個人的な価値観の話をしてきました。共感してくれる方も、そうでない方もいると思います。
そんな中で、最近僕がよく感じるのは、話を「ひとそれぞれ、感じ方は違う」で終わらせてしまっていいのだろうか、ということです。
例えばそれが音楽であれば、同じ曲を聴いても、気にも留めない人もいれば、一聴して立ち止まる人もいる。それこそ人それぞれだと思います。
これは例ですが、この場合であれば音楽が好き、という方は一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
「どうしてあの音楽は好きじゃなかったんだろう?」
「なんでこの音楽に惹かれたんだろう?」
と。
好きだと感じるもの、反対に興味が生まれなかったもの、どちらにもきっと理由がありますよね。
その理由を少しだけ掘り下げて考えてみると、それが次の好きに繋がるかもしれないし、それが僕たちの人生をもっと豊かにしてくれるんじゃないかな?と僕は思うんです。
「人それぞれ感じ方は違うから」
と考えることを辞めてしまわずに、もう少しだけ自分の気持ちに向き合ってみるのも、たまには悪くないはず。自分が好きだと思うものに対しては深く思いを馳せられる自分でありたい、と改めて思う最近でした。