名前をつけるのは難しい
僕たちodolの二ューアルバム『はためき』がなんと2年8ヶ月ぶりに!リリースされることが発表されました。そんなこのアルバムも、収録した新曲たちにも共通して、ある作業に僕らは苦戦していました。
そう、曲やアルバムに、タイトルをつけるという作業です。
ほとんどの場合、僕たちは音や歌詞ができあがったあとにタイトルをつけます。作詞作曲を一人が手がけるバンドやグループに比べると、音を作るピアノの森山と、歌詞を作る僕の両方が「よし、このタイトルでいこう」と納得したものでなければならないので、このタイトルをつけるという作業は時間がかかるのだと思います。
今まででタイトルをつけるのに最も苦労した曲は、おそらく『往来するもの』に収録されている「GREEN」という曲。
決定までに数ヶ月かかった覚えがあります。
この「GREEN」というタイトルは、実は最初にデモを作ったときにピアノの森山がつけた仮タイトル。
何ヶ月も考え抜いた結果、最終的に最初からあった仮タイトルを採用したのはこの楽曲だけです。
当時、「フジロックのGREEN STAGEを思い浮かべて作った曲」と言われて森山から渡されたこの曲のデモ。
歌詞もたくさんの人たちの前で歌うことを思い浮かべながら書きました。
この曲をリリースした翌年、実際にフジロックの舞台に立って、GREEN STAGEではなかったけれど、演奏できたあの日は最高だった。
photo by Shunsuke imai
タイトルには、良くも悪くもその楽曲の持つイメージを左右する力があると思っています。
たとえば、昨年の春にリリースをした僕らの楽曲「小さなことをひとつ」では、実は歌詞の中には「小さなこと」という言葉は一度も出てきません。
けれど、サビに出てくる「優しいこと」や「楽しいこと」という言葉が意味することが、この曲を繰り返し聞いて下さっている皆さんには伝わっていると思います。
このように、最後にタイトルをつけることによって初めてその歌の中で歌っていることの意味が完成する場合があります。
そして、そんなタイトルを付けることができたときには、言い表せないない達成感が湧いてきます。
僕らを知ってくれているみなさんはご存知の通り、odolはあまりその場のノリやテンションで名前をつけたり発言したりするのが得意ではありません。
しかし、そのぶん、一つ一つの歌詞や楽曲の中の音たちのように、試行錯誤しながら言葉を選んだタイトルには特別な思い入れがあります。
もちろん、今回のアルバム、『はためき』や、新曲「未来」、「独り」もそう。
これらにどんな意味を込めたのかについては、またアルバムの発売が近くなったときにでも書こうかな。楽しみにしていていただけると嬉しいです!