たま「ひるね」
1991年発売2枚目のアルバム。作風は前作と変わらず各々メンバーによるオムニバス的に富んだ内容となっており、前作同様インディーズ時代からのリメイクが多く収録されている。イギリスとフランスで録音された。
ジャケット絵は石川浩司によるもの。一応昼寝している棒人間の横アングルの絵であるが、人によっては一見別のものに見えるかもしれないw
1枚目の「さんだる」3枚目の「きゃべつ」同様2013年1月12日リマスターされたものが再発売され、「夕暮れ時のさびしさに」と「海にうつる月」のカップリング曲が収録されており、こちらの方を所持しているのでそれらのカップリングも合わせて紹介する。
メンバー
柳原幼一郎・・・ボーカル、コーラス、ピアノ、アコーディオン、オルガン、ピアニカ、チェーンソーギター
知久寿焼・・・ボーカル、コーラス、ギター、マンドリン、ハーモニカ
石川浩司・・・ボーカル、コーラス、パーカッション、オルガン、ホイッスル
滝本晃司・・・ボーカル、コーラス、ベース
収録曲
牛小屋
作詞 柳原幼一郎
作曲 たま
童謡チックな雰囲気の歌詞と曲。歌詞は牛小屋を持つ家に住む子供の幼き記憶のような可愛らしい詩。スキャット部分にあたる「よんよこよんよんよんよんよーん」部分と終盤の盛り上がり部分がお気に入り。ちなみにその「よんよこ~」の部分は理由もイマイチよくわからないが差別表現に値するらしく、歌詞カードに表記出来ないらしい。
アルバムの始まりにうってつけなテンションの曲だ。
夕暮れ時のさびしさに
作曲 たま
シングル曲でドラマ「浮浪雲」の主題歌。どことなく雰囲気と合いの手が沖縄音楽のようなものを感じて、まるでトンボがそこかしこで飛んでいるような夕暮れにどこかの家で誰かが歌ってそうな風景が浮かぶ。歌詞は想像するとなかなかシュールな光景を歌っている。特に「となりのお坊さんたち 風船ガムふくらまして空とんでく」は吉田戦車や和田ラヂヲあたりの4コマ漫画にありそうだw
海にうつる月
作詞 滝本晃司
作曲 たま
後にシングル化された曲。たまの曲の中で1、2位を争うほど美しく綺麗な曲で滝本曰く「子持ちのラブソング」。歌詞も非常にロマンチックで映画のワンシーンのよう。特に最後のサビの「海にうつる月をすくい君はななめのまま ゆるやかなまま遠くのまま 不思議と笑ったまま」が好き。夜の静かな場所でそっと聴きたい曲だ。石川はこの曲を「映画のエンドロールで流れているような光景が浮かんで泣いちゃう」と評していたがまさにその通りだと思う、今の今までこの曲を映画に起用したい人たちが表れなかったのが不思議なくらいだ(川崎製鉄のCMには起用されたが)。
この曲では石川はパーカッションではなくオルガンを担当している。
家族
作詞 石川浩司
作曲 たま
シングル「夕暮れ時のさびしさに」のカップリング曲。フリーセッションで生まれた曲でとにかくテンポがコロコロと変わっちゃう曲。歌詞はとある家庭で飼われてる猫か犬(もしかして息子?)の目線で語られ、家族達に自分に対して色々な忠告をする内容。面白い曲だが、いろいろと解釈が生まれそうだ。最後の「ジジ ババ」の言い方が好き。
お経
作詞 柳原幼一郎
作曲 たま
後述の「マリンバ」がダンスならこちらは音頭といったところで、ギターのジャンカジャンカした音が奇妙で軽妙な癖になるリズムのひょうきんな曲。歌詞はかなり物騒でブラックな雰囲気。特に「キッチンで 僕の犬 なにかをごそごそ食べている なにかと思ってのぞいたら 可愛いあの子の骨だった」がホラー。なぜ‘‘可愛いあの子‘‘の骨だとすぐわかった・・・。
金魚鉢
作詞 知久寿焼
作曲 たま
スローテンポのどこかもの悲しげな雰囲気の曲。度々登場するリコーダーの音色がまた良いバランスというか、良さを地味に引き立てている。
歌詞はいまいちよく読み取ることができないのだが、どこか小難しい絵本のようなファンタジックな雰囲気がある。
ちなみに元々は明るい曲だったらしい。また、知久はフランスとイギリスでのレコーディングされたテイクが気に入らず、帰国後に録音し直したらしい。
オリオンビールの唄
作詞 柳原幼一郎
作曲 たま
柳原が高校生の頃に作った曲が元となっており、どこか小洒落た酒場(ドラクエの酒場みたいなイメージ)で演奏されてそうなフォークソング。特に情熱的なマンドリンの音が大好きな曲。
歌詞はおそらく、ビールを飲んで酔ってる自分の見るぼやけた風景を歌っているような内容だと思われる。
それにしてもタイトルにオリオンビールってあるんだからオリオンビールのCMに起用されてもよさそうなものなのだがなぁ。
かなしいずぼん
作詞 知久寿焼
作曲 たま
「家族」同様フリーセッションで生まれた曲で、とにかく暗く不気味な怪談のような雰囲気の曲。メインボーカルは知久だが、柳原による歌唱パートや石川による「学校にまにあわない」を彷彿するような語りパートが入る。この曲は特に各々の楽器の音が光沢レベルで光る曲で、素朴にジャンカジャンカ鳴らすギター、不気味な旋律のオルガン、ズンズン響かすベース、独特なパーカッションが非常に味わい深いものとなっている。
歌詞は、実のところよくわからないのだが何か悲しさと物騒な事だけは伝わってくる。「日曜の夜は出たくない 日曜の夜は外に出たくない 死体になりたくない」が好き。語りはライブごとに毎回変わる。
2005年発売「たま ナゴムコレクション」にインディーズ時代の曲が収録されているが、アレンジ自体は語り以外は特に変わってはいない。語りに関してはインディーズ時代の方(ナマコ)が好き。
個人的にたまの全楽曲の中で一番大好きな曲である。
月夜の病院
作詞 知久寿焼
作曲 たま
前曲に引き続き連続の知久曲。「かなしいずぼん」ほどではないがこちらも暗い曲ではあるが月の明かりに照らされたような薄暗い明るさはある曲。歌詞はこれまた難解だが、夜に見える月を歌っていると思われる。血とか死とか物騒なワードが結構出てくるが内容自体は健気な前向きさがところどころにじみ出てて不思議とやんわりな感じ。「海にうつる月」同様静かな夜に月を眺めながら聴きたい曲だ。
ウララ
作詞 石川浩司
作曲 たま
「家族」同様テンポがコロコロ変わる曲で、石川らしい明るい狂気といったところか。歌詞はたまだけにたまに見るような意味不明な夢のような内容(はやい話がよくわからないw)。
柳原曰く「たまの中では異質な曲」。石川自身は「テクノっぽい」と言っているがメンバーに即否定されているw
たまの曲のなかでは珍しく最後はフェードアウトして終わる(そのまま1番の歌詞をループしているので)。
むし
作詞 滝本晃司
作曲 たま
滝本の妖艶で色気たっぷりな歌唱の涼しげな昔の夏のようなフォークソング。イントロ部分に虫を表現しているかのような音、途中から登場する電子的な音、セミ笛など今までのたまではあまり用いたりしない音がちょくちょく登場する。
歌詞は虫をどこか哀れむような内容といったところだろうか、何か物悲し気な感じ。
マリンバ
作詞 柳原幼一郎
作曲 たま
これまた軽妙なリズムを刻むラテンチックでノリノリな曲。「オゾンのダンス」や「お経」などのような柳原のノリノリなナンバーは聴いてて非常に気持ちがよく、不思議と体を揺らしてしまうものだ。間奏の石川の叫びと合いの手がまた曲の良さを引き立てる。なぜか「僕は山羊じゃない 僕はロバじゃない」の部分が特に好き。
鐘の歌
作詞 知久寿焼
作曲 たま
若干スローテンポでまるで語り部のようにお話を聴かせるような感じの雰囲気がある曲。歌詞はどことなく童話の「ハーメルンの笛吹き男」のような印象。特に最後の意味深な歌詞はそのお話の結末のようなイメージ。
間奏のハーモニカから終盤の流れが凄く好きで、特に最後の部分の知久の声の高さはおそらく彼の曲の中でもトップクラスレベルの高さを誇る。カラオケ等で再現しようものなら間違いなく声をやられる事間違いなしw
ライブでは最後に歌われる事が多い。
「ひるね」自体はこの曲が最後となる。
まちあわせ
作詞 石川浩司
作曲 たま
シングル「夕暮れ時のさびしさに」のカップリング曲で2013年のリマスター盤のみに収録。ライブではアンコール後の最後に歌われることが多い。
音はギター一本にその辺で売ってるような音の鳴るおもちゃを適当に鳴らしたような非常にチープな感じの短い曲。歌詞の内容はタイトルそのままの様子。
イカ天の最後の週にこの曲で出演し、この週で審査員として番組に出演していた映画監督の大島渚が大絶賛したこともあってか、見事5週勝ち抜きでグランドイカ天キングに輝いた。
2005年発売「たま ナゴムコレクション」にインディーズ時代の曲が収録されており、タイトルは「待ち合わせ」と漢字が用いられている。また、元々は前述のシングルと1992年発売のベストアルバム「まちあわせ」にしか収録されていなかった曲。
ばいばいばく
作詞 柳原幼一郎
作曲 たま
昔の洋画の砂漠を歩く馬とカウボーイのようなスローテンポで非常に可愛らしい感じの子守歌のような曲。ボソッと「おやすみいのしし」を歌う知久。
シングル「海にうつる月」のカップリング曲で2013年のリマスター盤のみに収録。「まちあわせ」同様元々は前述のシングルと1992年発売のベストアルバム「まちあわせ」にしか収録されていなかった曲。
夕暮れ時のさびしさに (カラオケ・ヴァージョン)
作曲 たま
シングル「夕暮れ時のさびしさに」のカップリング曲で2013年のリマスター盤のみに収録、タイトル通りカラオケヴァージョン。
現在所有しているアーティストCD・音源(邦楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n4d7ea2d38165
現在所有しているアーティストCD・音源(洋楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n9e4b10ae1dce
現在所有しているアーティストCD・音源(その他)
https://note.com/odmssyw/n/n34964b507575
現在所有しているアーティスト DVD・Blu-ray
https://note.com/odmssyw/n/n47d6b0d7eb31
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