筋肉少女帯「SISTER STRAWBERRY」
1988年発売2枚目のオリジナルアルバム。収録曲のほとんどがインディーズ時代のリメイクであり、「日本の米」は空手バカボンからのセルフカバーとなっている。本作からドラムとして太田明が加入、逆にキーボードの三柴は本作をもって筋少を脱退する事になり、しばらくは、筋少との関りを断つ事になる(「筋少の大車輪」収録の「大釈迦」を除く)。また前作で脱退したみのすけは「日本の米」の茶番パートにて参加している。
本作制作時にギター担当のメンバーが不在だったため、横関敦がサポートとしてギターを担当。サポートとはいえ間奏のギタープレイは痺れる。
余談だが、ジャケットの帽子にスローロリスがいるのに初めて気づいたのはこのページのサムネを設定している時だったw
メンバー
大槻ケンヂ・・・ボーカル、コーラス、トーク
内田雄一郎・・・ベース、コーラス
三柴江戸蔵・・・ピアノ、シンセサイザー、オルガン、コーラス
太田明・・・ドラム、コーラス
収録曲
マタンゴ
作詞 大槻ケンヂ
作曲 筋肉少女帯
バッハの「フーガ第16番 ト短調」のピアノ演奏から始まる。ゆるやかなピアノから突拍子にハードロックに移り変わる様はもはや筋少の十八番。インディーズ版(「筋肉少女帯 ナゴム全曲集」と「筋肉少女帯ナゴムコレクション」に収録)と比べるとハードロックな曲調に進化を遂げておりテンポもかなり速い。
元ネタはおそらく1963年に公開された同名の日本のホラー映画。歌詞は歌詞中に登場するタマミがマタンゴに寄生され、キノコ人間になるという映画に合わせたようなホラーだがシュールな内容。
後にオーケンが新たに組んだバンド、特撮のアルバム「ヌイグルマー」にてカバーされた。
2007年発売のベストアルバム「筋肉少女帯 復活究極ベスト 大公式」にはイントロのピアノがカットされたヴァージョンで収録されている。
キノコパワー
作詞 大槻ケンヂ
作曲 三柴江戸蔵
前曲に続くキノコがテーマのノリノリなロックナンバー。冒頭の語りはオーケンでなく太田明によるものらしい。間奏のピアノとギターの掛け合いは非常にかっこいい。
歌詞の内容はおそらくマジックマッシュルーム(死に至りはしないものの幻覚作用があるらしい)を食した男性目線の歌だろうか、筋少の楽曲では数少ないドラッグ関連の曲となっている。キノコを食べてパワーアップする某配管工の歌ではないようだ。
2013年発売の「公式セルフカバーベスト 4半世紀」にてセルフカバーされている。
夜歩く
作詞 大槻ケンヂ
作曲 三柴江戸蔵
ビョーンとしたベースとピアノの旋律がちょっとジャズ味があるジャズ・ロック的なサウンド。
歌詞の内容は筋少の曲によくある死んだ恋人に未練がある人間を歌った曲で、暗闇の中では彼女の幽霊と2人きりになれる事に喜びが感じている男性の様子を歌っている。いろんな意味でホラーチックな曲。
日本の米
作詞 大槻ケンヂ
作曲 筋肉少女帯
元は空手バカボンの同名楽曲をパンクロック風にセルフカバーした曲。とにかく米を称えた曲で、カラオケで歌えばちょっと楽しいor歌いやすい曲。オーケンがしつこいぐらいに納豆にネギを入れると美味いと教えてくれる。
茶番パートは息子(みのすけ)が父親(オーケン?)に金を借りに来るというあまり米とは関係ない内容。息子がホラを吹きまくる父親に段々逆上してきて遂には茶碗を親父に向けて投げつけているっぽい様子。金を借りに来ておいてこの態度、とんだ親不孝者である。
後に特撮のアルバム「Agitator」にて「日本の米2001 (作曲20周年記念)」という題でカバーされた。2008年発売のベストアルバム「大公式2」には最初の茶番をカット、最後の茶番を途中でフェードアウトさせたヴァージョンで収録されている。
個人的にこのアルバムの中で一番好きな曲。
ララミー
作詞 大槻ケンヂ
作曲 筋肉少女帯、内田雄一郎
編曲 筋肉少女帯、塩野啓一
インディーズ版(「マタンゴ」同様「筋肉少女帯 ナゴム全曲集」と「筋肉少女帯ナゴムコレクション」に収録)と比べるとかなりラテンチックなアレンジが施されており、スキャット部分も女性コーラスになっている。
歌詞はララミーという少女がとにかく不運な目に遭わされ最後はキノコと一緒に埋められてしまうという、明るい曲調に反して悲惨な内容となっている。インディーズ版と比べると多少搔い摘んだような表現に変わっているが内容自体はそんなに変わっていない。
いくじなし
作詞 大槻ケンヂ、斎藤清二
作曲 筋肉少女帯
9分10秒もする大作(原曲は3分49秒)。元のタイトルは「いくぢなし」。インディーズ版(「マタンゴ」同様「筋肉少女帯 ナゴム全曲集」と「筋肉少女帯ナゴムコレクション」に収録)と比べると歌詞の情景にマッチしたドラマチックなサウンドが展開され、間奏が多い。
歌詞の内容は、フェティシスト(呪物崇拝者の事)の姉を亡くした通夜の日に姉の恋人と称する兄さんが現れ、その後ケンジ(この曲の主人公)を誘って旅に出るというもので、非常にオーケンらしい小説のような内容。インディーズ版と比べると歌詞が微妙に違うが、内容自体は同じ。
前作に収録されている楽曲「釈迦」の歌詞に登場する‘‘アンテナ売り‘‘というワードがこの曲にも登場するが繋がりは多分ない。
2022年には現メンバーによって新たにアレンジされた「いくぢなし(ナゴムサイズVer.)」がシングルとして発売された。
現在所有しているアーティストCD・音源(邦楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n4d7ea2d38165
現在所有しているアーティストCD・音源(洋楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n9e4b10ae1dce
現在所有しているアーティストCD・音源(その他)
https://note.com/odmssyw/n/n34964b507575
現在所有しているアーティスト DVD・Blu-ray
https://note.com/odmssyw/n/n47d6b0d7eb31