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電気グルーヴ「VITAMIN」

1993年発売の4枚目のアルバム。前年発売の「KARATEKA」まではヒップホップ要素の強いコミックバンド路線だったが、卓球がロンドンで経験したアシッド・テクノに影響され、本格的にテクノを取り入れていくようになり、後のソロ活動の原点の一つともいえるアルバムとなる。前半はいつもの歌もの、後半はカバー含む本格テクノのインスト曲、最後にボーナストラック扱いで収録された「N.O.」という構成。また電気グルーヴの曲の特徴であり、名機ともいえるシンセサイザー「TB-303」を全面に取り入れている。
余談だが、各々シンセサイザー機器の音の違いがまだいま一つ分からない自分だが唯一303の音だけは電気のおかげで大体分かるw

メンバー
石野卓球・・・ボーカル、シンセサイザー、プログラミング
ピエール瀧・・・ボーカル、瀧
良徳砂原・・・シンセサイザー、プログラミング
※歌詞カードにはメンバーの記載がなかったので担当に関しては憶測で書いてます。

収録曲

Happy Birthday
作詞・作曲 石野卓球
ゆるやかなイントロからの高いパーパーいうシンセの音が特徴的なやたら疾走感あるバースデーソング。歌詞を見ると他人へではなく自分自身へのお祝いを歌っている。「水を飲んでもすべて汗に変わる これは今までなかった大発見」という歌詞が好き。
後半にスチャダラパーの楽曲「Trio the Caps」の歌詞「ヘラヘラしてたらこの有様さ ボサ~っとしてんだからお互い様か」の部分をサンプリングしループしている箇所がある。

Disco Union
作詞・作曲 石野卓球
段々と音が足されていく感じが心地いいディスコサウンド。歌ものだが歌詞は短い英語詞だけで歌っているのはメンバーでなくジャッキーという外国人ボーカリスト。テレビ朝日の番組「Qさま!!」のコーナー「プレッシャーSTUDY」で問題出題シーンで使用されていたのでイントロを聴くと番組を観ていた人は「なんか聴いた事ある?!」という錯覚に陥る。かくいう自分もこの曲が電気である事はそれまで知らなかった。

ハイキング
作詞 ピエール瀧
作曲 良徳砂原
ハイキングという楽しそうな行事とは裏腹に曲調は妙に不穏な雰囲気が漂う曲。一定のリズムが淡々と続いていくが、これは淡々と山歩きをしている様をイメージしているのだろうか。歌詞の「どこからか音楽がきこえる」が不気味で最後は「ハイキング 体イタイタ ハイキング 頭クラクラ」で終わる(歌詞カードに記載がないが、途中「バイキング お皿山盛り」と歌っている箇所がある)。

ニセモノ フーリガン
作詞 ピエール瀧
作曲 石野卓球
異様にドラマチックなサウンドで、タイトル通り偽物のフーリガンを歌った曲。フーリガンとはサッカー観戦中に暴れたり試合進行を妨害する迷惑なサッカーファンの事らしい(それはファンではなくただの暴徒ではないか?)。早い話がフーリガンに交じった野次馬の歌。

富士山
作詞・作曲 ピエール瀧
電気の曲の中で瀧が作詞作曲両方を手掛けた数少ない曲のひとつで電気の中でも屈指の人気を誇る和風テイストのテクノサウンド。富士山を称える歌詞と和太鼓から始まるイントロと瀧一同による叫ぶような歌唱が魅力的でまさに瀧の為の曲ともいえる。ライブでは大抵この曲を演奏する際富士山の格好をしてシャウトしまくる。女性の声らしき部分は未だに何のサンプリングで何を言っているのか聴きとれない。

Stingray
作曲 良徳砂原
「富士山」の後の余韻からシームレスに始まるテンポもゆっくりで緩やかなテイストでビーチとかで流れてそうなインスト曲。電気の曲というよりはほぼ砂原のソロ作品という感じで翌年発売のソロアルバム「CROSSOVER」には「Stinger Stingray」という題でセルフカバーしている。
ここからしばらくインスト曲が続く。

Popcorn
作曲 ガーション・キングスレイ
「Stingray」から食い気味に始まる、電子音楽の先駆け人の一人であるガーション・キングスレイの同名インスト曲のカバー。原曲のポップコーンのようなポコポコ弾けるようなサウンドとメロディを電気流により疾走感溢れる弾けた曲となっている。個人的に好きなのは2:22あたりからのコンピュータのような音がする間奏的な部分から最後のドラマチックなメロディが合わさった箇所。

新幹線
作曲 石野卓球
10分にも及ぶタイトル通り新幹線のように窓に映る風景が変わるがわる変わっていくようなスピーディーで美しい雰囲気のインスト曲。後の電気の曲にも度々起用される歌手の五島良子がコーラスとして参加しており、より一層美しさが増している。個人的に新幹線に乗ったら絶対聴きたい曲No.1である。

Snow and Dove
作曲 石野卓球
宇宙空間のような幻想的な雰囲気に癒し効果がありそうなアンビエント曲。イントロで子供の遊ぶ声が聞こえる箇所がありちょっと意味深。3分あたりからリズムトラック(TR-808かな?)が入るあたりが特に好き。

N.O.
作詞・作曲 石野卓球
元々はミニアルバム「662 BPM BY DG」に収録の「無能の人」のセルフカバーでタイトルは元々仮で付けていたものをあえて採用した(無理矢理本作に収録させられた故の腹いせで)ほかに、歌詞の一部も変わっている。
お金があまり無かった時代の頃を歌っており、昔の事だからもうどうでもいいがでも誰かに言いたいという葛藤が出ている。「話すコトバはとってもポジティヴ 思う脳ミソほんとはネガティヴ バカなヤングはとってもアクティヴ それを横目で舌ウチひとつ」という韻を踏んだ歌詞が好き。
翌年にはシングルとしてイントロの部分を省略されたバージョンで発売された。

現在所有しているアーティストCD・音源(邦楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n4d7ea2d38165

現在所有しているアーティストCD・音源(洋楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n9e4b10ae1dce

現在所有しているアーティストCD・音源(その他)
https://note.com/odmssyw/n/n34964b507575

現在所有しているアーティスト DVD・Blu-ray
https://note.com/odmssyw/n/n47d6b0d7eb31

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