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【ストーリーとしての競争戦略】サウスウエスト航空の事例に学ぶ、キャリア戦略の組み立て方

こんにちは。おでんです。

「ストーリーとしての競争戦略」という本を読んで、競争優位を築くための戦略の重要性を改めて実感しました。本書では、企業の成功事例をストーリーという視点から、戦略の全体像とその背景にある考え方を分かりやすく解説しています。

その中でも特に印象的だったのが、サウスウエスト航空の事例です。同社は「空飛ぶバス」というコンセプトのもと、効率性を徹底的に追求し、低コスト運航を実現することで航空業界での競争優位を築きました。今回は、その戦略を支える具体的な施策の紹介と、自身のキャリア戦略への適用について考えてみました。

ぜひ最後までご覧ください。


サウスウエスト航空の施策

1. ハブ空港を使わない運航モデル

サウスウエスト航空は、高額で混雑するハブ空港を避け、地方空港間を結ぶ路線をメインに展開しています。これにより、空港使用料を抑えるだけでなく、遅延の影響を最小化できます。ハブ空港を使用する場合、遅延が連鎖的に発生し、次のフライトや乗り継ぎにまで影響を及ぼす可能性がありますが、地方空港を拠点とすることでそのリスクを大幅に削減しました。

このモデルはターンアラウンドタイム(空港滞在時間)の短縮にもつながり、1フライトあたりのコスト削減に貢献しています。

2. 多能工化の推進

通常、航空業界では分業制が一般的であり、荷物の積み下ろしや清掃など、各業務が専任スタッフによって行われます。しかし、サウスウエスト航空では「多能工化」を推進し、スタッフ全員が柔軟に複数の業務をこなす体制を構築しました。これにより、チーム全体でターンアラウンドタイムの短縮に取り組むことが可能となり、効率的な運航が実現しました。この仕組みは、従業員の意識改革と訓練を伴うものであり、組織全体での高い連携が成功の鍵となっています。

3. 機内サービスの簡素化

サウスウエスト航空は、機内食や指定席といった一般的な航空サービスを廃止しました。これにより、食事の積み下ろしや乗客の搭乗にかかる時間を大幅に短縮できます。

指定席がないことで、乗客は窓側から順番に座り、効率的に搭乗するようになります。また、早く来ることで希望の席に座れることから、遅れて搭乗する人も減少するため、ターンアラウンドタイムがさらに短縮されます。このように、サービスの簡素化は顧客満足度を損なうどころか、効率化により価格競争力を高め、顧客にとっても魅力的な体験を提供しています。

4. 機材の統一(ボーイング737)

サウスウエスト航空は、使用する機材をボーイング737に統一するという戦略を採用しています。この決定は、部品在庫管理の簡略化や、整備や修理コストの削減につながります。また、クルーのトレーニングも1種類の機材に集中できるため、時間とコストの両方を節約可能です。機材の統一は運航の効率性を向上させるだけでなく、トラブル対応の迅速化や予備機材の管理を容易にする点でもメリットがあります。


これら4つの施策が相互に補完し合うことで、サウスウエスト航空は徹底したコスト削減と効率性を実現しました。この戦略は、単なるコストカットにとどまらず、顧客に低価格かつ便利なサービスを提供するビジネスモデルの核となっています。

サウスウエスト航空の事例に学ぶ、キャリア戦略の組み立て方

サウスウエスト航空の施策の本質は、「一貫性のある全体設計」です。他の航空会社がこの施策のうち1つだけを真似したところで、うまくいかないどころか、むしろ逆効果となるでしょう。この考え方は、個人のキャリア戦略にも応用できるのではないかと考えました。以下にキャリアにおける相互補完性を活かす視点を整理しました。

1. キャリアの「軸」を決める

サウスウエスト航空が「空飛ぶバス」という明確なコンセプトを掲げたように、自分のキャリアでも明確な軸(専門性や目指す方向性)を設定することが重要です。この軸があれば、周囲からの期待や変化に振り回されず、長期的な戦略を練ることが可能になります。

例えば、「技術×コンサルティングの強みを磨く」「〇〇業界での問題解決に特化する」などです。もっというと、自身のキャッチコピーを持つのも効果的です。

2. 補完し合うスキルを磨く

航空業界の常識を覆す「多能工化」のように、自分のスキルセットを相互に補完し合う形で磨き上げることが重要です。例えば、技術力を持ちながらも、コミュニケーションやビジネス戦略のスキルを学ぶことで、他の競争者との差別化を図れます。

3. 不要な負担を削減する

サウスウエスト航空が機内食や指定席を廃止したように、自分のキャリアにおいても「不要なこだわり」を削ることで効率的に動けるようになります。特に、全てを完璧にこなそうとする姿勢は時に負担になりがちです。重要度の高い活動にエネルギーを集中させる視点を持つことが大切です。

私自身、回りに流されてやりたくもないことをついつい引き受けてしまいがちですが、自身の軸と合っているか?という観点で動けるように心がけるようにしようと思いました。

4. 環境を選ぶ

ハブ空港を避けた施策は、適切な環境選びの重要性を示しています。自分にとって成長が期待できる職場やチームを選び、自分の強みを活かせる環境を作ることが成功への近道となります。

一方で、自身の環境はそう簡単に変えられない所もあるでしょう。サウスウエスト航空も、空港使用料の観点から地方の空港を「使わざるを得なかった」という側面もあります。今の環境で、自身の軸に合った行動ができるか?といった柔軟な思考が重要です。


一貫性のあるキャリアは「強み」の相乗効果を生む

これらの施策をキャリアに適用する際、重要なのは 「全体として一貫性があるか」 を意識することです。たとえ個々のスキルや施策が優れていても、軸がぶれていると十分に活用できない可能性があります。逆に、一貫性のある施策が相互に補完し合うことで、強みが倍増し、持続的な競争優位を築くことが可能になります。

サウスウエスト航空の事例は、ビジネスだけでなく個人のキャリア形成にも多くの示唆を与えてくれます。みなさんも、このような一貫性と相互補完性を意識して、長期的なキャリア戦略を構築してみてはいかがでしょうか。



最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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