武装する時、わたしは(後編)
閉店まであと2週間ほどに差し迫った2022年1月。
ファッションビル「4プラ」を見納めておこうということで大通4丁目にやってきた。
店内には至る所に「最終セール!」「売り尽くし!」「MAX70%」いやいや「MAX80%」と競るように告知が貼られていた。
中でも「二度とない安さ。」と銘打たれたポスターがあって、
「そりゃそうだよな」と思うと同時に、「そうかこれで最後なのか」とちょっとしんみりしてしまった。
最終SALEを謳う横で、もう移転してしまったのか空きスペースがあったり、「私は大丈夫なんで」と言わんばかりにチェーンの100円均一店だけは何もセールを行わず通常営業だったのがまたなんとも言えない雰囲気。
かつてよくお世話になった7階「自由市場」にも行ってみた。
アラブ諸国のスークで見られそうなアクセサリーが大量に並ぶお店も健在だった。ここでお花の大きなピアスを買ったんだよなぁ。
自由市場の一角には4プラの50年間を振り返るポスター展が開催されていた。
「このくらいの時代から知っているな」と見覚えがあるものから、私の母親世代くらいのポスターと思しきものも並ぶ。
友達同士で来ていた若い女性が「このポスター、私が生まれた年のものだ〜!」と2001年のものを指差していて、時の流れと世代交代を思った。
最後に4プラを訪れる前には「ひょっこり欲しいものが見つかるかもしれない…。」と思っていたものの、実際には心惹かれるものには出会えなかった。
これはブランドとか素材(シルバー925とかパールとか)に少しはこだわりたいと思っている自分がどこかにいるためなのかもしれない。
それはそれで良いことだと思うし、でもまた時々でもかつてのように一目惚れする様な買い物にも戻れたら良いなと欲張りに思う。
そしてその一目惚れする場は4プラが無くなったらどこになるんだろう。
2001年生まれの彼女がかつての私のような武装する前に訪れるお店はやっぱりZOZO TOWNとか楽天市場なのかな。
選択肢の一つのように4プラのようなお店がまた新たに出てきてくれますように。