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ミュージシャンを取り戻した日

近況

緊急事態宣言が解除され音楽やイベント業界も少しずつ動きが出てきた。

規模の大きなものは中止の報が続々と来るが、小さなコンサートは安全対策をして開催が容認され始めている。

このライブを決めたのは6月2日だった。オーディエンスを集めてのイベントはお店にとってリスクがつきまとう。通常営業はされているお店ではあったが、ライブイベントで[万が一]のことがあれば大変なダメージとなってしまう。

この時期に有料でのライブの開催を受けてくれたオーナーには感謝してもしきれない。

ライブの前

この日は東京在住のギタリスト高橋創(はじめ)とのデュオだった。彼にとってもオンラインではないライブは4ヶ月ぶりだった。前日に名古屋入りして、リハをする。お互いの記憶をたどって、一緒に弾いてた感覚を一本一本手繰り寄せるような時間だった。

そしてライブ当日、機材を車に積んで現場に向かう。

2月以前には当たり前だった作業を4ヶ月振りに行うと「機材何が必要だった」「何時に会場入りしてサウンドチェック」といった段取りの感覚が鈍っているのがわかる。

案の定、必要な機材を一つ忘れて事務所に取りに帰ったりもした。

ライブが始まる

サウンドチェックも終わり、お店がオープン。一人、また一人と予約してくれた方がやってくる。

20時、ライブがスタート。

「そう、こうして生きていたよね」とフィドルを弾きながら強く思った。

私たちミュージシャンの音楽のために予約をし、お金を払って楽しい時間を共有しに来ていただいたリスナー。

良い意味で緊張感のある店内の空気とBarのオーナーの存在。

そして我々ミュージシャンが表現する音楽。

その3つが揃って『ライブ』のあの空気が生まれるのだ。その空気によって演奏にはグルーヴや陰影、ぎりぎりの表現が作り出される。それを楽しみにリスナーはライブに通い、ミュージシャンは次のライブの構想を練るのだ。

オフラインとオンライン

実はこのライブの前夜は生配信のライブを行っていた。初の有料配信ということもあり、緊張もあったが普段なかなかライブに来られない遠方のファンもチケットを買って多数視聴してくださった。

配信中にはカジュアルな質問もとび「まるでホームコンサートを聴いてるよう」との嬉しいメッセージもいただいたのだ。

オフラインのライブも、オンラインのライブもどちらも良さがある。どちらのプラットフォームでも自分の表現を研ぎ澄ましてリスナーと楽しい時間を共有することに変わりはない。そんな時代になったのだ。

でも、この記事のタイトル「ミュージシャンを取り戻した日」というのはオフラインのライブで感じたこと。それもまた事実だ。

今はそれ以上は考えなくていいと思っている。プラットフォームにかかわらず、自分たちにしか出来ない表現を追求していきたい。

こちらが6/19当日の模様です。このセットの冒頭40秒ほどを公開させていただきました。

ちょっと見切れている部分もあって申し訳ありませんが、映像はSony α6400、録音はZOOM H5で行っています。

動画視聴とサポート

このセットのフル動画ともう一つ、ライブ中の動画をVimeoにアップしました。どちらも5分弱の動画です。6/19のライブの中でも特に良い空気が生まれた時間でした。

2つの動画のご視聴は200円に設定させていただきました。(初の有料noteにどきどき)記事をご購入いただくと有料公開部分より動画をご覧いただけます。

アイルランド音楽のミュージシャンとシーンを盛り上げるために組織された『アシオト』のVimeoアカウントを使用しています。アシオトに関しては是非こちらをご覧ください。


有料noteからいただいたサポートは小松大と高橋創の音楽活動に充てさせていただきます。ご購入いただけたら嬉しいです。


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