波止場
夜明け前まだ誰もいない
ずいぶんと寂れた波止場の
海の方に突き出した通路から
水平線を眺める
薄暗い空と海の境界は曖昧で
天地が逆になっても気付くことはない
大量の水に頭上を覆われた
倒立した世界
船を繋ぎ止めておくためのビットが
いくつも天井から突き出ている
丈夫なロープで繋がれるのは
船首か私の首か
もうすぐ夜が明ける
光が差し波止場を照らす
海は海に戻り
空も空に戻る
ただ私だけがどこにも戻れない
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?
夜明け前まだ誰もいない
ずいぶんと寂れた波止場の
海の方に突き出した通路から
水平線を眺める
薄暗い空と海の境界は曖昧で
天地が逆になっても気付くことはない
大量の水に頭上を覆われた
倒立した世界
船を繋ぎ止めておくためのビットが
いくつも天井から突き出ている
丈夫なロープで繋がれるのは
船首か私の首か
もうすぐ夜が明ける
光が差し波止場を照らす
海は海に戻り
空も空に戻る
ただ私だけがどこにも戻れない
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?