長いプラットフォームと山の稜線
吐息が白くなるかならないかの
肌寒さのまだ薄暗い早朝
見通しの良い長い長い駅の
プラットフォームの中腹あたりのベンチで
少しヒヤッとするくらいの速度で通過していく
快速だか通勤快速だか準急だか特急だかの
とにかく各駅停車ではない車両を何本か見送る
車両が通り過ぎた後の線路の奥には
うっすらと山の稜線が見える
まだまだ眠気が取れていない眼で
ただただ山と空の境界を見ていた
誰もいないプラットフォーム
だんだん稜線は濃くなる
誰もいないプラットフォーム
だんだん意識はなくなる
意識はなくなる
なくなる
乗るべき電車はもう行ってしまった
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