私から去っていく私を
ただ見送るだけの私を
遠くから眺める私に
言葉にならないほど
微かな声で別れを告げる私の
私に対する異常な執着を
私から去っていった私は
ただ見送るだけの私よりも
よっぽど理解していて
私が私から去っていくことでしか
遠くから眺める私が救われないことに
随分早くから気づいていて
助けを求める代わりに
別れを告げることしかできない私に
どうにか救いの手を差し伸べるために
私から去っていくことを決めたのだと
いまだに私に異常に執着し続ける私は
人生最期の日になって初めて
そのことに哀れにもようやく気づくのだろう
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