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40代福祉専門職「仕事」「家庭」「大学院」両立の記録③

 前回まで、大学院を目指した動機や研究計画書について記事にしてきた。今回は、実際どのような領域を深めたか、どのようにして仕事と両立したかについてお伝えしたい。

リカレントの視点

 私は大学院に入る以前に、以下の領域で学びや経験を積んできた。大学院では、これまで走りながら学んできたことを一度きっちり整理してみたい、足りないところはこの機会に補完したいと思っていた。

福祉領域

 福祉専門職と管理職を務める中で、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の資格を取得していた。しかし、試験合格するための学習の色合いが強かったため、ソーシャルワークへの理解度をこの機会に再確認したかった。

心理領域

 公認心理師を取得していたが、国家資格開始5年間限定の経過措置のタイミングでの取得、殆ど詰め込み状態だった(笑)。福祉の試験も同じで、本来専門性を高めるための学びとして試験にチャレンジするが、合格のプレッシャーにより毎回最後は割り切った試験対策と化してしまう・・。せっかく取得した公認心理師に見合う心理学の見識とスキルを身に付けたかった。

哲学領域

 大学で学んだ仏教学、支援の一環としてヨーガ療法を身に付ける際に学んだインド哲学、これらをどこかの段階で深めたいと思っていた。すでに研究テーマを支援者の為のメンタルヘルスに決めていたので、マインドフルネスの応用についても模索していた。

マインドフルネスの源流はインド哲学・仏教の智慧

学び⇔実践の繰り返し

 大学院の期間は、大手医療福祉グループのスーパーバイザーとして支援者の育成やフォローに携わっていた。研究テーマである支援者の為のメンタルヘルスにおいても、スーパービジョンの展開は重要項目の一つであった。そのため、大学院の期間は学び⇔実践の繰り返しであった。学びが実際の現場に活かされ、実践での事例が研究の進行に影響を与えることがあった。
 この循環と体験は、大学卒業即大学院で福祉研究した場合には得られないものである。そもそも、支援者の為のメンタルヘルスというテーマには行きつかなかったと思われる。私が支援者として成長したと実感できる期間でもある。

妥協か?両立か?

 理想を言えばすべての科目を通学で学び、研究のために可能な限り担当教授とコミュニケーションを図りたかった。しかし、施設長やスーパーバイザーの実務の両立は厳しい。どうしても講義を受けたい科目以外を通信、担当教授とのやり取りはリモートを活用した。コロナ禍でもあったので、色々な意味で最適だったと思う。
 一旦、重要な職務を離れて大学院生として研究に没頭するかどうか、考えたこともあった。しかし私は福祉の仕事は実践第一だと思っていたので、このスタイルで良かったと思う。実務から離れていたら、研究するモチベーションを失っていたかもしれない。何のためにこれやってるのだろう?と。

結果的に濃厚な大学院修士生活を送れた

次回は、研究の中身についてお伝えしたい。研究によって明らかになった点や、その後の支援者としての実務に活かされた点など、共有したいと思う。


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