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クンスクレックがワンチャイノイと防衛戦、447万バーツ(約2067万円)をリングで稼ぐ~2024年12月21日のRWS
ラジャダムヌンスタジアム認定バンタム級王者である、クンスクレック・ブーンデクシアンは、12月21日のRWS(ラジャダムヌン・ワールドシリーズ)に出場し、ワンチャイノイ・ソートー・ヒウバーンセンを相手に王座防衛戦を行った。
19歳の王者クンスクレックにとっては、この試合が2回目のラジャ王座の2度目の王座防衛戦となる。今年4月にクマンドーイ・ペットインディーアカデミーを下してラジャ王者となるものの、7月にRWS JAPANで行われた2度目の防衛戦では松田龍聖にまさかのKO負けで王座を失った。9月にラジャで行われたダイレクトリマッチで王座を取り戻すと、11月にケビン・マルティネス(スペイン)を下して初防衛に成功した。
挑戦者のワンチャイノイは元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者で、現チャンネル7・バンタム級王者として120戦以上のキャリア(100勝20敗2分)を誇る24歳。今年3月にはコタオ・ペットソンヌック(日本ではゴッタオの表記、12月のRWS JAPANで松田龍聖に判定負け)を左ミドルで2度ダウンを奪い、2回KOに下し、7月には元ラジャ王者のクマンドーイ(4月にクンスクレックに敗北)に4回に右フックを顎に決めてダウンを奪い判定勝ちしている。最新のラジャダムヌンスタジアムのランキングでは3位に位置付けられている。
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RWSはこの二人の戦いを”スーパーファイト”として位置付けて特別ボーナスを設けた。勝者はファイトマネーとは別に50万バーツ(約230万円)、KO勝ちの賞金は50万バーツ、熱戦には両者に25万バーツ(約115万円)のボーナスが提供されている。
クンスクレックはRWSのスーパーファイトの常連で、今年に入りクマンドーイ戦、ペットサヤーム戦、松田戦(再戦)と戦い、いずれも勝利してきた。41連勝を止められたRWS JAPANでの松田戦の不覚があったものの、9月の再戦ではキッチリ借りを返した。ワンチャイノイを相手に、今年の最終戦も勝利で飾りたいところ。
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この日のアンダーカードには双子の弟のクンスクノーイも登場した
ワンチャイノイの身長は165センチで、168センチのクンスクレックよりやや低いが、その分ガッシリして、筋骨隆々のサウスポー。MMA選手のような身体つきにも見える。初回、サウスポースタイルから歩いてリング内を前進しつづけるワンチャイノイ、時折鋭い左ミドルキックでクンスクレックを襲う。クンスクレックは下がりながら高い位置のミドル、ハイキック、前蹴りを打っていくが、スムーズに繰り出される多彩な足技に驚かされる。ひるまないワンチャイノイは、前進を止めない。そしてクンスクレックは組み合った際に左立てヒジをワンチャイノイの顔面にきめ、その鼻に裂傷を負わせ、やや出血させる。ジャッジは2名がクンスクレック、1名がワンチャイノイを支持した。
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二回は組み合いの時間が増え、組みヒザの打ち合いもあったが、基本的には前進するワンチャイノイ、下がって応戦するクンスクレックの図式は変わらない。ワンチャイノイはミドルキック一辺倒ではなく、大振りだがパワフルな左フックを振り回してクンスクレックに迫る。クンスクレックの左ミドルをキャッチし、そのまま左ミドル、ハイキックを連打できめるなど、クンスクレックの王座にどんどん迫っていっている印象。しかし、終盤、クンスクレックは下がりながらミドル、ハイキックを次々と着弾させて上手さを魅せる。この回は、ジャッジ3者が揃ってクンスクレックを支持した。
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三回になるとクンスクレックは組合う時間以外は、長い距離を保ってキックを放ち、ワンチャイノイを、彼が得意な中距離で戦わせない。ラウンド終盤には左の前蹴りでワンチャンノイを転がす。この回は明らかにクンスクレックのラウンド(ジャッジ3者ともクンスクレック)。
四回になってもワンチャイノイは前進を止めない。三回よりも圧力を増してクンスクレックに迫り、左右フックやボディストレート、左ミドルを放つものの、下がり続けるクンスクレックを正確に捉えることができない。ラウンド終了時には、自軍コーナーで勝ちが決まったかのようにセコンドとハイタッチして喜ぶクンスクレック。もちろん、四回もクンスクレックのラウンド(ジャッジ3者ともクンスクレック)。
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五回も展開は変わらず、やや流し気味のクンスクレックだが、効果的に遠い距離からの左前蹴り、左ミドルなどワンチャイノイに着弾させる。ワンチャイノイは前進を止めず、そのまま試合は終了、クンスクレックが判定で王座防衛を果たした。
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結果としてはクンスクレックの圧勝であったが、ワンチャイノイの奮戦も評価され、両者に25万バーツ(約115万円)づつの特別ボーナスが贈られた。クンスクレックは勝利ボーナスとして50万バーツ(約230万円)を贈られ、ボーナスのみで75万バーツ(約345万円)を手にした。この日のクンスクレックのファイトマネーそのものは12万バーツ(約55万円)で、ボーナスとの合計は97万バーツ(約448万円)となる。
タイの報道によると、2024年1年間にクンスクレックがリング上で稼いだのは、この試合を含めて447万バーツ(約2067万円)であるとのこと。この年、4勝1敗で、最も稼いだのはチャンピオン対決となった5月のペットサイアム戦で122万バーツ(約564万円)だそうだ。
※レートは2024年12月30日(1バーツ=4.63円)
RWSによる、クンスクレックのショートインタビューがSNSで公開されていたが、松田龍聖との3度目の対戦、1階級下の王者の吉成名高との対戦について尋ねられ「決められた相手となら誰とでもやる。ただ、僕はラジャダムヌンスタジアムの王者だから、ラジャで防衛戦を戦う」と話していた。
この日のRWSのメインには、ブアカーオ・バンチャメークが登場し、ハン・ウェインバオ(中国)とキックボクシング3回戦を戦い、危なげなく判定勝ちを収めた。昨年12月にラジャダムヌンスタジアムでの「キックボクシング最終戦」を戦ったはずのブアカーオだったが、この日から天井の照明(スクリーン)が追加されるなど一部リニューアルされたスタジアム、そのPR要員として出場したのだろう。試合後の勝利者インタビューでいつまで現役を続けるか尋ねられた42歳のブアカーオは「今年までです」と冗談交じりで話していた。
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また、アンダーカードでムエタイ16人兄弟の10番目、ドゥアンダオノーイ・ルークサイゴンディンジムがアレクシス・アシュレ(アメリカ)を相手に2年ぶりの復帰戦を行い、二回TKO勝ちを収めた。ドゥアンダオノーイの左ヒジがアシュレの額にまともに当たると、大出血、傷を見たドクターは即時の試合ストップをレフェリーに告げた。
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ドゥアンダオノーイの妹アイダはロッタンの奥さん
※試合はWorkpoint channelでのテレビ観戦、写真はRWSとYoutube(Workpoint channel)より。 photo from RWS ( Youtube (Workpoint )
↓ ↓ ↓ 紹介した3試合それぞれのハイライト動画と興行全試合の動画(2時間50分あたりからクンスクレック対ワンチャイノイ戦)~タイ以外の国からは視聴制限が掛かる場合もあり。