見出し画像

RWS(ラジャダムヌン・ワールドシリーズ)トーナメント’24も佳境、11月2日、9日で3階級の決勝進出者が決定

現在、ラジャダムヌンスタジアムで行われているRWS(ラジャダムヌン・ワールドシリーズ)の2024年のトーナメントだが、10月22日にウェルター級、29日にスーパーライト級の決勝進出者が決まり、佳境を迎えている。

5階級で行われているトーナメントは半年をかけて優勝者を決定する。それぞれの階級で選抜された8人の選手が、4人ごと2つのグループに分かれ、グループ内で総当たり戦(3回戦)を行い、上位2名づつが準決勝に進むことができる。準決勝、決勝は1回勝負となる。


女子バンタム級

注目を集める女子バンタム級は、フェザー級と併せて11月2日に、KO必至のスーパーウェルター級は9日に決勝進出者が決定する。女子バンタム級については、好戦的なブラジル勢、マリア・エドゥアルダバーバラ・アギラーの2名が準決勝に残った。準決勝に進出した4人共に優勝のチャンスはあるように見える。

女子バンタム級準決勝は、ソムラッサミー対バーバラ、クワンチャイ対マリアの
タイ・ブラジル対決2連戦となった。

9月28日のグループBのリーグ戦最終戦では、マリアがカラケッド・クルエンドゥームコマンドジムを2回KO勝ちに下したが、女子の試合とは思えない迫力のあるノックアウト劇で強烈なインパクトを残している。(カラケッドは12月1日にRWS JAPANに参戦が決定、NA☆NA選手と対戦する)

マリアはリーグ戦では1勝1敗1分の成績だが、リーグ初戦となったメイリー・コンシッタムエタイではダウンを奪い、惜しい引き分け。リーグ2戦目は16連勝中の”絶対女王ソムラッサミー・マーノップムエタイジムをダウン寸前のピンチに追い込み、ややソムラッサミー贔屓の判定で敗北と爪痕を残している。

グループBはソムラッサミーが1位で、マリアが2位で勝ち上がり、準決勝はそれぞれグループAの代表(クワンチャイ、バーバラ)と対戦する。決勝では、ソムラッサミーとマリアとの再戦となる可能性もある。

グループAについては、本命のバーバラがマリー・ルーメット(エストニア)に敗れる波乱があったが、最終的に3名が2勝1敗で並び、ポイント差でバーバラ、クワンチャイが準決勝に駒を進めた。マリーは過去にソムラッサミーを下したこともあり、敗退は惜しい。

グループA最終戦では、バーバラは安定した試合運びで、現役の教員でもあるクワンチャイを判定に下した。昨年のリーグ戦で準決勝まで残り、初代女子バンタム級王座決定戦をソムラッサミーと戦った実績を持つ、ガムライペット・ペットインディーアカデミーは、いいところなくマリーに判定負け。ガムライペットはリーグ戦0勝3敗となったが、連戦の疲れが蓄積しているようにも見える。

9月28日のRWS、クワンチャイ対バーバラ戦、バーバラが判定勝ち
9月28日のRWS、マリー対ガムライペット戦、マリーが余裕の勝利

11月2日はクワンチャイ対マリア、ソムラッサミー対バーバラの組み合わせだが、それぞれ試合結果が読めない。リーグ戦でマリーがダウンを奪われながら、引き分けに持ち込んだように、クワンチャイがうまくマリアの攻撃を遮断していくパターンも予想される。ソムラッサミーは、16連勝中だが、マリア戦は判定に助けられたこともあり、絶対的な強さとは言えず、バーバラが連勝を止める可能性もある。決勝がバーバラ対マリアのブラジル人対決となる場合も考えられる。

スーパーウェルター級

スーパーウェルター級は、11月9日に準決勝2試合が行われるが、昨年の同級トーナメント覇者、タナンチャイ・シットソーンピーノーンが昨年のウェルター級覇者であるリッテワダ・ペットインディーアカデミーと対戦する。タナンチャイもリッテワダもKOアーチストとして、RWSでも数々のKO劇を演出してきた。タナンチャイの変則的なアッパーとリッテワダの必殺の左フックカウンター、左ヒジのどちらが決まるか目を離せない。

スーパーウェルター級の準決勝は11月9日、リッテワダ対タナンチャイはどうなるか。

タナンチャイは同じブロックの現ラジャ同級王者ダニエル・ロドリゲス(スイス/ドミニカ)にはリーグ戦初戦で判定負けしている。ロドリゲスは、リーグ初戦でリッテワダに一発KO負けを喰らったルスラン・ナガエフ(アゼルバイジャン)と対戦するが、ロドリゲスの勝利は固いだろう。決勝がリッテワダ対ロドリゲスとなれば、初顔合わせの2人、非常に熱いカードとなる。

ウェルター級

また、10月19日に行われたウェルター級準決勝では、昨年ロドリゲスに唯一の黒星(45勝1敗)を付けたヨーウィチャ・ヨーウィチャジムが出場、一階級下げてのリーグ戦参加となっていたが、ここで現ラジャウェルター級王者のタパゲーオ・シンハーマーウィンに判定負け、決勝進出を逃した。タパゲーオは試合終了後、スタジアムの前で応援団に囲まれながら、恋人にプロポーズを行ったことでも話題となった。※プロポーズは成功した模様

そしてウェルター級のもう一人の決勝進出は元ラジャミニフライ級、前ウェルター級王者のハーキュリス・ウォー・チャクラワット。このハーキュリスは昨年リッテワダにKO負けで優勝を逃している。5月にはタパゲーオにラジャ王者を奪われており、リベンジと共にウェルター級トーナメント優勝を成し遂げたいところである。

ハーキュリス対タパケオは5月に続き、7か月ぶりの顔合わせ。

スーパーライト級

その他、10月26日のスーパーライト級準決勝では、現ラジャ同級王者のダム・パランチャイと元ラジャ同級王者のペッチトンチャイ・ソーソンマイが決勝に勝ち進んだ。

ペッチトンチャイ対ダムでスーパーライト級決勝

フェザー級

また、フェザー級は11月2日のRWSで前ラジャフェザー級王者のチャイラー・ポー・ラクブンが元ルンピニースタジアム認定3階級王者のロンナチャイ・メー・ミンブリーと対戦する他、K-1での試合経験もある、チャンネル7フェザー級王者のビュー・ペッコーソンが元オムノーイスタジアム認定フェザー級王者ルアチ・ゴードン(イスラエル)と対戦する。フェザー級は現王者のヨーティンが途中でリーグ戦を離脱し、盛り上がりに欠けている印象。7月のリーグ戦では、チャイラーとビューは対戦し、ビューが競った戦いを制している。

スーパーライト級準決勝は、チャイラー対ロンナチャイ、ビュー対ルアチ・ゴードンの組み合わせ

スーパーライト級、ウェルター級の2階級は12月7日、フェザー級、スーパーウェルター級、女子バンタム級の3階級は12月14日が決勝戦の予定となっている。優勝者は300万バーツの賞金を獲得する。

※クワンチャイ対バーバラ、マリー対ガムライペットは現地観戦、冒頭と併せて著者撮影の写真を使用、その他はRWSのインスタグラムより。


いいなと思ったら応援しよう!