タイ最凶ファイター・コントゥアラーイがTKOで2連勝、ジョムトーンは判定負け〜2024年4月13、20日のRWS

2024年4月25日 01:19

タイ最凶ファイターのコントゥアラーイ・JMボクシングジムは、4月20日のRWS（ラジャダムヌン・ワールドシリーズ）のセミファイルに登場し、188ポンド契約でウェールズのジョセフ・トーマスと対戦し、2ラウンドTKO勝ちを収めた。

RWS初戦となった1月の前戦ではイランのファルドを相手にダウンを奪う判定勝ちを収めており、これでコントゥアラーイはRWSで2連勝となった。

コントゥアラーイは元々は66キロのウェルター級でのボクシング地域王者（ABFアジアボクシング連盟）であり、上背もない。階級を大幅に上げた為に自身より体格で上回る、大きな選手ばかりを相手にしている印象を受ける。この日の対戦相手のトーマスも身長は180センチで、コントゥアラーイは170センチと10センチの差がある。

これまで14勝2敗で、まだ無冠のトーマスに対し、61勝20敗3分のコントゥアラーイは実績で大きく上回り、チャンピオンベルトも既に何本も獲得している。コントゥアラーイは国際式ボクシングでも21勝9敗、それ以前に服役していた際に出場した刑務所内のムエタイ、ボクシングの試合では300戦以上を戦ったとも言われている。

出所後は、プロボクシングと並行してムエタイ、キックボクシング、ベアナックルファイトと競技を選ばず、パプアニューギニア、シンガポール、日本など海外のリングにも上がり、まさに鉄人である。

昨年はRISEトーナメントなど日本で3戦を戦い、2勝1敗。8月に行われたRISEトーナメント決勝の南原健太戦は、南原からダウンを奪ったものの逆転KO負けを喫した。この試合はRISEより、2023年度のエクストリームファイト賞として表彰された。コントゥアラーイの日本再上陸も期待される。

コントゥアラーイは、今回のRWSでは、年齢は35歳とされていたが、1月の前戦では38歳と公表、実際は年齢不詳で、著者が2年前に行ったインタビュー時には「40歳を超えると疲れが抜けなくてつらい」と話していた。19歳で収監されて、13年服役、2013年に出所という話も聞いたので、本当は40代前半といったところか。

RWS初戦となった1月の前戦ではメインカードに登場して、190ポンド契約で戦った。この日はセミファイナルでの登場で、契約ウェイトは前戦より2ポンドアンダーの188ポンド（85.27キロ）だった。著者がこれまで見たコントゥアラーイの試合の中では、最も身体が絞れているように見えた。

テレビのアナウンサーによると、昨年結婚したコントゥアラーイは奥さんの手料理で無理なく、10キロの減量を行うことができたとのこと。普段90キロ以上ある彼は、対戦相手が欧米人の重量級選手が多い為か、ほぼ減量なしの90キロ以上の契約の試合もある。この重量になると、コントゥラーイの他にタイ人のファイターは見当たらず、必然的に海外選手が相手となる。

10キロ絞った85キロのコントゥアラーイは、動きにキレがあった。初回ゴング開始からディフェンスと距離感は抜群。トーマスのジャブやミドルキックも全てブロックし、絶妙な距離を保つ。そして1分過ぎに狙った右フックがトーマスの顎を一閃、トーマスはヒザをつくダウン。すぐさま立ち上がったが、足元は定まらない。カウントが進み、カウント8で試合を続行する頃には、やや回復してきた様子だ。

立ち上がったトーマスの顔面にコントゥアラーイの左ストレートが打ち込まれるが、これは浅いか。攻め急がず、待ちのコントゥアラーイ、カウンターでの一撃KOを狙っているかのように見える。

公開採点で、ダウンを喰らって初回10－8で2点差を付けられたトーマスは焦ったのか、二回に入るとワンツー、ミドルなど積極的に手数を出して前に出る。そして、このラウンド30秒過ぎ、コントゥアラーイの左ヒジが上から回転してトーマスの顔面に入り、下唇が大きく裂けた。一撃後にすぐさまトーマスから距離を取ったコントゥアラーイが右拳を突き出して、レフェリーに試合を止めるようPRした。

下唇からは大量の血が流れ落ちて、ひと目試合終了だと分かる裂傷。レフェリーはすぐさまリングドクターに傷を見せ、確認を取ると試合をストップした。こうして、コントゥアラーイがTKO勝ちでRWS第2戦目を白星で飾った。

この日のRWSのメインイベントは外国人選手同士のミドル級のタイトルマッチ。現王者のイングランド人、20歳のジョー・ライアンが2位のブラジル人、2位のビクトル・ヒューゴを、ジャッジが50－45を付けるフルマークの判定で下した。

スーパーウェルター級で活動している元ルンピニー2階級王者、ペットモラコット・ペットインディアカデミーは、4月13日に日本で海人に判定負けしたが、今後、ミドル級に上げてジョー・ライアンに挑戦する計画があるという。ライアン対ペットモラゴットは、なかなかの好カードで実現が楽しみである。

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また、これより1週間前の4月13日のRWSには、ジョムトーン・チュワタナがRWSに初参戦。ラジャ4階級制覇を果たし、プロボクシングでも世界挑戦を果たしたジョムトーンの名前は、すでに過去となっているが、40歳過ぎて現役のブアカーオやセンチャーイと比べたらまだまだ若い35歳。一昨年より、広島のストライカージム所属選手として、日本でK-1に参戦しているが、昨年は和島大海にローキックでKO負けするなど、1勝2敗と負け越した。すでに勢いは落ちているものの、まだまだタイで活躍してほしいところ。

著者も注目していた、このRWS初戦「ずっとキックボクシングをやっていて、ムエタイは久しぶりのジョムトーン、ムエタイに対応にできるのか？」と、テレビ解説者は、かつての4階級王者に失礼な物言いだったが、なんと、解説者の言葉そのまま、スペインのマーク・ダスにまさかの判定負けを喫した。初回にダウンを奪われ、そのまま逆転できぬまま、ずるずると試合終了となった。