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「変わらないもの」を軸に「変わっていく」
堀江貴文会長。
どれだけの方がご存じだろうか。
実業家「ホリエモン」は、福岡のFMラジオ局CROSS FMの会長職にも就いている。
そのCROSS FMの夕方の帯番組『URBUN DUSK』が、1月末をもって終わった。
福岡に引っ越して以来7年、聴き続けてきたその局でいちばん好きな番組だった。
仕事が終わり、カーラジオで聴く帰宅時間のお供。
1日をしめくくる存在で、すっかり生活の一部になっていた。
この育休中も、ほぼ毎日欠かさず聴いていた。
番組ナビゲーターは、栗田善太郎さん。
私より少し年上だが同年代で、聴いてきた音楽や、やってきたことが似ていて勝手に友だちのような存在だと親近感を抱いてきた。
たとえば、「今月はCDを3枚買う」と決めてタワレコに行く。
店内の視聴機で視聴しまくっては、厳選して毎月CDを買い続けるような生活。
放送は、そんな音楽にまつわるエピソードがいっぱいで、うんうん、自分もそうだったなーと共感することも多かった。
彼のもう一つの特徴は、アーティストへのインタビュー。
インタビューをとおして、アーティストの魅力を伝えるのがすごく上手だった。
楽曲にとどまらず、ミュージシャンの人となりも知り、そこから音源を聴いたり、ライブに行ってみようという気にもなった。
栗田さんご自身がバンド経験があることも関係していると思うが、つくり手の制作意図なんかを細かく意識、分析しながら作品を聴いて、その感想とかをつくった本人にぶつける。
すると、受け手も「よくぞ聞いてくれた!」と場が盛り上がっていくインタビューが多かったように思う。
アーティストを最大限リスペクトしている姿勢がよく伝わってきて、この人は信用できる、と思いながら放送を聴いていた。
そんな番組の最終回で、印象に残った話がある。
「昔は友だちと一緒だったが、みなそれぞれライフスタイルが変わって、今はひとりでライブを観に行っている」
「でも、この番組を聴いていると、同じようなことをしている音楽好きがまだこの福岡にいる」
「自分だけじゃない」
「音楽が好きでよかったー!」
あるリスナーさんからのメッセージだが、これに栗田さんは、
「音楽を届けようと思ってきた」
「そういうコメントを多くいただいけたのが、本当に嬉しかった」
そしてなにより、大きな変化に直面しているいまの自分に刺さった言葉。
「人は変わっていくもの」
「新しいことを始めるいい機会だと思えばいい」
番組最後のゲスト、バンドBRAHMANのボーカルTOSHI-LOWさんが、栗田さんへ送ったひとこと。
ホリエモンが会長に就任して以来、経営改革が着々と進み、番組編成も変わりつつあった。そんな状況での番組終了は栗田さんにとって、ひょっとしたら不本意な部分もあったのかもしれない。
そんな栗田さんを慮ってか、TOSHI-LOWさんはサラっとこんな声をかけた風に聞こえた。
彼は、この番組にたびたび出演されていて、栗田さんを信頼しているのだろう、インタビューは大体、部室の会話のようなユルくてざっくばらんな感じ。
でも、いつも何か爪痕を残すような説得力のあることばを届けてくれていた。
昔の友だちのような人の、信用できるラジオ番組が終わってしまった。
そして、私の娘は今月から保育園に通い始め、私の育休ももうすぐ終わる。
変化が、これからどんどん起きてくる。
でも、「変わらないもの」を持ちつつ「変わっていくこと」も悪いことではないだろう。
私たち家族にとって変わらないもの。
子どもが元気で健やかに育ってほしいと思う気持ち。
家族が機嫌よく過ごしたいと思う気持ち。
そんな気持ちをブラさないために何ができるか、何をするのがいいか。
家族みんなで、悩んで学んで。
そして、変化もしながら進んでいきたい。