【男性育休】3年生きたねこ、9か月生きた赤ちゃん
わたしたち夫婦は、それぞれ1年間育休を取っている。
いわゆる「ダブル育休」というやつだ。
そして、大体1日家で過ごすことも多い。
そうすると、仕事をしてるときには見過ごしていたようなことにも気がついたりする。
かつて、ニャンちゃんと呼んでいた地域ねこがいる。そのねこが3年ぶりに、我が家の庭に現れたのだ。
生きていた。まるまる太っていた。きっとどこかの家で、ごはんをもらっているんだろう。毛のツヤもよかった。
実際に目撃したのは妻だったが、妻が撮った写真からもそれは伝わってくる。
3年、生き延びたのだ。短いようで長い。
この3年何をしていただろう・・・
家を建てた。
仕事で出向した。
妻が妊娠した。
子どもが生まれた。
暑い日も寒い日もあった。
雨の日も風の日も雪の日もあった。
どこでどう過ごしていたのかは知らないが、よくぞご無事で!
感慨深かった。なんだかとても嬉しかった。
浸っていると、妻が言った「グレちゃんはどうしてるかな」。
グレちゃんとは、隣人になついて一時期家ねこになっていたが、野良にもどっていったねこのことだ。それでも、たまに隣家に現れてはごはんをもらっていたが、顔が険しかった。
人もねこも、生き方が表情に出るのだと思った。
そして、はぁはぁと荒い息づかいをしていて、体調が悪そうだった。隣人は「ひょっとしたら、もう長くないかもしれない」と言った。
わたしの子どもは、生まれて9か月が経った。病気ひとつせず、無事に生きている。
いま思えば、最初の2カ月くらいは大変だった。頻繁な授乳やおむつ替えで常に寝不足。
目の前のことに必死すぎて、私も妻もその頃のことをあまり詳しく覚えていない。
とにかく死なせないように、という一心だった。触れるのが怖かった。精密なガラス細工を触るように、恐る恐るだっこしたりした。
目や鼻や耳にお湯が入らないように、全集中で沐浴させた。
そのうち、ハンドリガードしたり、笑うようになったり、喃語をしゃべるようになったり、うつぶせできるようになったり、おすわりできるようになったり、離乳食をたべられるようになったり(麦茶はまだ飲み方がわからないみたいで大体吐いている)、ずりばいできるようになったり、そして今はつかまりだちができるようになったり。
生きて、着実に成長している。
我が家にもねこがいる。男の子と女の子の保護猫のきょうだいだ。
うちに来て7年経つが、やってきた当初はまだ生後3ヶ月くらいで小さく、ドキドキしながら育てていたことを思い出した。
ある日、男の子のほうが冷蔵庫と壁のすきまに入ってしまい、出てこなかったことがあった。電源があったので、感電とかしないか心配になって家から出られず、仮病を使い会社を休んだ。
でも、最近は子どもにかかりっきりで、ねこたちにあまり構ってあげられていない。「ねこファースト」だった我が家は、いつの間にか「赤ちゃんファースト」になっていた。ねこたち、ゴメン。
子どももねこたちも、たくさんかわいがって、大切に育てたいと思う。
みんな元気で健康に生きてほしい。
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