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【男性育休】お母さんを悲しませたくない お母さんを残念な気持ちにさせたくない

今さら、#すごい選手がいるんです!

と騒ぐ話でもないが、北口榛花選手について書いてみる。

北口榛花選手とは、今年のパリオリンピックの陸上女子やり投げで金メダルを獲った選手だ。
顔をくしゃくしゃにして笑う姿も魅力的で、見ているこちらも思わず笑みがこぼれてしまう。オリンピックで優勝したとき、競技場にいた世界のカメラマンたちもシャッターを切りながら、彼女につられて笑っていたのが印象的だった。

そんな北口選手に、「家族を思いやる気持ち」とはどういうものかを学んだ話。

私はテレビでオリンピックを観るのが長年の趣味で、関連番組も含めていろいろ録画しているが、NHKの「クローズアップ現代」という番組で北口選手の特集回があった。

その中で、いつも笑っている印象の彼女が泣きながらインタビューに答えている場面がある。

「高校を卒業するときに、1人ひと言、両親へという会があったんですけど、今でも思い出すと…。結局(母親と)同じ道を歩むことになってごめんなさいって言ったんですよね。
稼げるスポーツじゃないし、(母親が)望んでなかったことを知ってるからこそ、スポーツ選手になりそうだから、ごめんなさいって

北口選手のお母さんは、実業団のバスケットボールの選手だったが、活躍できず、いい成績も残せずに引退していた。
だから、そんな厳しい世界を自分の子どもに経験させたくなかった。

「親心」だろう。

でも、北口選手は、そんなお母さんの想いをわかっていながらも、「いばらの道」を進むことを選んだ。

お母さんを悲しませたくない
お母さんを残念な気持ちにさせたくない


親を思う心。

この覚悟こそが、北口選手の原動力となっている気がする。
そして、やるからには世界一を目指す。

彼女はつたない英語で、チェコ人のセケラック氏に連絡を取り、自分のコーチになってほしいと頼み込んだ。
そして、単身チェコへ乗り込み、拠点を移しチェコ語も習得する。

彼女はやり投げの技術やそれを支える身体能力の高さに加えて、そういった行動力も称賛されている。
でも、それは自分のためであると同時に、お母さんのためでもあったのではないだろうか。

子どもにはいろんなスポーツをやらせるのがよい、という考え方がある。
早い段階からひとつに絞らずに、いろいろ試してみて、適性を見極めるのがよいということらしい。

子育て本にもよく書いてあるし、幼いころから水泳やバドミントンもやって大きな大会で活躍していた北口選手がまさにそうだと思っていた。

北口選手はそんなアスリートという認識だった。

でも、いまは北口選手からもっと大事なことを教わった気がしている。

親が子を思う気持ち
子が親を思う気持ち

そのふたつが結びつき、大きな力になって、たどりついた金メダルだったのかもしれない。



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