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「修正」でない時は「変更」とお願いするほうが好感度高い
周囲から「そんなことアンタ以外は誰も気にしてないよ」と言われるであろう、細かい話をする。
依頼されて撮影・編集した制作物に対して「修正をお願いします」と言われると、ムッとするケースがある。
「修正」とは、悪いところをなおすこと。極端に言えば「修正してください」と言って許されるのは、「雑な仕事しやがって!とっととなおして出直してきやがれ!」と言い換えられる場合に限る。…と私は考えている。
「そんなつもりで言ったんじゃない」という場合は、もしかすると「変更」と呼ぶのが適切ではないか?を考えてみて欲しい。
最初からそう依頼すべきことを見落としていて、手戻りになるんは申し訳ないけど、「変更」してくれへんやろか?とお願いされたら、しゃあなしでやる。
「修正」と呼ぶのが妥当で、本当に落ち度があった場合は、全力で謝って対応はする。背中の傷は剣士の恥だ。
依頼側と制作側という視点
インハウスで制作していると「なぁなぁ」になりがちだけど、思考実験として制作会社に依頼していたら?と考えれば分かりやすい。
適切な検収期間内に挙げた「修正」だったら、制作物の過失は追加コストなしに対応してもらえる。一方で、「変更」だったら追加費用が請求される。
この線引きにおいては、絶対的な「良し悪し」だけではなく、どのようなものが「良い」かを事前に正しく伝えていたかのコミュニケーションが重要になる。後出しで要求を増やすのは、内容が正しかろうと「修正」じゃなくて「変更」になる。
撮って編集することが守備範囲だった場合に、被写体側の問題で発生した手直しを、被写体を準備した側が「修正」と呼んでいたら、「どの口が言うてんねん」と言いたくなる。
それは以前にも書いてた。
作り手と消費者という視点
より広い視点で捉えると、制作を依頼する側とされる側なんて区別は内輪話でしかない。最終的なお客さんにとっては、どちらも作り手であって区別なんて無い。
特にインハウスの制作だと、制作に対する「変更」であったとしても、そのままお客さんに出すと問題になるのであれば「修正」と捉える視点が求められる。
作り手の一員として、落ち度なく「正しく」ものを作るだけではなく、「正しいもの」を作るための働きかけをしてこそのインハウス。
「正しく」の範囲も、新しくお付き合いする制作会社に1から10まで伝えるのとは違い、過去の履歴も踏まえて総合的な判断ができてこそのインハウスだ。
ただ、顧客志向を盾にして、雑な要求を正当化することは許さん。内部顧客と外部顧客、どちらにも敬意を示す世界の方が優しい。
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