職場の冷蔵庫で4年間熟成されたビールの味
2023年末、職場の大掃除で共用の冷蔵庫のものを整理することになった。
食品やペットボトルすべてにシールが貼られ、「自分の持ち物があればはがして」とアナウンスがあり、期限が来てシールが貼られたままのものは処分される。
棚卸の結果、2019年製造の未開封ビールが発掘された。例のパンデミック前にあった懇親会の余りビールと思われる。それ以降は懇親会もパッタリ無かったために飲まれる機会を逃して4年が経つ。
生ビール×熟成
一番搾りは「生ビール」である。上の画像にもそう書いている。
お店で「とりあえずビール!」「生にしますか?瓶にしますか?」というやり取りがあるけれど、瓶ビールであっても法律上は生ビールという銘柄は多い。
慣用上は「樽からジョッキに注いだビール」が生ビール、法律上は「熱処理していないビール」が生ビールという定義の違いがある。
日本酒で言うところの生酒が瓶に入っているような話で、生ビールだって瓶や缶に入っている。
生モノは傷みやすい。日本酒の「ひやおろし」や「古酒」だって、基本的には1度目の火入れをしてから寝かせているものが多そう。でも、今回のビールは生のまま熟成している。大丈夫だろうか。
メーカーのFAQを見た感じ害はなさそうだけど、新鮮な方がオススメなのは間違いない。
わざわざ飲むものではない
自己責任で誰か持って帰る?という話になり、興味本位で味わってみることにした。
ソムリエや利き酒にも「健全度」の評価があり、試験では傷んだお酒が出題されることもあるのだとか。人生経験として知っておこうと思った。
個人差あると前置きしつつ、私は飲んでおなかを壊すことはなかった。全盛期はガンジス河を泳いでも平気だったけれど、年も食った今だと平均的な強さだろうか。
密閉はされていても、炭酸が弱めであるように感じた。本来のビールの風味も薄い気がする。東南アジアの暑い旅行先で飲むアッサリめのビールを思えば、そのこと自体は問題ない。
後味にうっすらと独特の癖めいたものを感じた。酸味なのかエグ味なのか、どう形容するのが適切か語彙を持ち合わせていないのが悔やまれる。
「こういう味」という方向性を知っておけば、そっち方向のかすかな予兆を感じ取ろうとすることで、新鮮さの判断には役立つかもしれない。
新しいビールと飲み比べれば、もっと的確にわかったかもしれないと反省。次回があれば比較しよう。いや、やりたくはないな。
熟成ビアカクテル作戦
わざわざ飲むもんじゃないけど、ビール煮を作って全体がイマイチだった方が被害は大きいし、6本とも使い切るのは難しそうなので、ビアカクテルを試すことにした。
トマトジュースで割ることで、酸味が上書きしてくれるので、熟成ビールの味は気にならなくなった。ますます炭酸は感じられなくなる。
辛めのジンジャーエールも舌への刺激が味を覆ってくれる。炭酸を補ってくれる意味でも良かった。
ビールだけを飲む場合よりも水分が増えるので、おなかはタポンタポンになる問題はあるものの、ビアカクテル作戦が成功して熟成ビールを6本とも飲み干した。めでたしめでたし。
オマケ:おうち居酒屋のアテは、海苔にキムチとクリームチーズを巻いたもの。冷蔵庫にあればお試しあれ。