難易度HARDと知るだけで救われる
巷にあるビデオゲームの類は、プレイする本人のレベルに合わせて難易度が選べるし、選んだことを本人も自覚している。
これに対して育児は、初心者親だからと言ってコウノトリが育てやすい子を運んできてくれる訳ではない。難易度を選ぶこともできない。
それでいて、自分が接することのできる子供の数も限られているので、大抵の場合は難易度を知ることもできない。
身体の問題と心の問題
育児の苦労には偏食から癇癪まで様々だけれど、この節では便宜的に身体の問題と心の問題に分ける。すぐに体調を崩すという苦労もあれば、性格に一癖あるという苦労もあるだろう。
身体の問題は、病院にかかる頻度やお医者さんの診断なんかで把握しやすい。うちの長女は、熱を出して寝込んだことがないくらい頑丈で、この面は恵まれていると思う。
他方である心の問題は程度の把握が難しい。熱が出れば体温が測れるけれど、性格が気難しくても測りようがない。身体の問題であれば医者にかかるものが、心の問題に関しては連れて行く発想になりにくい。
先天的か後天的か
世の中の印象として、「体の問題」×「先天的」だと捉え、「心の問題」×「後天的」だと捉える傾向を感じる。あくまでみんなの印象の話であり、実際のところどうなのかは知らんけど。
つまり、すぐに体調を崩しやすく苦労する子に対しては「生まれつき身体が弱いんだね」と共感されやすいのに対して、気難しくて育てにくい子には「そんな育て方をするから子供が調子に乗る」みたいな批判を受けやすい。年配の親戚とかそういう言い方するよね。
N=2ながら、我が家の姉妹は同じように育てても気難しさの方向性が違うので(どっちも気難しいから何とも言えんけど)、外野が思うより「心の問題」×「先天的」の割合は高いんじゃないかと思う。
後天的なものは親のせいに向かいやすい。もしかすると、先天的なものでも「そんな風に産んだから」と責任を感じるママはいるかもしれない。だけど実は、我が家だけ難易度が高いということもあるかもしれない。
難易度HARDと知るだけで救われる
たいていの家庭では1~3人くらいしか子供を見ないので判断しにくい。でも、幼稚園の先生などは多くの子供を見ているので、客観的に判断できるという面もある。メンタリティ問題について実際に相談してみると:
「5年に1人くらいそういう子もいますから、気にしなくて大丈夫です!」
と励ましていただいた。「エッ!5年に1人の逸材だったの!!?」「それでも気にしなくていいの!!!?」と驚いた。同時に「難易度HARD」だったのかと知って、妙に救われた。その後は、先生を紹介して下さったりで、今はそれほど思い悩んではいない。
まずは気軽に相談から
育児に悩むほどいろんな情報を集めるけれど、難易度EASYの人が発信した「育児なんて楽勝だぜ!」を真に受けて落ち込むことはない。役立つ教訓は取り入れたらいいけど。
特に心の問題は難易度HARDであってもそれを自覚しにくく、自分のせいだとか育て方が下手なんだとかで、抱え込んでしまう親は一定数いるだろうなと想像する。
いきなりお医者さんはハードル高くても、まずは幼稚園や保育園の先生やら、市町村の子育て相談やら、頼ってみれば然るべき道を案内してくれるので、まずは気軽に相談をオススメしたい。