インド旅行で人生観が変わるかは知らんけどネタにはなる
普通に会社員をやっていると、そう毎日noteに書くに値するほど面白い出来事が連発する訳ではない。幸いにして年食うと人生の蓄積があるし、noteはお題を与えてくれる。#旅のフォトアルバム 企画を目にして、私の初海外旅行は二十代半ばに行ったインドだったことを思い出した。
写真を掘り返すと2007年9月だった。「インド旅行で人生観が変わる」なんて言葉もよく言われるけれど、14年が経った今「本当にそんな効果があったのか?人生観が変わった結果としてこの人生なのか?」などと不毛な疑いは持つ。
そんな想い出をネタに投稿できているので、やっぱり人生の肥やしにはなっている。だいぶ記憶はアヤフヤではあるけれど、写真によると、デリー空港で降り立ち、ヴァラナシ(ベナレス)のガンジス河やら、ブッダガヤで釈迦が悟りを開いた聖地やらに巡礼したようだった。
旅行の目的も思い出してきた。たかのてるこさんのエッセイ「ガンジス河でバタフライ」を、長澤まさみさんが実写ドラマで再現していたのを観て、「それなら水泳が得意と言うてたオマエもいけるんじゃね?」という軽いノリで、大学院の研究室にいた男子3人で突撃することに決まった。今もどこかにガンジス河を泳いだ証拠動画が漂っているだろう。
...探したら速攻で見つかった。インターネッツ怖い。2007年の動画クオリティで無駄に3万回再生されている。低評価が多いのは、長澤まさみさん観たさに検索したのに、私が出てきたせいだろう。なんかすんません。
のちの海外旅行がイージーモードに感じるくらい、酷い7~8日の旅行だった。私は鉄壁の健康体のためお腹も壊さなかったけれど、同行者はけっこうグロッキーになっていた。ホテルから出てきた瞬間から物乞いや押し売りが群がってくる。押し売りに負けて買うとガイドさんから「お前はさっきの船頭にチップもやらないで、押し売りには金をやるのか!」と怒られる。カメラ奪われて「撮ってやるから返して欲しければ1ドルよこせ」言うてくる。ガイドやドライバーも追加のお金要求してくる。旅の半ばには「今日はホテルから一歩も出たくない!」という日もあった。
別れ際に現地ガイドさんが「次は新婚旅行でおいでよ!」と言うてたけれど、心の中では「絶対に行かんわ!」と思っていた。でも不思議と、思い出としては楽しかった印象で上書きされている。ぬるま湯でぬくぬく育っている娘を見ると、「自分が当たり前だと思い込んでいる事なんて当たり前じゃないぞ!」と気付いてもらうためにも、一度くらいインドにでも連れて行ったろかという気もしている。