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生きる理由(reason to live)
生まれた時から生きる理由が分からなかった。
死はいつも傍にあった。
生きるか死ぬかが常に問題だった。
信じるものは救われず騙され、
信念とは何ぞやと首を傾げ、
自信と虚栄心を履き違え、
聖母の教えを裏切り続けた。
それは、頭上を飛び交う怒声の中で
成長したせいでも、
聖母による洗脳のせいでもなく、
ただ生まれ落ちる前から決められていた、
神様の悪戯。
やることなすこと裏目裏目へと、
オセロのように全て一瞬で黒で覆われる白。
ステレオタイプを望む社会からは
薄いバリアで仕切られ、
そこから侵入することは決して許されない。
なのに、バリアから出ようともがく私に、
突如舞い込む召集令状。
嬉々として参上する私は阿呆!
鼻血を出しても尚、
皆の満足げな顔に満ち足りる。
原因不明の希死念慮への葛藤は、
誰に知られるでもなく、
静かに病魔は進行する。
やがて、不安、恐怖、厭世…
何もかもがリンクしていく。
過去の十字架を背負ったまま何ができよう。
生まれ落ちた時からの自殺志願者は、
犯罪者と紙一重。
大多数の加害者は、もはや被害者と化す。
ウルトラマンよろしく
3分しか持たない笑顔を使い果たし、
私は、狂気の世界に飲まれていく。
兎角この世は生きづらい。
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