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Photo by
scoop_kawamura
壊れたらすぐなおしてね
椅子が壊れた。
去年からずっと使い続けてた作業用の椅子。
足置きもついてて、一寝入りできたりもするのに、座面を支えるネジが飛んでったせいで、座面は不安定、こいつは椅子でない椅子になってしまった。
お香を炊いて、音楽をかけて、椅子に腰掛けて本を読むという1人の時間も失われてしまった。
椅子でない椅子がまだ椅子だった頃の椅子に座っていた私も、ここ2週間くらい心がすっぽ抜かれていた。脊髄から出る言葉で会話して、心を殺してひたすら作業していたけれど。
私も人でない人だったんだろうか。
いろんなことが一旦落ち着いたと言ってもいいと思えたのが、ちょうど2週間ぐらい前で、その時に椅子のぐらつきも感じ始めていた。
私は物理学信者で、根拠のない非科学的なことはあまり信じていないので、モノにも感情があるだとか、そういうのは真正面から受け取らないようにしているのだけれど、自分が壊れたタイミングと椅子が壊れたタイミングが同じだということに気づいた時、気づく自分にもっとなんで早く気づかなかったの、とは思う。
溶けたアイスは元の形には戻らないし、壊れた人間関係は壊れ切った後だと元に戻すのにたいそう時間がかかる。自分たちではどうしようもできなくてあとは時間薬か第三者に入ってもらうしかなくなる。
違和感をそのままにしないこと、違和感を違和感だと感じた自分を気のせいにしないこと。
どんだけ言葉にしても行動するのは容易くないってわかってるんです。
でも言葉にしないよりはいっか。って。
そんなことを考えてゴローンって床に寝ていたら、ネジ、2本出てきました。
今から椅子でなくなった椅子にはめたら、椅子になってくれそうです。