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#0145 勝手に空想旅行~釧路という異国~
こんにちは。釧路出身の小田原です。
先週はただでさえ猛暑で寝付けない中、娘の喘息が悪化して夜中に発作を起こしたりと寝不足が続く毎日。
そして、副鼻腔炎になって頭が重たかったりと、まあまあしんどい一週間でしたが、それ以上に嬉しいことが沢山ある一週間でもありました。
体調が万全なら100点満点なのですが、人生そんなもんですよねw
週末は耳鼻科で処方された薬が効果覿面で元気に過ごせています!
そんなこんなで、木下斉さんVoicyチャンネルのプレミアムリスナーの皆さんの中で、今夏に釧路旅行を計画されている方々が何名もいらっしゃって、とても嬉しくて嬉しくて仕方がない状態でおりまして。
よし!旅行プラン考えます!と言ったりしたものの、せっかくの旅の楽しみを害してしまうような気もするので、一方的に私からエリアの見どころを発信して、そちらを参考に計画を練られたり、当日現地で訪れてみたり、期待を膨らませていただいたりと活用してくれると良いかなと思い、ある4人家族が釧路旅行に行くという設定で物語っぽく連載してみようと思います。ちょいちょいコラムっぽいのも入れたりして。どこまで続けられるかはわかりませんがw
ただ、釧路を離れて10年以上経っていることもあり、古い情報だったりもするかと思うので、釧路の皆さんからは是非積極的にコメント欄で最新情報や追加情報を投稿していただきたいです!
(コメント欄を確認しながら、適宜、記事を更新できたらと思っています)
それでは、さっそく空想旅行にお付き合いください
○霧
7:45羽田発→9:30釧路着のJAL便で釧路に上陸。
飛行機からボーディング・ブリッジにでると、家族4人一同「涼しい」
開口一番、みな同じ言葉をつぶやき、顔を見合わせて笑いあった。
この日の東京は最高気温35℃の予報で朝から快晴。
家族4人で汗だくになりながら大きな荷物と一緒に飛行機に乗り込み、席についてホッと一息ついたのが懐かしい。
機内では、家族みんなでお菓子を食べたり、ガイドブックを眺めたりしながら楽しく過ごしたのだが、行きの疲れからか、サービスドリンクを飲むことなく眠ってしまった。
着陸が近くなるアナウンスがでたタイミングで目が覚め、窓の外を見ると、雲の中にいた。
高度を下げている感覚があるのだが、一向に雲は晴れない。
それが霧だと気付くまでかなり時間がかかった。
着陸寸前になって瞬く間に雲が薄くなったと思いきや、数十メートル下に滑走路が飛び込んできて「えっ、不時着⁉」とドキッとしたのだが、機内はいたって平常。何事もなく釧路空港に着陸した。
ドキッとしたのは、どうやら私だけだったようだ。
地理好きの私は、いつも窓側の席に座って地形を見たり、機体が今どのあたりを飛行しているかを目視確認してモニターで正誤確認をするという誰も共感しないであろう遊びに興じるのだが、今回は釧路名物の濃い霧に苛まれてしまったようだ。
霧は雲の一種です。気温や水蒸気の影響により様々な種類に分かれます。
釧路に多く発生する霧は、暖かい湿った空気が冷たい海面に触れて冷やされた時の温度差によって発生します。
このような霧を「海霧」(かいむ)(釧路の人は「ジリ」)と言います。
この「海霧」は季節に関係なく発生しますが、春先から夏にかけて多く発生する傾向があります。
高温多湿な小笠原気団が北に移動してくると、冷たい千島海流にぶつかります。この時の温度差によって海面に発生した霧が、夜間などの陸地の温度が低いときに内陸に入ってきます。
このような現象は、三陸沖から北海道太平洋海上に多く見られます。
釧路空港は海岸線から約6kmと海に近く、標高約90mの小高い丘陵地(白糠丘陵)に、また東側は釧路湿原の一部で泥炭質の低湿地という場所に位置し、特にこの影響を強く受けているのです。
釧路空港では、こうした霧による視界不良でも安全に飛行機の離発着ができるようにCAT-Ⅲbという最新のシステムを導入しており、濃い霧でも離発着ができるように運用されています。
雲が晴れないなと思いながら釧路に向かっていると、急に晴れたと思ったら真下に滑走路が見えて死ぬかと思った経験が何回かありますが、心配しなくてダイジョウブです。
![](https://assets.st-note.com/img/1720935716316-EyY1liqwg2.png?width=1200)
○涼しい
ワクワクしながら機内からボーディング・ブリッジに出ると、ヒンヤリした空気が身体を包み込む。
家族4人一同「涼しい」
エアコンの空気とはあきらかに違う。
貼られているポスターも釧路らしい。
窓からは空港以外の人工物が見当たらない。
濃い霧と緑と人工物のコントラストが何とも言えない。
荷物受取りを待つ間、妻と子供たちはトイレに向かった。
私はベルトコンベアの看板に目をやる。
カニ、イクラ、ホッケ、ホタテ、海産物の飯テロが襲う。
なかでも炉端の写真を見ていると、魚の脂が焼けるジューという音。
甲殻類を焼く香ばしい香り。炭の香りと熱が、脳内を駆け巡る。
すると妻と子供たちが戻ってきた。
「よし!今日の夜は炉端に行くぞ!」
「ロバタってなに?ロバのこと?」
「違うよ。バーベキューみたいにお魚とかカニとか焼いて食べるんだよ。釧路は炉端が発祥の町らしいから、きっと美味しいお店があるよ。いってみよう!」
こうして未定だった夕食が決まった。
お店はGoogleマップの評点を見ながら決めよう。
お刺身も炉端も楽しめるところが良いな。
そんなことをしていると、荷物が手元に回ってきた。
ロビーには剥製やアイヌ文化を紹介する展示があり、北海道にきたという実感が沸いてくる。
釧路市では1955年から1958年頃、「炉ばた」が開設されました。
東北の仙台市で野菜を炭火焼しながら提供しているお店をみて
「釧路ならそれを新鮮な魚でできる」と思いつき
釧路ならではの海産物に変え、海鮮炉ばたを独自に始めました。
釧路市内には「炉ばた」と呼ばれる店が多くあり
最盛期には170軒ほど。
かつての釧路市長(山本武雄氏)の随筆には
『はじめは〝炉ばた〟という店名の固有名詞であったが
次第に同様の店が多くなりジャンルを示す呼称の普通名詞に変わった』
とあります。
そのお店こそ、釧路市栄町3丁目1番にある〝炉ばた〟です。
地元では「炉ばたの炉ばた」とも呼ばれ、その文化を伝播させてきました。
*諸説あり
○笑えるほど涼しい
レンタカーの店舗に向かう連絡バスに乗るため、満を持して空港の外に出る。
家族一同「寒っ!」
つい15分ほど前は「涼しい」だったが、濃い霧に包まれた釧路の朝の空気は「涼しい」を通りこして「寒い」だった。
飛行機を降りたときと同じように、みんなで顔を見合わせて笑いあった。
リュックにユニクロのパーカーを入れてきて良かった。
みんな一斉にパーカーなど上着を羽織る。
「いや~さみい~」と言って笑いながら。
野生動物たちのモニュメントに囲まれた温度計を見ると「18.1℃」
![](https://assets.st-note.com/img/1720936276935-itMjKQEDWD.jpg?width=1200)
先日みたNHKの釧路特集であったのを思い出した。
まさに「笑えるほど涼しい」である。
お友達の名塚さんが取材を受けたNHK北海道の特集(リンク)を是非ご覧ください!とてもセンスが良いし、すごく共感することが多くて、道外の皆さんに多く知って欲しいなと思います!
温度計から再び空港を背に辺りを見渡した。
東京では考えられないほどの「涼しさ」と、一面濃い霧に囲まれた幻想的な雰囲気を改めて感じ取る。
東京との共通点は日本語が通じることくらいか?笑
ここは同じ日本なのだが、俺たちは「釧路という異国」に来たんだなと実感した瞬間だった。
さて、レンタカーに乗ってドライブの始まりだ!
つづく・・・
釧路出身の私でも、真夏に東京から帰釧して釧路空港を出たときに「寒い」と思うことがあり、薄手のウインドブレーカーなどをリュックに入れていく。
早朝や夜は冷え込むこともあり、花火大会はパーカーを着ていた思い出。おばあちゃんの家では、よくストーブを焚く。
なので洋服は週間天気予報などをチェックしながら用意しておくことをお勧めしたい。
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