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#0004 港湾について あれそれこれ
釧路港を変えたいなと思うその前に
港湾に関わる法律関係(港湾法、都市計画法等)が複雑であり、MOO周辺を含む港湾エリアの再開発がなかなか進まないには理由があるのではないかとの想定の下、もしかすると開けてはならない箱かもしれない、港湾法と都市計画法を調べてみた。
すると、色々とハードルが出てきた一方で、もしかしたら?と思える部分も見えてきたのだが、まずはあまり面白くないところを一度整理してみたいと思う。
港湾とは
海上輸送と陸上輸送の結節点として物流・人流を支える交通インフラであり、陸域と水域とが一体となった空間と定義づけられる。
港湾にはどのような種類があるか
1950年に公布された「港湾法」により、大きく4種類に分類。
釧路港は「重要港湾」に分類される。
※釧路港は、国交大臣から国際バルク戦略港湾の指定を受け、水深14m埠頭で運用を開始。パナマ運河を渡航できるサイズの船舶が停泊できるようになった。
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港湾の管理主体
港湾法上、港湾の整備、管理、運営の一元的な主体として、港ごとに「港湾管理者」を置くこととしており、地方公共団体のみが設立できるものとしている。形態としては、次の3種類があるが、①港務局、②広域連合、③単独、大多数が地方公共団体単独で「港湾管理者」となっている。
※釧路港の港湾管理者は釧路市。
臨港地区の指定
「都市計画法第2章の規定により臨港地区として定められた地区または港湾法第38条の規定により港湾管理者が定めた地区」(港湾法第2条第4項)とされていて、港湾管理者が管理運営する陸域エリアのことと解して良いと思う。
臨港地区は、「都市計画法」に基づき指定する場合、港湾管理者が申出(重要港湾以上は都道府県が定め、都市計画区域外のエリアは港湾管理者が単独で定めることが出来る。(都市計画法第23条第4項、第15条第1項第4号、港湾法第38条第1項)
構築物規制
港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るため、臨港地区に指定されたエリアにおいて、行為規制(事前届出等の手続き)と構築物規制が敷かれている。
とくに構築物規制に関しては、港湾管理者が「分区」を設定することで構築物規制を行っている。
釧路港の場合
臨港地区に指定されたエリアは、下図でオレンジ色に囲われた範囲となっており、そのエリアの中から港湾管理者である釧路市が分区を指定している。
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釧路市の場合、分区の種類及び構築物規制は、条例で規定している。
条例によれば、最も自由度が高そうな修景厚生港区(西港公園)は以下の構築物が許容されているが、幣舞橋周辺の無区分地区に関する規定がない。
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一方で、釧路市が定める「釧路港港湾計画図」では、幣舞橋周辺は「埠頭用地」「緑地」等とされていて、港湾法の下では無区分としつつ、曖昧な扱いがなされており、港湾法と都市計画法の両方の法律に跨った管理・規制が敷かれているのではないかと推測される。
また、釧路市が港湾管理者として定める「港湾計画」は国の基本方針に適合している必要があり、国交大臣に提出することが義務付けられている。(港湾法第3条の三)
つまり、臨港地区内の分区と構築物規制は、港湾管理者の権限で扱えるが、港湾管理者が定める港湾計画は国に握られているために、国交省の顔色を伺いながら調整をしなければならないという超絶ハードモード状態に蝦名市長は置かれているということも推測される。
無区分エリアなので、もしかしたら届出が認可されればOKなのではと一瞬思ったのだが、蝦名市長のおっしゃる通り、日本はそんなに甘い国でなかったということ、そして釧路で活動する皆さんがキャッスルホテルと旧日銀周辺と強調されている理由が、港湾法を齧ってみて痛感したところ。
遠回りかもしれないのだが、こうして自分で調べてみてファクトを知るということは、とても大切なことであるということは、狂犬ツアー@釧路でのフィールドワークで実感したことなので、漠然とから具体的にをこれからも増やしていき、もっとリアルな意見や提案ができるように努力していきたい。
都市計画法に関するところと、気になっている旧日銀釧路支店の利活用問題については、根気よくもう少し調べてみつつ、ワクワクするようなアイディアも考えてみたいと思う。
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