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#0138 「幸せ」は「幸せの反対の反対」という逆説的アプローチ:仏教からクソジジイ研究まで

『夜と霧』に続いて積読本『幸福論』を荒木博行さんがVoicyで取り上げていたので、気になって聴いてみました。

ジブン株式会社の経営においても、「幸せになること」は最重要命題です。

どうしたら幸せになれるのか、こうした正解のない問いを考えることが私は好きですが、著者・ラッセルがこの本を執筆するにあたって取ったアプローチが、実にメタ認知的であり、仏教哲学的であり、バカボンのパパ的であるのです。

荒木さんのVoicyでは、第11章のみを取り上げていました。

それだけでも、やはり世界三大「幸福論」と呼ばれているだけあって、いろいろな気付きを与えてくれる良書ではないかと思います。

気付きを一つ一つ上げていくと長くなってしまうので、今回は『幸福論』の著者・ラッセルが、「幸福」になるにはどうしたら良いかを考えるにあたって取ったアプローチと、それにすごく重なるなと思った事例について取り上げたいと思います。


○幸福を考えるメタ認知的アプローチ

ラッセルのアプローチで特に興味深かったのは、彼が「幸福」を直接考えるのではなく、「不幸」からアプローチした点です。

彼はまず「人々を不幸にする原因」を分析し、その対極にある「幸福」を浮き彫りにする展開で執筆されています。

これまさにメタ認知的なアプローチですよね。

私がよく聴くVoicyパーソナリティの皆さんは、「メタ認知」をよく取り上げていらっしゃるので、非常に共感しました。

私も日々、メタ認知が大事と思って、できるだけ感情に脳が支配されないようにとか、もう一人の自分を斜め上に作って自分を見てみたりしますが、仕事にしろ日常生活にしろ、日々動いている中で正確に現状認識をすることは難しいことだ感じています。

過去の自分を振り返ることは比較的容易で、あのときこうすれば良かった、次はこうしようなどと考えることができますが、不思議なものです。

歴史を学ぶときも、過去の出来事や人物に対して、何でこんなことしたの?もっとこうすればよかったのに。という反応をしてしまいます。恐らくそれは、答えを知っている立場でマウントを取っているに過ぎなくて、当時の人たちの生活様式、常識、精神状態、技術水準、政治体制など様々な影響下で現状認識をしたうえで最善の行いだったはずです。

先人たちも私たちと同様に、動的に流れていく時間の中で正確に現状把握することは難しかったのだと思います。だからこそ、余計に正確な現状把握は難易度の高いものだと思うのです。

○対極からのアプローチと仏教哲学

このように思考対象そのものに真正面から向き合うのではなく、対極や差異となる事象・概念から考察するプロセスは、仏教哲学にも通ずるものです。

私のお気に入りの音声コンテンツの一つに「a scoop」という番組があるので、興味があればぜひ聴いてみてください

この世のすべての事象・概念は、相互に依存し、相互に限定し合うことで相対的に成り立っています。

どちらか一方が欠けると、もう一方も成り立たなくなります。

したがって、あらゆる事象・概念は、それ自体として自立的・実体的・固定的に存在しているわけではありません。

これは色即是空・空即是色の根本でもあり、「私とは何か」を考えるときも、私を「私ではないもの」ではないもの、としてアプローチしていきます。

日常のメタ認知的な現状把握の試みも、ビジネスや日常生活で発生する様々な悩みも、ラッセルや仏教の逆説的なアプローチで解消されるのではと思います。

○クソジジイを教材にする

先日、KASHIWA@マイノリティなキャリア邁進中さんが、とても面白いnote&スタエフを公開されていました。

この「クソジジイを見て我がふり直せ」的アプローチも、こうなりたくないと思う実像から自己分析をするという、正確な現状認識をするうえでは非常に良いアプローチではないかと思います。

実際に私の職場にも「クソジジイ」に該当する人は生息していて、そういう人をみながら、こういう大人になってはいけないと自分を律する栄養分にしています。なりたくない姿を見て、なりたい姿を際立たせる、光と影みたいな関係性が思考のなかでも成り立つのではないでしょうか。

○バカボンのパパが教えてくれた

noteを書き進めていくと、バカボンの主題歌が脳内再生されてきました。

歌詞の一部をピックアップします。

タリラリラーンロックンロール歌詞抜粋

バカボンのパパは凄いことを教えてくれていました。

たまたまなのか、意図してなのかは不明ですが、凄く哲学的で
「我思う、故に我在り」と言ったデカルトもびっくりではないでしょうか笑

○学び:クソジジイを研究する意義

ラッセルのアプローチから学べることは、「幸福」を直接追求するだけではなく、その対極にある「不幸」を理解することが大切だということです。

このメタ認知的なアプローチは、日常生活や仕事の中での自己認識にも応用できるのではないでしょうか。KASHIWAさんの例のように、身近なところから逆説的な視点を取り入れてみることで、新たな発見や気づきが得られるかもしれません。

クソジジイを研究することによって、非クソジジイを研究することにもなるのではないかと思います。ここにクソジジイを研究する意義があります。

最後に、ラッセルや仏教の知恵に触れながら、幸せについて考える時間を持つことは、ジブン株式会社経営にとっても、現代の忙しい生活の中で一息つく貴重なひとときではないかと思います。『幸福論』手に取って読んでみたいと思います。

皆さんもぜひ、逆説的な視点を取り入れて、より深い幸福を探求してみてください!!

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釧路人おだわら
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