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台所短歌

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台所から生まれた31文字
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#春

街色

私には一生似合わなさそうなペールトーンに街が埋もれる ******** 木々が、花が、人…

苧環
1年前
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採寸をしてなお長い袖丈に込めた数多も擦り切れて春 この3年無かったことでいいよねと菜の花…

苧環
1年前
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はる

歩調さえ合わせてくれなくなったキミ 後追いなんて出来るはずなく ******** 今年も…

苧環
2年前
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春ざわわ

舌先にぽつんと居座る違和感が小さな小さな渇きのしるし 吐かないと吸えないのよねなんだって…

苧環
2年前
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春の足跡

足裏に沁み入る冷気に"こんにちはお久しぶり"と声掛ける宵 親指がつんと澄ましているせいでう…

苧環
2年前
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陽に踊る春の粒子の妨げにならぬようにと今窓を拭く

春の陽を余すことなく取り込んで軽き身体とうららかにゆく

********
朝入り込んでくる陽射しに床が暖かくなる。光の中でチラチラ粒子が舞う。ま、塵や埃なんだけど。笑 窓硝子は勿論カーテンや網戸にレール、窓周りの掃除時期到来。

苧環
2年前
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無理ならばも一度座って良いんだよ立ち続けるのが無理ならば 春 ******** 暦とリアルはズレてるのか。でも細々と蕾は膨らみ始めてるからこれでいいのか? これぞ春!はいつ思うんだろ?寒さの中に感じる温もり?疑いようもない暖かさ?それだと初夏だよなぁ…

幾度目の春かと数ふ「あれから」が此処から幾つあるのだらうか

制服のあの子もこの子も吾子よりは遥かに小さき春も幾度目

苧環
3年前
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人肌の恋しき夜は猫ですら「あおーあおー」と歩を進めるに

苧環
3年前
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気まぐれにコートをさらいもてあそぶ春という名をかたる小悪魔

苧環
3年前
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サルベージ 花に寄せて

・・03. 梅 思ひ出は異なる枝に膨らめど時を違へずにほひ出づべく 彼方より匂ふ香ばかり身に染…

苧環
3年前
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