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台所短歌

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2022年1月の記事一覧

行き交ふは思ひ乗りたる言の葉か冬の日浴びた軽き枯葉か

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言葉の重みなんて受け取り手次第なところがある。文字であろうが音であろうが。
語弊や誤解込みで取りたいようにしか取らない。それで幸せならいいんじゃない。そうじゃない言葉なんて風に飛ばされて仕舞えばいいだけで。

苧環
2年前
16

掘り下げて価値出るものは少なくて粗末な無文のカワラケばかり

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繰り返される営みがあれば掘ればそこから何かしらは出てくる。瓦と土器の展示は人が来ないと聞いた。素気ないものは照明や配置に気を配り丁寧な解説でどれだけ人目を引くか。瓦礫を積み重ねそれでも人は生きている。

苧環
2年前
18

喜びは小さなざるで悲しみは大きなざるで濾しながらゆく

二歳児になったつもりで見渡して瞳をキララと輝かせゆく

苧環
2年前
14

なんとなく色々知っていそうだな何処の誰だか知らないけれど

振り返る道がはっきり見て取れてそこに見い出す価値かも知れず

感情の入らぬ言葉はありはせず元を正せば「すき」か「きらい」か

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記録だって主観は入る。言葉なんてそんなもの。でも大事。相容れないことは多い。

苧環
2年前
16

音もなく入り来る風の冷たさが春待つおりの時戻すから

衝撃を避けつつ間合い埋めるのは楔ではなく柔き心か

今更とまだ間に合うの狭間にて動いてみよう爪先ほどは

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隙間風対策を今頃。
2月もまだ冷えるよね?と自問自答しながら
遅まきながら寒さの理由を一つずつ潰してく

苧環
2年前
19

あきらかに空は明るくなってゆく開けぬよはなしどの口が言う

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起きてしばらくすると空が白んで行くのがわかる。確実に季節は進む。暦通りに。なぞるように。夜は開ける。では世は?

苧環
2年前
18

あと7つ眠れば春が来ることもカレンダーには書かれていない ******** 立春とか大安とかそういうのが書かれていないカレンダーが増えた。 カレンダー自体使う人が減ったのかもな。携帯やパソでスケジュール管理してる人も増えたろうし。 なんかちょっとだけ寂しいなって

憧憬は持てないものへのマーキングあれこれそれとあの人この人

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持ってるものは要らないもんね。ないから欲しいんだよね。そう考えるとなんだかせつないな。夢とか目標とか…なんなんだろ

苧環
2年前
18

何処に吹く何処へ吹いてく風だろと小首傾げて笑っていたい

方角が違ってなけりゃ少々の蛇行寄り道休憩ありと

繰り返すありがと頼むねごめんねも重さとなってしまうこんな日

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他人さんには笑えるのにな。
聞き流せるのにな。
余裕のなさが原因

苧環
2年前
19

あのひとは泣いてくれたと言うひとの冷たい瞳がこちらを向いた

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貴女は泣いてはくれなかったから…とはっきり言えばいいじゃない。
一緒に考えようなんて思うんじゃなかった。
昔々の話。
ニンゲン無理するもんじゃないな。スタンスの違う人にはやっぱり寄り添えないんだから。

苧環
2年前
19

病院も元気がなければ通えない可笑しな話可笑しな話

苧環
2年前
23

我が熱を逃さぬように抱え込む暖取るあてのない身の自衛

じんわりと行き交う熱の懐かしき春待つ時を知れば知るほど

苧環
2年前
17

雪予報

君が住む街に今宵は雪降るとRADIOの声が告げる虚しさ

宅配が翌る日に着く世にありて届けきれぬは形なきもの

白銀が何をもかをも隠すなら隠してくれろ君を丸ごと

苧環
2年前
19

凍てついて色を無くした空が泣く大地を叩く音もさせずに ******** どんよりのまま泣かずに頑張ってたのに急に許容範囲を超えたかのように降り出した。その割に雨音は静かで樋を降り切った時の音だけ、雨だぞ!と虚栄を張ってるみたい。ギリギリまで我慢してたから一気には無理なのかな?