マガジンのカバー画像

台所短歌

1,444
台所から生まれた31文字
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

ただ今は駆け引きなしでキミの音が耳に響けと願ってみたり

おやすみに踏ん切れなくてふらふらと心地よき音を探しつつ朝

苧環
3年前
22

積み上げてくれるモノがなければさ最後の砦も続かないのを

*******
気付いて欲しい。永久燃料を持ってるわけじゃない。分かってくれは所詮無理な話なんだろう。アタシだって気づかず甘えてたんだから。最後の砦に後はないのよ?誰か援護してくれなきゃ。でも最後の砦ではありたいと言う我儘

苧環
3年前
13

拘りの根拠の無さに呆れ果て手放してゆくひとつふたつと

苧環
3年前
25

誰かしら悪口言ってないかしら安堵を探す闇まっしぐら

苧環
3年前
23

網を手に掬いに行こうわくわくは羽も翼も持ってないから

苧環
3年前
21

あの背なに心に我の名はあるや名もなき者のまずは覚悟を

苧環
3年前
12

意味もなくそう意味もなくただ笑う意味ないことに意味ある笑い だからとかそれからだとか突き詰めて壁を築いてゼンマイ切れて 濃い薄い深い浅いで差をつけたつもりで歩む先にある崖 一寸に魂(たましい)が五分あるのならアタシの魂(たま)はいかほどになる

キミの中にきっと残らぬあれこれを我はいつまでとどめ持てるか

苧環
3年前
21

通せんぼ先に仕掛けたのは誰だ巡れず惑う水が叫んだ

苧環
3年前
18

空ばかり見上げることに疲れきて落とせば映る先は泥濘

苧環
3年前
21

あめつちを行き交うことにあきあきて行く先なくす熱の暴走

苧環
3年前
18

虫の音が土の香含む風に乗る雨あがりの朝冷え切った朝

苧環
3年前
18

路面うつ音の強弱のみ聞こゆ音波時計は鳴かないままで

苧環
3年前
19

秋雨と呼ぶには早い気もしつつ蚊遣りの煙燻らし眺む