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文月を待ち侘ぶ空は浅葱鼠色の残せぬ雫となるや
苧環
3年前
22
離(か)れゆくと涙の川に浸れども水面に映る影もまだ見ず
苧環
3年前
20
踊るよに細紙の上で跳ね回る願いも持たずもはや幾年
苧環
3年前
21
爪を切り眉整えて頬2つぱぱんと叩き夏をいきいく
苧環
3年前
28
オンボロで埃まみれのこの身では所詮スペアになれぬけれども
薄くなりゆくほど増すと人言うを聞いた気がする他所ごととして
はかるにもはかれぬもののあることを今になり知る 愛しさという
苧環
3年前
23
黄昏に置いてゆかれた気になるは徐々に温もり冷めてゆくせい
苧環
3年前
18
ふれられることなきままに這い延びるへくそかずらの夏の自由度
わくわくが無くても苦なく着地する再放送を望む曇天
苧環
3年前
16
寄り掛かる先を探しているうちは何にもなれぬと語る朝顔
苧環
3年前
20
ころころと転がりゆけるオレンジはぽちゃんと鳴いて夕陽になって
苧環
3年前
22
当てはまるピースを探す旅ばかり続けていては何も変わらぬ
擦り傷も切り傷さえも自らで癒す術持つ身ではないかと
振り返る後ろの道の有様はただ目に映るものだけすべて
アクセルの在処も知らぬ我なれば振り切ることも出来ず佇む
苧環
3年前
22
捨て果てたつもりはつもりただつもりつもり積もってただつもりゆく
苧環
3年前
25
水無月の名の成り立ちを思いつつ文書く宛てもなきままに尽
苧環
3年前
24
同じ名で呼びあうヒトを流し見て置いてきぼりのこどもの気分
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