マガジンのカバー画像

台所短歌

1,444
台所から生まれた31文字
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

吹かせたい風は何℃と自問して響かす音色(おといろ)指折りさぐる

苧環
3年前
17

行く逃げる去った後にも仕舞われてバタバタする間にごめんと言われて

苧環
3年前
19

得たものを秤にかける置き去りにしてきたものは見えぬふりして

置き去りを捨てたと言い切る決別の言葉ひとつもかけないままで

捨てられたのかもしれないそう思うそれならおあいこそれでいいよね

苧環
3年前
21

キミの居ぬ街は明度が低すぎて頼りの影も見分けられない

苧環
3年前
24

欲しいものないかと尋ぬるキミの背に寄り添ふ女(ひと)を愛しと思ふ

************

誕生日やら母の日やら父の日やらに、子らから物が届くようになった。我が家にもあったんだ。そんな日。お嫁ちゃんの力は偉大だ。頂けるうちは頂いておきますか。

苧環
3年前
21

居心地の悪さを奪い合うための椅子取りゲームをしているのかと

苧環
3年前
20

名はなんと?問うても含み笑いのみ無音のままで地色濃くして ******** 四月下旬の雨に個別に名前はつけられてないのかな? 菜種と卯の花の狭間??

俯いて拗ねて縮んだ背にそそぐ温み飲み込み内腑に仕舞う

苧環
3年前
19

ひぃふぅみぃよぉいつむぅと重ぬれば八百万(やおよろず)にも負けぬ気のして

苧環
3年前
18

初夏の恵みをわづか地に分かち若葉繁るる弱くも強く

苧環
3年前
17

手より腕腕より肩と荷を移し過ぎたる春の数を数ふる

苧環
3年前
17

風はらみ風のまにまに風にのり風をともとし風としいきる

苧環
3年前
20

初夏の陽に頬を染めつつ雨風に揺れることなき赤きコマドリ

苧環
3年前
22

シャボン玉坊やの野望 屋根越へて月にもなれたやもしれぬあと幾ばくかの粘度があらば