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台所短歌

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台所から生まれた31文字
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2021年3月の記事一覧

春だから春なんだからで済むほどにぬるくない春あちらこちらに

苧環
3年前
13

たらればで見上げる空の青さより蒼き路肩のオオイヌフグリ

苧環
3年前
10

粘膜に雑多な春が纏い付き顎をあげれば黄ぐすみの空

苧環
3年前
14

あのヒトは一緒に涙してくれた泣き言ののちさらり言い去る

苧環
3年前
13

季節という言葉を盾に忘れ去ること許されて空追いかける

************
追)
季節とふ言の葉盾に忘るるを許されされど日毎空追ふ

苧環
3年前
10

この雨に散るかもしれぬ我を今愛でよと叫ぶ声の聞こへて

そぼ濡れて彩(いろ)を増したる花弁(はなびら)に受けし陽射しの温み思ひて

苧環
3年前
14

鳩尾を突き上げてくる動揺にルーティンさえも奪われて今

そうかな?と少し小首を傾げたら可哀想にと睫毛伏せられ

苧環
3年前
10

思い出

思い出は万年筆で書いたメモ書き換えなんて出来やしないよ

遠い目を出来るメモ待つ人がいてノートの質を疑い始める

破っても捨てても記憶は残るから二重線引きアップデートす

苧環
3年前
12

溢れれば無くなっていく有難み無防備過ぎる春の陽だまり

苧環
3年前
11

日陰にも春が訪れ硬蕾詰めてた息がぷはっと漏れる

苧環
3年前
12

すすすすす するするすすすと 溜息の代わりに並ぶ31文字

苧環
3年前
9

削いだ身にしむ風が吹く新しき肌連れて来ようと

********
追)
あれ?なんかおかしい。
なんか足らん。
何が抜けたのかもうわからん…

苧環
3年前
7

樋伝う水音だけが響く朝ぐんとノビして春抱え込む