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三野博司『アルベール・カミュ』岩波新書
Passage Rive Gaucheにあるラビブに『アルベール・カミュ』を搬入した。
![](https://assets.st-note.com/img/1737897831-yrqxjbVJg25okGO4uCfQp9vB.jpg?width=1200)
『異邦人』『ペスト』などで有名なフランスの作家カミュの人生を追った評伝である。
カミュは1913年アルジェリアで生まれ、1957年史上二番目の若さでノーベル文学賞を受賞し、1960年交通事故で46歳の若さで亡くなった。
『ペスト』はコロナ禍の時に話題となったので、読まれた人も多いだろう。
カミュと三つの論争
本の中で印象的だったのはカミュの人生に関わる三つの論争である。
一つ目は第二次世界大戦後ドイツへの協力者との和解を説いたモーリヤックとの論争。
二つ目は社会主義の是非をめぐって、同じく実存主義作家と目されたサルトルとの論争(これが最も有名な論争であろう)。
三つ目はアルジェリア独立戦争をめぐる論争。実はカミュはこれに対しては積極的な意見を延べなかったので、成立していない論争としての「論争」なのだが、それ自体が一つの立場を表しているだろう。
それぞれナチズム、社会主義、植民地主義という20世紀の重要な問題を扱っている。
カミュとアルジェリア
とりわけ私にとって興味深かったのはアルジェリア独立戦争をめぐる論争であった。
カミュはフランス領だったアルジェリアで生まれ、『異邦人』や『ペスト』と言った主要な作品はアルジェリアを舞台にしている。
しかしそれらの作品でアルジェリア現地のアラブ人は周辺的な存在としてしか描かれない。そこが気になるポイントである。
結局晩年のアルジェリア独立戦争については積極的な発言をせず、両側から批判を浴びることになった。
いつかアルジェリアにも行ってみたいな。
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