#99 『業務改善の問題地図』共著者沢渡あまねさんと元山文菜さんに業務改善に取り組む原体験について聞いてみた
土曜日がやってまいりました。
クリスマス明けの土曜日になります。
今日もスペシャル対談企画をお届けしたいなと思っているんですけれども、9月にこのVoicyチャンネルを始めさせていただいて、この放送は両立サプリのなんと99回目の放送回が今日になるんですね。
そして明日が記念すべき100回目の放送になります。
始めたときは、続くのかなこれ、って思ってたんですけれども、なんとか続いてきているのは、聴いてくださる方がいるからだなと心から思っています。
コメントに励まされ、さらにネタまでいただき、そしてフォローしながら聴き続けてくださっている方、本当にありがとうございます。
この100回の放送に感謝を記しながらですね、今回99回目と、そして明日100回目は勝手に100回記念放送を兼ねたスペシャル対談企画をお届けしたいなと思っています。
私の好きな書籍のシリーズの中にですね、問題地図シリーズっていうのがあるんですけれども、この最新刊「業務改善の問題地図」が発刊されております。
この共著者の沢渡あまねさんと元山文菜さん、このお二人をお迎えしてのスペシャル対談企画をお届けしたいと思っておりますので、ぜひ今日と明日お聴きいただければなと思います。
それでは本編をお聴きください。
沢渡あまねさんの原体験
(小田木)今日はスペシャルゲストということで、「業務改善の問題地図」共著者のお二人に来ていただいています。
沢渡あまねさんと元山文菜さんです。
今日はよろしくお願いします。
(沢渡氏)(元山氏)よろしくお願いします。
(小田木)本当に問題地図シリーズが大好きで、たぶんほぼほぼ持っています。私。
(沢渡氏)嬉しい。ありがとうございます。
(小田木)最新刊を買わないわけがないっていうところだったんですけれども、たぶん初めての方もいらっしゃると思うので、今日はお二人にぜひ自己紹介も兼ねて、なんで今お二人が業務改善だとか、職場の問題に向き合っているのか、この辺も踏まえてたっぷりエピソードを語っていただく回にできたらなと思っていますが、そんな進め方でよろしいですか?
(沢渡氏)(元山氏)はい、お願いします。
(小田木)ありがとうございます。では沢渡さんからお願いします。
(沢渡氏)はい、改めまして。
Voicyにもう2回目かな、登場しています。沢渡あまねです。よろしくお願いします。
いきなり無駄話いっちゃおうかな。
この対談が生まれた背景、誕生秘話の話をしたいと思うんですけれども、なんとね、ちょうど一か月前ぐらいかな、お昼を食べていたら、このVoicyのマネージャーの池ちゃんから雑談のチャットがとんできまして、「沢渡さん、「業務改善の問題地図」新しい本の共著者の元山文菜さんって、私の中学の時の友達のお姉さんなんですよ。
そんなタレコミがあるっていう。だったよね、池ちゃん。
(マネージャー池上)ええ、そうなんですよね。めっちゃチャットさせていただきました。
(沢渡氏)そうそう。そんな何気ないチャットから、もう30分かからなかったよね。じゃあ、Voicyに巻き込んじゃおうかって言って、僕、文菜さんに声かけて、小田木さんに声かけて、30分後にはもう決定みたなね、早さよ。
そんなスピーディーなコラボレーションから生まれました。
こういう場所にとらわれない、あるいは想いを持つ人たち、能力、意欲がある人たちが、もうチャチャッとつながってパパッと価値を出していく、そういう働き方に日本を変えていきたいなというのが、私の業務改善に取り組んでいるモチベーションですね。
今回「業務改善の問題地図」というタイトルで、元山文菜さんと組んで、コラボレーションをして本を出しましたけれども、私沢渡自身が業務改善になぜ取り組んでいるのか、この背景は二つあるんです。
一つ目は、自分の原体験。
原体験って大事ですよね。
小田木さんも働く女性をもっと元気にしたいとか、育休前後の人が輝ける社会にしたいっていう想いを持って取り組むには、原体験があったじゃないですか。
(小田木)ありましたね。ありありと思い浮かぶ。
(沢渡氏)でしょ。営業パーソンとして限界を感じたりだとか、出産を機に楽しいはずの仕事が辛くなってきた時期があったっていう。
この辺はVoicyのバックナンバーをじゃんじゃん聴いてほしいんですけども。
(小田木)ありがとうございます。
(沢渡氏)私もそういう原体験があったんです。
一つ目は、自分の原体験。
一言でいうと、新入社員の時。1998年かな。
新入社員の時に、ものすごい違和感を感じたんですね。
当時いた職場で、よくある日本の会社ですから、残業が多かったり休日出勤が多かったりしたわけですね。
その時、海外出張をしたんですね。
私は当時、スウェーデンやデンマークのメーカーさんと取引をしていて、たまに出張に行っていたんですね。
向こうに行くと、スウェーデンとかに行くと、金曜日の15時くらいになると、みんなポロポロ帰るんですね。
出社もそもそもみんなカジュアルウェアだったりだとか、都合の良い時間に来て、金曜日の午後15時過ぎるとみんなポロポロ、じゃあって帰るんですね。
日本から出張に来ている私だけ、スーツ&ネクタイを着て、一生懸命バリバリ仕事モードで仕事をしていて、やがて中庭を見ると、中庭から現地の社員が手招きで呼ぶんですね。
「お前もこっちこいよ」、バーベキューをやってるんですよ。
一緒にジョインして、バーベキューで串の肉とかかじりながら、夕日を眺める。
「あぁ、日本人って何やってるんだろうな」って思って。
なんか日本人って損してるよねって感じたんですよね。
海外出張終えて、飛行機に帰り乗りますと、成田に近づくにつれて、なんかブルーになるんですよね。
「あぁ、またつきあい残業、休日出勤の日々がはじまるのか・・・、でも仕方がないよね、日本人だから」
って思っていたんですね。
現地の人に対しても、「日本人良く働くよね、土日返上で」と。
「ビコーズ ウィーアージャパニーズ」、この一言を言う時のせつなさといったらなくって。
それがずっとずっとたまってきて、今、世の中働き方改革とか、オープンな働き方が徐々に広まってきて、やっと堂々と言えるようになったなと。
それが業務改善をしていきたいモチベーションですね。
日本の理不尽な働き方、損している働き方を変えたかったというのが一つ目。
二つ目がですね、こと業務改善とかやっていると、私も見守っていましたから、新人の時からエクセルで工夫したりとかそういうレベルから改善していたんですよ。
周りの人には感謝をされることもあるんですけど、ただ評価されないんですよね、なかなか。
結局それって数字につながっているんだっけとか、あるいは仕事として認めてもらえない。
そうすると、段々と心が折れるんですよね。
なんのためにやっているんだろう。
だったらもっと評価されるところに行ったほうがいいな。
それで転職したりだとか、今「業務改善」というものを生業にしているわけですが。
日本の職場を見ていった時に、まだまだ改善や改革推進が、気の利いた勇者のボランティア活動状態になっている。
王様からなけなしのお金とこん棒くらいしか与えられなくって、それで一生懸命戦っている。
勇者がボランティア精神でもってやるけれども、勇者も心が折れるわけですよね。抵抗勢力にあったりだとかして。
そうすると折れてしまう、続かない。
そんな勇者の背中を見て、次の勇者は生まれないんですよね。
「あー勇者やってもうたな、なんか理不尽だな。」みたいなね。
だから、改善・改革に対する理解者と、共に改善・改革していく仲間がほしい、さらには、改善というもの改革というものを気の利いた勇者のボランティア活動にせずに、組織の必然にしていきたいなと思ってこの取り組みをしています。
(小田木)なるほど。このストーリーを全部つなげて、沢渡さんがなぜ業務改善をプロとして仕事にしているのかって、がっつり聞いたのは初めてかもしれないな。
パートパートのエピソードは聞いたことが何度もあるんですけど、新入社員の沢渡さんから、今の沢渡さんにつながる遍歴を頭の中に描けました。
(沢渡氏)ありがとうございます。ちょっと歴史を語っちゃった。
(小田木)ありがとうございます。プレミアム放送だわ。
そんなボールを次は元山文菜さんに渡して、元山さん今日は来ていただいてありがとうございます。
(元山氏)こちらこそ、お声がけいただきありがとうございます。
(小田木)皆さん、音声だけなのでたぶん伝わらないと思うんですけど、めっちゃきれいな方です。今一緒に収録の場にいらっしゃいます。
(沢渡氏)今きっとみんなググってる。
(小田木)では、なぜ元山さんは業務改善につながるようなお仕事を今されているんですか。ここをぜひ自己紹介を兼ねて語っていただきたいなと思うんですけれども、次のチャプターでよろしくお願いします。
元山文菜さんの原体験
(小田木)では、こちらのチャプターでは、元山文菜さんにプロフィールも兼ねて、お話を聴いていきたいと思います。
よろしくお願いします。
(元山氏)よろしくお願いします。
自己紹介ですが、今回あまねさんと共著者として本を書かせていただきました、株式会社リビカルの元山と申します。
業務改善のコンサルなどをやっております。
もう一つ私がやっている活動として、障害や難病の女性向けのフリーペーパーを作るNPOの運営も、もう一つの顔としてやっているんですね。
業務改善とどう付き合ってきたかっていうところなんですけれども、リビカルの経営理念が「働くを楽しむ社会にする」っていうところが一つあって、これ何でかっていうと、私にとって働くって、ある一定のコミュニティで役割とか責任を担うことだなって定義していて、それなんでなのっていうと、私は元々美容師だったんですね。
(小田木)今、業務改善コンサル。でも、スタートは美容師だった。
(元山氏)そうなんですよ。23歳のときに、元々もっていた病気が発症して、障害者手帳をもらうことになったんですね。
その時に手術の関係で寝たきりの期間が何ヶ月かあって、トイレに行くのも行けないしオムツして、水が欲しかったら水を取ってってお願いして。
私は美容師じゃなくなっただけじゃなくて、なにものでもなくなっちゃって、誰かにお世話をされるだけの人になってしまった。
これがすごく苦しくって。
個室から大部屋に移った時に、ベテラン患者なので冷蔵庫の管理当番というものを私が任されて、みんなが冷蔵庫にいれてある品が賞味期限が切れていないかチェックして看護師さんにチクるみたいな仕事だったんですけど、私この時何を思ったかというと、役割を与えられて責任を担わされたときに、すごく生きている感じがしたというか。
これって、今NPOで障害をもっている女の子たちをスタッフに抱えているんですけれども、その子たちもどこでもお世話されるばかりだったのが、何か仕事を与えて、役割と責任を持った途端に、きらきらしてすごく頑張るっていう経験があるので、私はこの働くっていうのをすごく楽しめる社会になったらいいなって思っています。
きっとそこノキオさんの考えとも似ていると思うんですけれども。
(小田木)めっちゃうなづきながら聞いています。
(元山氏)これはビジネスをバリバリやっている人じゃなくって、主婦の方もパートの方も、ある一定のコミュニティで責任と役割を担う、楽しみながらっていうところを大事にしている考え方です。
そんな中で会社員をやっていると、自分とまったく合わないシステムの中で、正直あまねさんがいて申し訳ないんですけど、男性が考えた男性のシステム、仕組みという中に、女性として入っていく、障害者として入っていくという経験があったときに、この既存のシステムに合わない人が仕事ができないんだと思われていることに、私はすごく問題意識を感じて。
(沢渡氏)私も100%同意なので。
(元山氏)知っています。あまねさんは本当にそこがすごくて最初大ファンになって、こんな男の人いる?みたいな。
(沢渡氏)僕が新入社員の時に感じた違和感も、なんで男性正社員だからってここまで残業をさせられなきゃあかんねん、ダラダラした会議につきあわされなあかんねん、っていう考え方だったんで。
(元山氏)まさしくそうなんですよ。
だから男性と一括りにして言っちゃうのはすいませんって感じなんですけど、そういうシステムの中で、そこにはまらずバリバリ働けない、体力がない、子どもがいるから時間制約がある、その人たちが仕事ができないみたいになっているこの仕組み・システムっていうところにはすごく疑問を感じています。
そうじゃないんだよと、こうあるべきという仕組みを疑うのって、業務改善そのもの考え方で。
今回コロナのことがあったりすると、今まではフェイストゥーフェイスと言われ、足が痛くても一生懸命に行くっていうことも、そんな必要なかったんだと。
今ある既存のやり方、合理性を欠いたやり方がたくさんある中で、それに疑問を呈して、新しい働き方、楽しめる働き方を作っていくっていうことは、業務改善そのものだし、私が大事にしている考え方につながるので、ここはすごく大事にしています。
よく女性の方とも話すのですが、どうにか合わせようとしなきゃと苦しんでいる女性が結構いて、みんな真面目だから自分を責めちゃう、その仕組みにはまらないからといって。
(小田木)その流れ、イメージがつきすぎて怖い。
(元山氏)ですよね、本当に。
そうじゃないんだよと。あなたのインターフェイスというか、その人の形に合う形になっていない業務を変えることもできるんだよ、というところを大事に思っているので、そういうやり方を現場でどんなことをやっていったらそうなるのっていうところにはつながると思うんですけど、業務改善って大きな意味でいうと、生きやすくしてくれる、個人にとっても。
私にとってはそういう存在ですね。
(小田木)なるほど。今日は沢渡さんが原体験から話をスタートしてくれましたけれども、元山さんの原体験とそこから生まれた考え方って、世の中に必要な考え方だなって思いました。
仕事ができないって、それ今の業務システムに合わないだけじゃん。
その発想ができたら、楽になれる人だとか、もっと力が発揮できたり、役割をもっと担える人がどんだけいるかっていう話ですよね。
(元山氏)本当にそうなんです。
(沢渡氏)おひとついいですか?
この話は、昨日小田木さんと僕がある企業に研修してきて、その中でも言った言葉なんですけど、制約条件が強い人、かつ成長意欲がある人に合わせて仕事のやり方を変えると、間違いなく組織って成長するんですね。業務改善ですね。
文菜さんも障害を持たれていたり、入院をされたりだとかで非常に制約条件が強い状況におかれたわけですね。ただ、文菜さんは仕事がしたい、もっと自分の役割を見出したいという成長意欲があった。
それを邪魔するもの、例えばデジタルを使えば、足が痛い中、移動しなくてもミーティングができるという話なんですね。
そういう制約条件をなくしていく、フリーにしていくことで、結果として本当にやる気のある人や責任感の強い人が楽しく活躍できる仕事のやり方、世の中になっていくのは間違いないと思っていて。
ある意味、男性正社員型の働き方って、言葉が悪いですけれども、ダラダラ遅くまで残業していても、そんなに収穫がないわけですよ。
そこに合わせて、定時や会議を当たり前にしてしまうと、制約がある人って活躍ができないよね、組織ってアンヘルシーになっていくよねって思うんですよね。
そんなことを思いながら聞いていました。
(元山氏)本当に大納得です。
(小田木)ありがとうございます。
ここから聞いていきたいのですけれども、ここで100回目の放送の明日に切り替えさせていただいて。
とはいえ、業務改善ってすごくハードルが高いとか、自分ひとりでは無理だって考える人がすごく多いと思うんですよね。
なので、おや?とか、もやっと職場で感じることを、まずどうしていけばいいのか、はじめの一歩の踏み出し方を明日の放送のテーマにして、さらにお二人に突っ込んで聞いていきたいと思うんですれども、いいですか。
(沢渡氏)100回記念いいですね。
(小田木)本当にスペシャルですよ。
皆さん、明日「一歩の踏み出し方」をお二人に聞いていきますので、よろしくお願いします。
(沢渡氏)よろしくお願いします。
(元山氏)よろしくお願いします。ありがとうございます。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
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