#150 時短勤務は肩身が狭いを考える~働く時間ではなく役割で評価する仕組み~
今週も月曜日がやってまいりました。
あっという間で2月も終わってしまいますが、皆さん今週はどんな一週間でしょうか?
ちょっと早めに2月を振り返ってみると、今月私はいろんなセミナーやイベントが多かった一ヶ月だなって思います。
その中でちょっと聞いた言葉が気になってまして、これを今日は取り上げたいなって思います。
とんな言葉かというとですね、「時短は肩身が狭い」。
こういう言葉なんですよね。
どんなニュアンスかというと、育休からの復職っていうことを考えたときに、当然働き方も決めていくじゃないですか。
その中で、時短勤務を選択したいのだけれども、時短勤務って肩身が狭いんですよね。
こんな感じのトーンで聞くことが多い言葉になります。
振り返ると、一回だけではなくて何度か聞いたことがあるなって思いながらずっと引っかかっていましたので、これを今日は取り上げたいと思います。
時短勤務は肩身が狭いを考える
「時短は肩身が狭い」これ、皆さんはいかがでしょうか?
同じように感じたり、考えたりしたことがある方もいるんじゃないかなって思います。
みんながまだ働いている中で、すみません、お先に失礼します。先に帰らなきゃいけなくて申し訳ないな、こんな心情も思い浮かぶような気がしますよね。
今日考えたいのはですね、なんでこういう感情を抱えてしまうのか?なぜそう思ってしまうのか?
これをぜひ一緒に考えて紐解いていけたらなって思います。
私が感じるのはですね、この時短っていう言葉の裏側に、通常の働き方よりも、ちょっと言葉が強いですが、劣った働き方だと捉えちゃっている心情があるんじゃないかなと思います。
”劣った”というと、言葉も強いですし、あまり良い言葉ではないのですけれども、無意識のうちにそんなふうに自分で考えてしまったり、もしくは周囲からそんな空気感を感じ取ってしまった時に、肩身が狭いっていう感情が沸き起こってくるんじゃないかなと思います。
じゃあ、どうしてそういう感情を持ってしまうのか?というところなんですけれども、一つは、たぶんスタンダードみたいなものがあって、そのスタンダードが8時間勤務プラス残業前提の働き方なんじゃないかなと思います。
しかも、長く働けるっていうことが偉い、優位であるっていうような考え方というか、空気感ですかね。
これと対比させて、申し訳ない、もしくは肩身が狭いという感情を持ってしまう。
長く働ける方が偉い、優位であるみたいな感覚や空気ってどこから来るのかというと、たぶん働く時間の長さが仕事の頑張りの表れであり、仕事への誠実さの表れであり、最終的には仕事への意欲の表れが働く時間、つまりこれらをはかる物差しが時間だっていうことになっているのかなって思います。
こういう感覚って、おそらく転勤も同じじゃないかなと思います。
今いろいろ話題になっている会社都合の転勤ですよね。
言われた通りに転勤ができるっていうのが、例えば会社への忠誠心の表れであるとか、その対価として昇進や待遇があるっていうシステム。
こういう感覚や空気感が「肩身が狭い」の裏側にあるのかな。
そして、もう一つあるんじゃないかなって思うのが、みんな大変だし忙しいのだから一緒に苦労すべきみたいな感じの同調圧力ですかね。
一緒にその苦労ができないと、これまた申し訳ない、肩身が狭いみたいな感覚を持ってしまう。
これも本当はちょっと違う平等意識ですよね。平等って呼ばないのかもしれないですけれども。
本来は、働ける時間とか置かれた環境とか価値観が違っても、ちゃんと活躍できるシステムが公平にあるっていう事が良い状態なはずなのですけれども、みんな忙しいだよとか、みんな大変なんだよ、みんなで苦労するべきだからやっぱり同じように苦労するべきだよ(長く働いて)みたいな感覚も、肩身が狭い感覚にかなり影響していますよね。
働く時間ではなく役割で評価する仕組み
じゃあ、どうしていけそうか?っていうところなんですけれども、時間の長さで頑張りや貢献をはかるようになっちゃうのはなんでなのか?
ここをキーに考えていきたいと思います。
どうして時間の長さで頑張りや貢献をはかるようになっちゃうのか?
理由は私が考えるところですけれども、仕事の定義や役割の定義が曖昧なこと、ここじゃないかなと思います。
チームの成果のために自分がどんな役割を担うのか明確になっている必要があるということですよね。
職場の仕事の定義って、曖昧なケースが多々あるんじゃないかなと思います。
私も反省を込めて振り返ってますけれども、例えば営業職だよねっていうと、この営業という二文字で仕事の定義がまとめられちゃってますけれども、本当はもっといろんな役割がチームの中にあるはずなんですよね。
機能で分解すると、できる限り前のプロセスを担うインサイドセールスっていう人もいますし、顧客と対面で会ってきちんとニーズマッチングや提案のできるフィールドセールスのプロセスにより力を入れてほしいメンバーもいるでしょうし、お客様にいかに満足して長く顧客でいていただくか、そのためのコミュニケーションを担うことでチームに貢献してほしい人もいるんじゃないかなと思います。
なので言い換えると、何をどこまで、どのレベル感でやれたらいいのか。
仕事をするに際しても、何に最も集中して時間を使えばチームに一番貢献できるのか。
これについて明確に定義して、例えば上司とメンバーでよく認識合わせができている、この状態が必要なんじゃないかなと思います。
役割が明確だと、限られた時間だったとしても、その時間の中で力を入れるべき事が明確になるじゃないですか。
そうすると時間が短くても成果に集中できて、その中で工夫もし得ると思うんですよね。
そういう仕事の向き合い方ができると、時間の短さっていうのがチームの中での制約でなくなると思います。
これが一方で、「空気を読んで仕事してね」という感じになっちゃうと、とにかく何でも頑張るしかないってなっちゃって、そこじゃないっていう方向に頑張っちゃったり、一方で個人としては、頑張ってるのに全然評価されないみたいな残念な結果につながってしまう。
これはもう本当に避けたいですよね。
そんなことを考えながら、先週新聞を読んでいたらめっちゃいい言葉がありまして、これはベンチャーのユーグレナっていう会社の出雲社長の話なんですけれども、ちょっとここから引用です。
【もしも仲間が力を発揮できていないとしたら、それは評価軸が足りないからだ。】
こういう言葉があったんですね。
そういうことですよね。
時間っていう評価軸しかないとなると、長く働けない人は力を発揮できないし、かつ評価もされない。活躍できない。
なので、時間という評価軸ではなくて、役割をちゃんと定義して、時間の長さにかかわらず、役割に向けてどれだけ集中できたか、どんな工夫ができたかというところをきちんと評価していく。
こういったことができるといいんじゃないかなって思いました。
役割をキチンと定義して合意する
今日の話をまとめると、時短は肩身が狭い。
なぜ肩身が狭いと感じるのか、この要因を分解しながら、まず当事者としては、そもそもチームの成果って何だっけ?この仕事の目的何だっけ?その中で自分の役割は何だったら一番チームの成果や仕事の目的に貢献できるのかな?
これを考えて、リーダーとちゃんと話をするということが重要だなって思いました。
もちろんリーダーの側は、メンバー一人一人の役割を明確にして、その一人一人とその役割についてちゃんと合意形成したり、対話の機会を設ける。
そんなことを通じて、肩身の狭さを感じさせない空気とか文化を作っていけたらいいなと思います。
なぜなら、肩身の狭さを感じながらする仕事は、おそらくパフォーマンスが下がっちゃうのではないかなと思います。
チームの成果を最大にするのが、マネージャーやリーダーのお仕事になりますからね。
私もそこを工夫して取り組みたいと思います。
今日話した役割定義の話は、過去放送で”期待役割”というフレーズを使って何度か話をしていますので、もしもっと詳しく聴いてみたいという方がいましたら過去放送もぜひお聴きください。
(#61 リモートワークでも自律的に仕事を進められる仕組み大公開~期待役割の明確化~)
(#64 期待役割の事例と認識合わせに具体的方法大公開)
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“育休スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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