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#732 短期的に成果が出ないことへの“慣れ“が必要な30代

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、2023年も彩り豊かな時間をあなたと作りたい、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

#10年前の私

今日は、Voicyさんが全体で展開されるハッシュタグ企画にもとづいて放送させていただこうと思います。
今回のハッシュタグは、『 #10年前の私 』。
10年前の話を延々としてもあれですので、10年前を振り返った時に、私が今、言えるキーワードの一つに「時間差」というキーワードがあるんじゃないかなと思いまして、時間差というキーワードを取り上げながら放送をお届けしようかなと思います。

まず、私のケースの10年前ですが、今は44歳ですので、10年前は34歳でした。
これがどういったタイミングだったかというと、34歳が次女を出産したタイミングです。
当時長女ちゃんが4歳、次女が0歳。
客観的に振り返ると、わあ、かわいいというタイミングなのですが、もう毎日がばったんばったんですよね。
ここにちょうど私は今のNOKIOOという会社に転職する、もっと言うと、会社の立ち上げに参画するというタイミングも、ここで重なっていますので、次女が生まれました、会社が変わりました、本当に公私ともにいろいろターニングポイントになったのが、ちょうど10年前だったなと思います。

10年前の私はすごく焦ってもがいていた

どんな10年前だったかというと、一言でいうと、すごく焦って、もがいていた34歳。
そんなふうに今なら言えるかなと思います。
会社が変わる。仕事が変わる。環境が変わる。立場役割が変わる。
新しい環境に適合するって、結構ハイカロリーですよね。
これが仕事の環境。
そして、家庭内も子どもが二人になりました。これもわっちゃわちゃですよね。
そんな中で「自分の時間がほしい、でも時間がない」という思いをいつも抱えていたように思いますし、そんなわっちゃわちゃの中で子育てをするのですが、「私って良い母親だろうか?」「この子育てはあってる?」そんな感じで、やってることにも自信がない手ごたえが持てない、こういったことをずっと感じていたなと思います。

さらに、この当時は、この両立サプリを聴いてくださる方にはおなじみかもしれないですが、私がまだ仕事のやり方を変える前なんですよね。
当時、気合い・根性・長時間労働、仕事って一人でやりきってなんぼでしょうと、今のようにチームという視点もなかったですし、連携して一人であげる以上の成果をあげるという術もなかったので、本当にすごく焦って、もがいていた、そんな10年前だったなと思います。

短期的に成果が出ることに慣れすぎていた

もちろん、結果的にはここでのもがきが、次の10年の土台になったとも言えるのですが、そんな10年前を振り返って、今なら何が言えるか、ここに目線を向けてみたいなと思います。
今日のキーワードは、私なりには「時間差」なのですが、これはどういうことかというと、当時を振り返ってみて、今、言えることは、物事には短期的に成果が出ることと、一方で、短期的には成果が出ないことがあるけれども、私は20代を中心に、短期的に成果が出ることにずっと目を向けっぱなしできたので、短期的には成果が出ないことが増えてきたという変化に、結構戸惑っていたんだなと思います。
短期的に成果が出ることに慣れすぎていたという感覚でもありますかね。

短期的に成果が出ることとは、例えば、一日仕事をするじゃないですか。
そうすると、一日仕事をした分のタスクは終わっていくと思うんですよね。
例えば、「今日はこれとこれとこれを終わらせて、このミーティングに参加して、この話を前に進めて」という計画を立てて、一日それなりに臨めば、それについては終わっていくとか、終わった手ごたえや達成感が持てる。
これが毎日ですよね。
一ヵ月仕事をすれば、一ヵ月やった分だけの手ごたえだとか、変化だとか、成果が見えて、そういった目の前のことにまい進していくと、それなりに成長実感だとか、充実感が得られる。
これが短期的に成果が出ることに慣れている状態だと思います。
特に20代と比べると、20代はこれだけでご飯が食べられた。そんな20代だったなと思います。

短期的に成果が出ないことへの“慣れ“が必要な30代

短期的に成果が出ることに慣れすぎちゃうと、今度は短期的に成果が出ないことが増えた時に、すごく戸惑うんですよね。
短期的に成果が出ないこととはどういうことかというと、例えば、ある程度時間がたたないと手ごたえが感じられないこと、もしくは、消化したり、意味付けするのに時間が必要なこと。
これが短期的に成果が出ないことなのですが、こういうことが増えてくるのが、たぶんちょうど30代へのシフトと言えるんじゃないかなと思います。
特にこの典型は、キャリア形成と子育てですよね。
キャリア形成と子育ては、完全にこっちだと思います。
例えば、育児を想像していただくと、今日一日、一生懸命オムツを変えて、ミルクを飲まして、寝かしつけて、お世話をしました。
でも、その一日で何か変化が見られるかというと、なかなか難しいし、自分のやり方があってるかどうか、そんなことも全然分からないんですよね。
じゃあ、一週間なら分かるかというと、一週間でも分からなくて、私は10年前に産んだ子どもが、今、ちょうど10歳になっていますが、例えば、育児の一つのターニングポイントが、自分の足で立って、社会の中で自分で選択をしながら生きていけるようになることをゴールに見据えたときに、そういった一つのゴールに対して、今、やっていることが良いのか悪いのか、全然想像がつきません。本当にこんな感じですよね。

キャリア形成も、例えば、今、やっていることが、「あ、ここにつながるのか」という手ごたえが持てるのは、結構時間差があると思いませんか。
例えば、あの時の失敗が、3年たってようやく消化できて、今、やっていることにつながっているとか、あの時は「これは本当に意味があるんだろうか?」と思いながらもがいていたけれども、それが今の自分を支える一つの大事な土台になっているという手ごたえというのは、一日では感じられないし、一週間でも無理だし、一年というスパンも短いかもしれない。

こういった短期的に成果が出ないことの比重が増してくるのが、私はたぶん30代なのかなと思います。
でも、短期的に成果が出ることにそれまでずっと慣れていると、すぐには成果が出ないことを受け入れるのが、結構難しいんですよね。
さらに、難しいのは、これはどっちも大事なんですよ。
短期的な成果を積み重ねる、毎日一生懸命やるということなしに、長期的な手ごたえを得ることは難しいし、目の前のことをないがしろにして、先の事ばっかり考えたり、心配したりしても、なかなか先には進めない。
なので、どっちも大事。
分かりやすくいうと、両利きになる必要があるという感じですよね。
右手で、今、大事なことをこつこつ積み重ねながら、左手で、すぐには結果は出ないけれども、将来のために大事なことに時間を投じる。
それぞれ評価軸も物差しも手ごたえの感じ方も全然違うので、どっちも大事だけれども、両利きで回すのがすごく難しい。

こういった難しさに直面していたのが、私の10年前の30代だったかなと思います。
もちろん、今でもその難しさはありますが、でも、両方を回すということに腹落ちをして、向き合い方が固まった、そんな10年ともいえると思います。
ちなみに、腹落ちをする過程で結構ヒントになったというか、方向性をきちんと言語化してくれたのが、当時ちょっとしたブームになりましたが、『LIFE SHIFT』という書籍でしたね。
例えば、人生100年時代と言われるように、みんな「望む」「望まざる」にかかわらず長く生きちゃうじゃないですか。長く生きちゃう、これを最悪にするのではなくて、豊かな人生だったと言えるように、資産形成が大事だよ。資産形成というのは、お金だけじゃないよ。お金を中心とした有形資産も大事だけれども、スキルだとか、人間関係という無形資産が、長く生きちゃうというのを、長く生きてて良かったと言えるためにはすごく大事だよ。無形資産への投資と形成を頑張ろうね。
そういった本なのですが、これはすごく説得力がありますよね。
無形資産を形成するために、必要なアイディアが詰まっているのが、この『LIFE SHIFT』でした。
例えば、いきなり大きなキャリアチェンジだとか、シフトチェンジは難しいから、今の中で小さな実験を積み重ねていこうね。あと例えば、一人で全部資産形成するのは難しいから、パートナーと交代交代で資産形成していく、こういった関係が築けるといいよね。
このようなことが書いてあって、これが一つの道しるべになりましたね。

振り返った時に、これまでの経験や考えが自分の土台になっているかもしれない

この放送の最後に思うのは、10年先は、その当時はなかなか考えないじゃないですか。
30代の頃に40代を考えないし、40代の頃になかなか50代を考えないかもしれない。何よりも想像がつかない。
でも、私は想像はできなくていいと思うんですよ。
今の自分が想像できる範疇の10年後というのも、ともすればせまいかもしれないので、想像はできなくていいけれども、今、10年先につながる種をまけているか、もしくは、今、うまくいってないなと感じることも、時間をかけて熟成することで、10年先の土台になる
こんなふうな考え方で向き合えているか、ここが大事だなと思っています。

ということで、『#10年前の私』にひもつけて、手ごたえの感じ方には時間差がある、そんな話をさせていただきました。
特に目を向けたいのは、短期的には成果や手ごたえを感じにくいこと、もしかしたら「今、これをやっていて意味があるんだろうか?」とか「この環境からなんとか抜け出したい」「なかなかゴールや手ごたえが見えなくてしんどいと感じる」そんな渦中にいる方もいるんじゃないかなと思います。
それは10年越えの種まきになってるかもしれないですよ。
時間を置いてから、今の自分が想像できる以上の意味だとか、価値がついてくるかもしれないですよ。その経験に。
そこで培った経験だとか考えたことが、これからの自分の土台になっているかもしれないよ。
いわゆる無形資産形成ですよね。
そういった観点で見渡していくと、今の見方が少し変わるかもしれない。
そういった経験を、今、している自分のこの先に、すごく期待を感じられるかもしれない。
そんなふうに今日からの日々が見えるいいなと思っています。

最後までお聴きいただき、ありがとうございます。
新年ですので、改めて。
この両立サプリというチャンネルは、私、小田木が、日々チームで仕事をする、事業運営をする現場、そして両立の現場から感じるエッセンスを、仕事、キャリア、両立にひもつけて発信するチャンネルになっております。
聴いてくださる皆さんの質問だとか関心ごとやテーマを取り上げながら放送をお届けしておりますので、よかったらフォローして聴いていただけると嬉しいです。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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