見出し画像

#1061 数値目標が嫌で退職したいという後輩への対応(お悩み相談)

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

2月7日水曜日です。
昨日は、首都圏でもかなり雪が降ったようで、この放送を聴いてくださる方の中で影響があったよという方もいらっしゃるんじゃないかなと思いながらニュースを見ていました。
ちなみに浜松は、その前日に雨は降ったんですけれども、雪がちらつくことも、氷点下になることもなく、ちょっと地域が変わるだけで全然違うんだなと思っておりました。
天候でご苦労をされた方、お疲れさまです。

2月16日は生放送対談!テーマは「時間がない」の越え方

今日は皆さんに新しい情報を一つ、お届けしたいなと思います。

続きはぜひVoicyでお聴きください。

数値目標が嫌で退職したいという後輩を引き留めるか

今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げて放送をお届けしたいと思います。
チャンネルの質問ボックスは、チャンネルのトップのプロフィール欄にリンクが貼ってありまして、放送へのご要望ですとか、チャンネルへの希望、そして取り上げてほしい質問など、ドシドシ送っていただける形になっていますので、応えられるものは基本的に全部応えていきますし、目はすべてに通しております。
よかったら、やや気長な感覚で使っていただければと思います。

今日の質問者さんはめっさんです。
めっさん、過去にもご質問をいただきまして、ありがとうございます。
読みます。

【以前は質問を取り上げていただきありがとうございました。
沼にはまる前に相談してよかったです。
その後、自分の役割に集中できるようになりました。
とても参考になるアドバイスをありがとうございました。】

ここからが今回の質問です。

【私の会社では、少し前から数字での目標管理と進捗報告をしなければならなくなり、そんな中で後輩が「目標を達成できない」「周りと比べられている気がする」ということで、退職の意向を伝えてきました。
話し合いの末、部署の中でもサポート的な業務や事務業務を受け持ってもらうことで継続することになったのですが、上司から事務作業も件数などで出すように言われ、彼女だけKPI管理をしないということはできないかと持ちかけましたが、彼女の成長につながらないと一蹴されてしまいました。
そして先日、彼女から「数字で見られるのは限界、やっぱり辞めたい」と言われてしまいました。
私としては、事務仕事をこんなに丁寧に正確にしてくれる方はなかなかいないですし、一緒に仕事をしていて安心感、安定感もあり、本当に助かっています。できることなら続けてほしいのですが、これ以上引き留めるのもエゴかなとも思ってしまいます。
来週1on1の予定があり、彼女との面談をおこないます。
辞めようと考えている彼女と、何を話したらいいのか悩んでいます。
こういった場面で、小田木さんならどのような声かけや関わり方をしますでしょうか?
アドバイスをよろしくお願いします。】

というご質問です。
めっさん、いつもありがとうございます。
今日はこの質問を取り上げて一緒に考えてみたいと思います。

ポイントとしては、会社では数字での目標管理と進捗報告の推進が図られている。そういった流れの中で、後輩さんが数字で管理されるのは嫌だということで、退職の意向を伝えてきた。そして、一度は引き止めたけれども、来週改めて1on1をするにあたってアドバイスがほしい。
こんな感じのお題です。
皆さんだったらどうしますか?

今回のテーマは、退職意向の話だとか、数字で目標管理をする話、そして後輩さんにとっては転職、この辺のキーワードがおり混ざっているかなと思いますので、まず私が考える前提、これからするアドバイスはこんな前提にもとづいて考えてみたよという前提を共有させていただこうかなと思います。
たぶん、「なるほど、そういう前提なんだな」というほうが、なぜそのアドバイスなのかというところがしっくりくると思うので、今日のテーマに関連して、私が考える前提をまず共有させていただこうと思います。
ここから小田木所感ですので、参考にぐらいな感じで聴いてください。

退職意向は、申し出があった時点でほぼ確定

私が考える前提は全部で三つがあるんですけれども、まず一つは、退職の申し出、いわゆる退職意向は、申し出があった時点でほぼ確定、ひっくり返らないものだという前提を持っています。
退職の申し出というのは、ものすごく大きくて重大で重いことなんですよね。
なので、普通のビジネスパーソンは、本当に考えて考えた上で意思決定をしています。
もちろん日々の仕事の中で大変なこともいろいろあるので、辞めたいなと思うことは多々あるじゃないですか。
辞めたいな、逃げ出したいなと心の中で思うことはあったとしても、それを「辞めます」という形できちんと伝えるということは、本人が考えて考えて出した意思決定だと思うんですよね。
だから退職意向は、申し出があった時点でほぼ確定、ひっくり返らないものだという前提を、私は持っています。
ということは、退職の申し出があった時点で、相手と相談が可能なのは、辞めるか辞めないかではなくて、辞めるという前提のもと、いつ辞めるのか、退職時期と、辞めるまでにどういったプロセスで、どんな役割を担ってもらうのか、退職までの仕事だけですね。
なので退職を防ぎたいと思ったら、退職意向の確定前しかないと思っています。
これは、子どもが小さい頃によく言った、「ママ、きらい、ママ、イヤだ」と言いながら、かまってほしいというコミュニケーションとは、訳もレベルも違う。これが、ビジネスパーソンの退職意向だと思います。
これが一個目の前提。

数字と仲良くできるほうが、仕事は断然おもしろい

そして二つの前提は、数字に関しての話ですが、私は仕事を数字で表現したり、数字でコミュニケーションをすることは、ごくごく普通だと思っています。
これはたぶん、どんな職場で、どんな仕事をしても、必ずついてくるテーマだと思うんですよね。
目標とか、進捗とか、納期とか、効率とか、何がどのぐらい変化したのか?こういったものは定性的に表現してコミュニケーションをすることもめちゃくちゃ大事だし、あわせて定量的に表現して相手とコミュニケーションをするということも、仕事であればめっちゃ普通。
なので、後輩さんの数字が嫌だという感情を否定するんじゃなくて、でも数字をストレスにしないとか、数字と仲良くできるほうが、仕事は断然おもしろい
これが、私が持っている前提その二です。

今が嫌だからだけの転職活動はいいマッチングが難しい

最後、三つ目の観点です。
今が嫌だからだけの転職活動は、なかなかいいマッチングが難しい。こういう現実もあるなと思います。
もちろんリアルには、「ここは嫌だな」とか、「違う環境に身を移したいな」と思うことが動機になることもたくさんたくさんありますし、それ自体は全く否定しないですけれども、転職に成功しているビジネスパーソンは、嫌だという気持ちがあったとしても、じゃあ、次にどういった環境で何がやりたいのかとか、今後のキャリアをどんな場所でどんな経験をして、どんなふうに磨いていきたいのか、ここをちゃんと考えているし、語れる準備をして転職していくんですよね。
だからいいマッチングができるんだと思うんです。
なので、「ちょっとここが嫌なので」だけだと、転職活動でいいマッチングが難しい理由というのは、相手にとって魅力的に見えないということですよね。
「この人はやりたいことがないのかな?」とか、「きっと条件だけで選ぶんだろうな」とか、「キャリアに関して戦略性がないな」とか、「一貫性がないな」と、今が嫌だからだけの理由で転職に突入しちゃうと、相手にとって魅力的に見えないというのは、こういうふうに見えることだと思います。
もっと言うと、採用面談でも、何ができるか伝える手段も数字で語れると強いという側面もありますので、何が言いたいかというと、これはめっさんに対してですけれども、「自分の職場が数字でマネージメントをする職場だから、魅力がなくて、かつ人も辞めていく職場だ」そんなふうには思わないということが、結構大事ですよということをお伝えしています。

退職時期と退職までの仕事を、チームと後輩さんの双方にいいように交渉する

ということで、今回のケースに関して私が考える前提の三つを共有させていただきましたが、その三つの前提をもとに、めっさんにアドバイスができるとしたら何かなというところなんですけど、一つは、後輩さんの退職は、残念だけれども、ほぼ確定事項じゃないかなと思います。
なので、なんとか止めようとしたり、もしくは止められないからって自分を責めてしまうみたいなことにはまらないように注意をしてくださいね。
これが結構大事なアドバイスだと思っています。
その上で1on1をされるということなので、私だったらどうするかなということを考えてみたんですけど、一つは、先ほどの前提の通りです。
退職意向は申し出があった時点でほぼ確定。この申し出に対して相談が可能なのは、退職時期と退職までの仕事だけですので、1on1でやることとしては、退職時期と退職までの仕事を、チームと後輩さんの双方にいいように交渉すること。これだと思います。
チームに混乱が生じないように、いつまで仕事をしていただくのか、どのタイミングで退職をするのか、それまでに引継ぎなんかも含めてどんな準備を相手に協力をいただきながら整えていくのか、ここをチームと本人の双方にとっていいように交渉することが、1on1のテーマの一つになるかなと思います。

後輩さんの壁打ち相手になってあげる

そして二つ目は、後輩さんが少しでもいいキャリアチェンジができるように、壁打ち相手になってあげることかなと思います。
めっさんは後輩さんに信頼されて、いろんなことを相談される立場でいらっしゃるんだなと感じましたので、例えば、数字でコミュニケーションをすることが嫌だというざっくりした感覚に対して、そこの何が嫌だったのか明らかにしてあげることで、後輩さんが次にどんな判断軸を加えながら転職活動をしていくと、ご自身に合った転職ができるのか、そんな支援になるかなと思います。
例えば、目標が高すぎたのか、それとも指標に妥当性を感じないのか、それとも人的なコミュニケーションが減ることが嫌だったのか、後輩さんが力を入れたいと思っていた工夫や改善ができないことなのか、それとも数字の管理自体は嫌じゃないけど、一方的に降ろされるというマネジメントが嫌だったのか、たぶんいろんな具体的な着眼点があるはずですよね。
その上で自分はどんな強みをどんなふうに発揮したいと考えてるのか、ここが明確になれば、いい転職につながるんじゃないかなと思いますので、本人が望むのであれば、そんなお手伝いもできるかなと思います。

めっさん、ご質問をありがとうございます。
心から応援しています。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
*スクラ公式HP|https://schoola.jp/
*Facebook|スクラ|https://www.facebook.com/schoola.jp
*Instagram|@odagitomoko|https://www.instagram.com/odagitomoko/
*Twitter|@odagitomoko|https://twitter.com/odagitomoko
*YouTube|小田木朝子の今日のワタシに効く両立サプリ*スクラ|