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#24 上司と部下の効果的な『キャリア面談』のポイント ~育休からの復職面談を例にして~

今日のテーマですね、復職面談にしようかなと思っています。復職面談は育休から復帰するに際しに上司とする面談のことを復職面談ってここでは呼んでます。結構、育休中の方からですね、復職面談に際して「何かポイントはありますか?」って聞かれることがあるんですけど、めちゃくちゃポイントあると思ってまして。ポイントを抑えずにやっちゃダメだぐらいな感じで思っています。

しかも、今日お話しすることって、キャリア面談全般にも言える事なのかなと思います。なので、広く参考にして頂いたり、面談を受ける側の方もいらっしゃれば、面談のやり方みたいなものをぜひ広げていただきたいなと思います。私がですね、いろんな話を聞くと、残念な面談のケースを聞きます。なので、残念な面談のケースっていうのをもとにみんなで考えていきたいなと思います。

残念な復職面談のケース

残念な面談は、ストレートに言うとですね、自分の話しかしない面談です。物理的な要件しか伝えない面談。こんなふうに表現をしております。
具体的にどういうことかというと、物理的要件というのは、例えばいつ復職するかという復職時期です。例えば2020年10月から復職予定です。あとは復職時の働き方も物理要件として伝えられると思います。例えば、時短勤務で16時までの勤務としたい、もしくは在宅勤務を併用しながらこういったワークスタイルで働きたいとかですね。

自分の話しかしないというので、よくあるのが、配慮してほしいことだとか、懸念事項をバーっと並べちゃうタイプですね。夫婦とも両親が近くにいないので、子どもの突発的な体調不良には自分が行かなければいけません。そういった場合は、配慮をお願いしますとか。あと、これまでよりも残業や出張には、制約が出てしまいますとか。他にも、保活も一生懸命やってるんですけども、まだ最終結果が出ていないので、もしかしたら復帰時期をずらしてもらう可能性が出てきますとか。
一方的に話をして、そういうわけでご配慮よろしくお願いします。とこういった面談ですね。

すごく気持ちはめちゃくちゃわかるんです。だって不安じゃないですか。私、いろんな懸念事項もきちんと伝えておいた方が誠実ですよね。そうする必要もあるんだけれども、実はちょっとした工夫で変わるんですよ。

復職面談のポイント

じゃあ、どうすればいいのか。復職面談の捉え方を、条件を伝える場だとか、不安だとか懸念事項を共有する場ではないと考える。もちろん、そういった情報もあっていいんですけれども、もっと大事なのは仕事への想いをきちんと伝えて上司と共有する場であり、自分の話以上に職場の状況だとか、チームの方向性だとか、今チームが抱えている課題感みたいなものをきちんとヒアリングする、教えてもらう場。こんな位置づけで復職面談を捉えることがスタートかなと思います。

それを前提にすると、どういった復職面談になるかというと。まずはもちろん物理要件が必要ですので、いつ復職するか、復職後にどんな働き方をしていくか、これはきちんと伝えますよね。その上で、次に仕事への希望や、想いがよいと思います。例えば、今の仕事にやりがいと愛着を感じていて、復職後もこのチームで仕事をしたいだとか。次にこういった経験を積みたいと思っているので、機会を探しているだとか。復職後は勤務時間はこれまでよりも少なくなるけども、その分どんな工夫をしようと思っているとか。そういった中で、上手くチームと連携を図りながら、仕事をしていきたいと思っていることとか。これが仕事への希望、想いです。その上で、懸念事項や不確実性があればそれも伝えつつ、懸念事項に対して備えていることもセットで話していくことがいいんじゃないかな。

その後、自分が話した分だけ、上司の話も聞くっていうのがポイントになると思います。今、職場の状況はどうなっているのか。そしてチームとしての目標だとか、向かっている方向性、特に力を入れているテーマは何かとか。そういった中で上司がどんなことを考えて、どんな心配だとか、課題を持っているのか。こういったことを聞いていきましょう。

部下が話したいこと、上司が聞きたいことの差を埋め、対話する

こういう中身と運びにする面談のメリットはなんなのかってところなんですけれども。仕事への希望や、想いをきちんと伝えるっていうことですね。「わざわざそこは言わなくてもわかるよね、分かって欲しい」と思うかもしれないですけども、はっきり言って、言わないと絶対に伝わりませんし、理解されないんじゃないかなと思います。出産して、ライフステージが変わった。これから仕事に投じられる時間も変わるだろうというところで、そこが変わらないって思う方が難しいですよね。

今、どんな風に考えているかということをきちんと上司と共有していくことで、自身に向けられる誤解やバイアスが解けるんじゃないかなと思います。どんな誤解やバイアスかは「働き方でやる気を判断しないでいただきたい」という内容の記事もしましたけれども。要は「子どもを産んだということは、仕事よりも家庭を大事にしたいに違いない」みたいなバイアスですよね。どっちが大事かっていう話じゃなくて、両方大事っていう話なんですけれども。そこもきちんと伝えないと、伝わらないということを押さえておく必要があります。

そして、チームのこと、上司の課題、上司の見ている世界をきちんと聞いていくっていうこと。これがわからないと本当に今後限られた時間の中で何に力を入れたら、チームに貢献できるのかって言うのが全くわからなくなっちゃうじゃないですか。むしろ、そこを知らずに自分だけの思い込みでがんばろうとしちゃうと空回りしちゃうっていう結果になってしまいます。チームのことだとか、上司の課題感を聴きながら、どうやって自分の時間や自分の仕事をチューニングしていくかということを自分なりに考え、上司との対話の糸口にしていく。これができることがメリットになると思います。

復職面談のポイントをまとめますと、物理要件だけではなくて、仕事に対する想いや希望を伝えていくこと。もし物理要件の背景があれば、話していくといいと思います。なんで時間勤務にしたいかという理由とかですね。
そして、面談は双方の歩み寄りと対話だと思います。自分のことを話す分、相手の話も聞くっていうところがポイントかな。

もしかしたら、そんな仕組みはうちの職場にはなんて言う人もいるかもしれないですが、これは仕組みがあろうがなかろうが、自分からアポをとるっていうことをぜひお勧めします。面談という呼び方のハードルが高いようであれば、相談を持ち掛けるというのがいいと思います。

面談を受ける立場にいる方も含めて、こういった面談が産休前や復職前に上司と部下の対話の仕組みとして定着すれば良いなって思っています。なぜなら、いい仕事をしたいっていう最上位の目標ですね、上司も部下も同じはずなんですよね。なのでその手段を双方が歩み寄って、きちんと話をするということは、結果としてチームのパフォーマンスも上げますし、楽しく働くことに繋がっていくと思います。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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