#664 “察する“文化は良い?悪い?自分なりの評価軸を持つ方法
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げたいと思います。
テーマは、察することを大事にする文化のあるチームに異動したけれども、”察することが大事”この文化がなじめない。あなたならどうしますか?
です。
キーワードは”察する”。
それでは、本編をお聴きください。
この放送は、今年で30周年を迎えるLenovo『ThinkPad』の提供でお送りします。
“察する“文化が強いチームに異動したというお悩み
『察する文化が根強いチームにもしも異動したら』さっそく取り上げてみたいと思います。
質問くださったのは、茶太郎さんです。
茶太郎さんは、この両立サプリチャンネルが立ち上がった初期から聴いてくださっているリスナーの方です。
茶太郎さん、いつもありがとうございます。
質問はこちらです。
【社会人10年目、初めての異動をして二ヵ月です。
メンバーも仕事内容も全く異なりますが、少しずつ慣れてきました。
人事から営業サポートになりました。
しかし、前の部署とは、情報共有やコミュニケーションの前提が違うようで、周りとのコミュニケーション不足があると、先輩から少し指摘を受けました。
新しい部署では、察する文化が根強く、それがやる気がある、気が利く、仕事ができるという評価軸になっているようです。
上司もはっきり言わず、察してほしいそうです。
それは部下である私のためだといいますが、お互いに言わないと伝わらないこともあると思います。
小田木さんは、仕事における”察する”ということについて、どうお考えでしょうか。
個人的には必要だとは思いますが、なんだかモヤモヤしています。
なにかアドバイスをいただけると嬉しいです。
分かりやすく、学びがあり、また聞き手に寄り添ってくださる小田木さんのVoicyがいつも楽しみです。
毎日の配信、ありがとうございます。】
茶太郎さん、こちらこそいつもありがとうございます。
早速取り上げたいと思います。
今回の質問のポイントは、異動先が察する文化が強いチームである。
いかに察することができるかが求められている。
一方で、言わないと伝わらないこともあると思う。
そう感じるだけに、モヤモヤする。アドバイスがほしい。
こういったご質問です。
まず、社内異動であっても、異動によって、チームの文化や仕事のやり方のスタンダードが全然違う。こういう体験は本当にあるあるですよね。
特に組織が大きい場合は、異動だけれども、転職やキャリアチェンジに近いという経験を、結構多くの方がされるんじゃないかなと思います。
もちろん、良い意味でなじんでいくという観点がありますけれども、一方で、違うチームから来たからこそ気付ける違和感をどうしていこうかなという観点も含んだご質問だと思いました。
ということで、一緒に考えてみたいと思います。
察することがチームの成果につながっているか
まず、察することを重視するチーム文化をどう思うかですが、私は”察する”このキーワード自体は、茶太郎さんも言っているように、それそのものが良し悪しというのは、なかなか判断が難しいなと思います。
では、この状態が課題なのか、それとも良い状態なのか、どこに判断軸があるかというと、察するということがチームの成果につながっているならオッケー、つながっていない、むしろ足を引っ張っているようであれば、ちょっとやり方を変えたほうがいいよね。
こんなふうに取れるかなと思います。
チームで成果をあげていこうと思うと、このご時世、スピードはとても大事ですし、新しいメンバーがチームに入ってきてくれれば、そのメンバーが一刻も早くチームになじんで、仕事で成果を発揮できるようにサポートしていく必要があると思いますし、コミュニケーションロスや認識違いによって起こる仕事の手戻りは最小限に抑えたいですし、そこからモヤモヤを抱えたり、モチベーションを下げるメンバーが出ることは、最も避けたいことですよね。
そういうことが起こらず、成果につながっていれば良いということなのですが、察することが根強いチームだと、一般的に、スピードはだいたい上がりにくいですよね。
新しいメンバーがなじむにも、かなり時間がかかることになると思いますし、新しいやり方を取り入れるのも、なかなか難しかったり、もっと言うと、他のチームや顧客とどんどんコラボレーションをする必要がある中で、察する文化が根強いと、違う誰かとコラボをして仕事を前に進めるとか、成果を出すというのは、一般的に難しくなるんじゃないかなと思います。
茶太郎さんのチームのケースはどちらでしょうか?
“察する“とは、どんな行動を指すかを、察しないで確認する
ただ一方で、ここで察するという文化がだめなんだよと、否定に走る前に、実はもう一個考えるポイントがあると思います。
このチームの中で言う”察する”という言葉は、どんな行動や仕事のやり方を指しているのか。
これをまず察することなく、きちんと定義を確認する必要はありそうですよね。
例えば、察するイコール「私の考えていること、分かるでしょう」みたいな背景があったり、「忖度しろよ」とか、「仕事って、上を見てするものだろう」みたいなニュアンスの中での察するであれば残念ですが、実は察するという言葉が指している行動は、例えば、営業サポートチームだとおっしゃいましたので、顧客や営業の動きを、良く観察することが大事であるということを指していたり、もしくは、次に何が起こるか、相手が何を求めているのか、本質的な課題は何なのかを、予測して探求することが、われわれのチームが言う察するということなのかもしれない。
もし、後者の行動や仕事のやり方を指しているのであれば、まさにそれは、われわれ営業サポートチームの役割、価値の源泉であるという定義がされているケースもありますので、そういう意味では、察するという言葉そのものが何を指すのかを、お互い各々個別に察するのではなくて、定義は何かという確認と、もっと言うと、上司が考えている察するの意味と、メンバーが考えている察するの意味は、果たして同じであるのか、この辺を確認する必要は、まずあるかなと思います。
確かに、「営業サポートチームとして察することが、われわれのチームの価値の源泉である」こういったビジョンのもと、観察・予測・探究といった行動を率先して取ることを指しているのであれば、見事ですよね。
もし、上司はこう考えているけれども、他のメンバーは、実は”察する”にギャップがあって、忖度だとか上を見て仕事するという定義に置き換わってしまっているのであれば、このギャップを埋めることはすごく価値がありそうですよね。
言わないと伝わらないこともある
そんなわけで、察するという言葉を察して勝手に前提を置かないというところをポイントの一つに挙げながら、じゃあどうする?というところですが、私は茶太郎さんが書いてくださった、『言わないと伝わらないこともあると思う』もしくは、きちんと定義して確認しないと、悪気なくずれていくこともあると思う。この通りだと思います。
ですので、その感覚はすごく大事にし続けていただきたいなと思いますし、ぜひ染まらないようにしていただければと思います。
メンバーの立場でチームの文化そのものを変えていくのは、すごくハードルが高く感じると思うのですが、そこの捉え方は、茶太郎さんが分からないことは定義して確認をする、もしくは、自分が仕事のコミュニケーションを取る側であれば、きちんと解像度をあげて説明をしたり、コミュニケーションを取る。
こんなスタンスを続けていってほしいなと思います。
そうするとどうなるかですが、他のメンバーの間にも、「なるほど、ちゃんと言葉で定義して、景色を合わせるっていいね」「仕事の手戻りが減るね」「やるべきことに集中できるね」こういった「いいね、それ」という体験そのものが広がっていって、「じゃあ、私ももうちょっと確認しようかな」「きちんと定義して、クリアにした方が気持ちがいいよね」こういった体験がチームに広がっていくんじゃないかなと思いますので、そういった体験をぜひ茶太郎さんに続けてもらえたらいいなと思います。
きちんと定義してズレやギャップを抑えていこう
最後に、じゃあ察することをやめて、きちんと定義してズレやギャップを抑えていこうといった場合に、『#521 チーム仕事はとにかくズレる!ズレに強い人になろう』こちらの過去放送が、もしかしたら参考になるかもしれませんので、よかったら聴いてみてください。
放送にリンクを貼っておきます。
ということで、今日は茶太郎さんからいただいたご質問、『察する文化が根強いチームに異動したら』という放送をさせていただきました。
まずは、察するという言葉が指す行動を合わせていこうということで、結局勝手に察しちゃだめだよねという話になりました。
茶太郎さん、異動先での新しいお仕事を心から応援しています。
それでは、最後までお聴きいただき、ありがとうございます。
今日も一日良い日にしましょう。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“育休スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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