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#11 「定年」とは、仕事を辞めることではなく、自分で何をするかを決められる第2の人生のスタート

昨年3月、還暦を迎えたのを機に、このnoteを始めたんだけど、「#1 還暦を迎えた。自分をルポするエッセイを始めようと思う。」では、「私は60歳で定年を迎えることにした。」とか、「60歳からは、自分が思ったことや考えたことを実行に移すことに重点をおいた暮らしがしたい」などと書いている。
フリーランスだからこそ、自分で定年を宣言できる!と言っているんだな、私。

でも、自分で定年を宣言できるフリーランスが、実際に定年を実行するのは難しいことだと痛感した1年だったわ。
還暦を迎えたら暦をもう一回りするまでは生きられないから、いつ死んでもいいように、会いたい人に会いに行き、後回しにしていたことに手を付けよう!と思ったわけだけど、新型コロナウイルスの影響で、会いたい人に会いに行くことも、行きたい場所に訪れることも全くできず、還暦しょっぱなからそこは挫折中。

一方、コロナ禍で世間ではリモートで仕事をすることが浸透し、初めての人とも会って打ち合わせしなくてもよい認識が通常となり、私のところにも、以前では来ないような人たちからのコンタクトが増えた。
それはありがたいことであるし、無理のない範囲で引き受けていたら、自分の中でも興味が広がり始め、結局仕事にまつわることばかり考える日々が続いているのである。

もちろん、定年と言ってもね、何かしらの仕事をしていかなければ食べていけないわけで、仕事をしない!という宣言ではなくて仕事のスタンスを変えたい、興味のあることや発信したほうがいいと思う内容のお仕事を引き受けたい!と思ったわけなんだけど。
90歳になる母と暮らしているので、何かあった時に仕事に穴を空けないよう、締め切りがタイトのものや長物の仕事はこわいと言う気持ちが正直ある。そこでずっとお世話になっているクライアントにそう伝え、昨年末に請け負った長物の仕事を最後に従来的なライターの仕事は思い切ってお断りしてしまった。

しかし、昨年『介護する家族のための介護手帳 ケアダイアリー』の新版を発売させていただいたため、「公式サイトをリニューアルしなきゃね」となり、サイトリニューアル後は「介護者が集まるコミュニティをオンライン上で作りたいね」となり、そうこう進めているうちに「これってフリーランスを始めた頃と同じくらいに忙しくないか?!」という毎日が続いて、結局、忙しくしているのは自分の性分のせいなんだなと思ったが、自分からやりたいことなので、今、頑張っている。

今年1月から介護コミュニティ(ケアダイアリーオンラインフォーラム)の運営を始めたら今度は、メンバーの相談に乗ったり、介護=高齢者の暮らしという考え方を発信したりしたくなって、そのためには自分の知識をもっと穴埋めしたほうがいいと思い、「高齢者住まいアドバイザー」検定試験を受けようと決め、2月から勉強を始めていっそう忙しくなって・・・。当初考えていたフリーランスの定年実行はこういうものだったっけ?って。

それでも。
今年2月に確定申告を済ませ、3~4月に老齢厚生年金の申請手続きを行って後日年金証書が届き、4/25(日)に「高齢者住まいアドバイザー」の検定試験が終わった翌日のこと。
朝起きたら、第2の人生の準備が整った気持ちになったのである。
これは想定してなかった感覚で、定年を迎えるってこういう感じかな?と。
つまり、定年とは仕事を辞めることではなく、できるだけ自由に自分で何をするかを決められる第2の人生のスタートってことなのかもしれない。

年金だけでは暮らせないけど、初めて不労所得がある生活という少しばかりの安心感がある中で、新たな仕事(ボランティアも含めて年齢を重ねたからこそできることをみんなしようね!)をしながら、暮らしていきたいと改めて思っている。

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