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落合陽一 リキッドユニバース:向日葵の環世界のコペルニクス的転回 / 「海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―」

インタビューが公開されているのでどうぞ.

このインタビューは「海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―」というイベントに関連して行われたもので、落合氏の作品「リキッドユニバース:向日葵の環世界のコペルニクス的転回」についての対話です。以下、インタビューの内容を整理して説明します。

インタビュアーは落合陽一氏に、作品のコンセプトについて質問を投げかけました。落合氏は自身の研究テーマである「デジタルネイチャー」について説明しました。

落合氏によると、デジタルネイチャーとは、コンピューターの外の自然とコンピューターの中の自然が混然一体となった高速な自然のようなものを指します。16世紀にはサイエンスが自然を明らかにするというパラダイムがありましたが、現代ではコンピューターサイエンスがデジタルネイチャー、つまりコンピューターの自然も含めた広大な自然を明らかにしているという考えです。

落合氏は、この「デジタルネイチャー」の概念に基づいて研究や作品制作を行っています。素材の研究、人間のコミュニケーションの研究、メタマテリアル(新しい材料)の研究など、様々な分野で活動していますが、作品としては主にデジタルネイチャーの哲学を扱っているものが多いと説明しました。

今回の作品「リキッドユニバース」について、落合氏は以下のように説明しました:タイトルの「リキッドユニバース」は「流動する宇宙」という意味を持ち、万物が変化していく様子を表現しています。
作品のコンセプトとして、ひまわりの視点から世界を見た場合、万物がひまわりの形をとって展開していく様子を表現しようとしました。
技術的には、10メートル規模の大型LEDディスプレイを使用し、屋外で明るく表示できるようにしました。
映像は常に生成され続け、それに合わせて低音のみを出力する音響システムも組み込まれています。
作品は周囲のひまわり畑と調和するよう設計され、昼と夜で異なる表情を見せます。


落合氏は、この作品が観覧車のある広大な空間に合わせて設計されたことや、ひまわり畑との調和を考慮して制作されたことなどを説明しました。また、技術の進歩により、将来的にはこのような屋外での大型映像インスタレーションがより一般的になる可能性があることも示唆しました。

最後に、来場者へのメッセージとして、夕方頃に訪れることを推奨しました。日が傾き始める頃から、LEDディスプレイの効果がより顕著になり、涼しくなってくるため、作品を楽しむのに適した時間帯だとアドバイスしています。

このインタビューを通じて、落合陽一氏の「デジタルネイチャー」という概念と、それに基づいた芸術表現の一例を知ることができます。技術と自然、デジタルとアナログの融合を探求する彼の姿勢が、この大規模な屋外インスタレーション作品に反映されていることがわかります。

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