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デジタルネイチャーとテトラレンマ #デジタルネイチャーからマタギドライヴへ

デジタルネイチャ―(2018)では、物質−実質、人間−機械の軸で構成される4象限でデジタルネイチャーにおける人間像を示しました。

1. 物質-人間軸:

この象限は、人間が物質世界とどのように関わり、自身を物質の一部としてどのように理解しているかについて考察します。デジタルネイチャーでは、人間と物質との関係性がデジタル技術によって変化していることを強調しています。

ユビキタスコンピューティング:身の回りのあらゆる物質がコンピュータ化され、物質世界とデジタル世界の境界が曖昧になっている。
デジタルファブリケーション:3DプリンターやCNCマシンなどのデジタルツールによって、人間が物質を直接操作し、創造する能力が向上している。
サイバネティクス:物質世界と人間とのインタラクションは、フィードバックループとして理解され、物質世界の一部としての自己理解が強まっている。
2. 物質-機械軸:

この象限は、機械やAIが物質世界をどのように理解し、操作するかについて考察します。これは、機械が自律的なエージェントとして物質世界に介入する能力を増大させているという観点から特に重要です。

AIとロボット:AIは、物質世界を理解し、操る能力を持っています。ロボットは、その能力を物理的な行動に変換します。
IoT:物質世界は、センサーとアクチュエーターによってデジタルに「観測可能」で「操作可能」になっています。
オートメーション:AIやロボットは、物質世界に対する自動操作を可能にしています。これは、機械が自律的な行動をとる能力を示しています。
3. 実質-人間軸:

この象限は、人間が自身を物質世界から切り離した抽象的な存在、つまり実質的な存在としてどのように理解しているかを考察します。

ヴァーチャルリアリティ:VRは、人間が物理的な身体から切り離された実体として存在する能力を提供しています。
デジタルアイデンティティ:デジタルネットワーク上での自己表現とアイデンティティ形成が、物質的な存在から独立して行われています。
メタヴァース:物質世界から独立した仮想世界での存在と交流が可能になっています。
4. 実質-機械軸:

この象限は、機械やAIが自己を実質的なエージェントとしてどのように理解し、発展させるかを考察します。これは、AIが自己意識を持つ可能性についての議論に繋がります。

AIの自己学習:AIは自己を改善し、進化する能力を持っています。
AIの意識:一部のAI研究者は、AIが自己意識を持つ可能性を探求しています。
デジタルアイデンティティのAI:AIがデジタルネットワーク上で自己を表現し、アイデンティティを形成する可能性があります。

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