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個展 #裸性と身体性 が小規模ながら新宿の北村写真機展で開催されております.
落合陽一です.個展 #裸性と身体性 が新宿の北村写真機展で土曜日より開催されています.実は作品も販売しておりますのでご興味ある方はベンチの横のプライスリストをご覧ください.
ところで #裸性と身体性 の連載が再開されました.
以前のものをまとめてみたい! という方は下記のリンクが便利です.
ちなみに最新の撮影はキーイメージに使わせていただいているくるみさんの2回目の撮影なので,個展の開催期間中にそこまで連載公開を追いつかせるのが目標です.
ステートメントは下記の通り.また読み解く記事を書きますので,ぜひ展覧会にもお越しください.
「服を着ているよりも裸でいる方が大抵の場合は美しく見える.これがヌードを撮り出して最初に気がついたことだった.僕は普段は風景やスナップをライカで切り取っていくことばかりだからポートレートはほとんど撮らない.過去の個展を見返しても,人をメインで撮っていることは滅多にない.そんなわけで,自分が人間を撮影しようと思い立つこと自体が奇跡的なんだけれど,人の形に興味を持って,人の持つ普遍性を探そうと考えるあたり,ウィズコロナで弱った何かか,新たに獲得した何かなんだろう」ヌードを撮り始めてしばらく経ったある日のnoteに落合陽一は上記のように記している.
落合陽一は計算機自然の観察,芸術と技術の反復,研究と制作による実践を続けながら思考の旅路を歩んでいる.その中でデジタルネイチャーにおける公と私の関係性,民藝と霊性,農耕文化と狩猟文化などの観点を培ってきた.2020年から続くポストコロナの世界でも身体や祝祭,共生や相互理解についての思考や環境負荷・移動と文明についても思考を続けている.裸性と身体性,祝祭性とコンヴィヴィアリティ,ポストコロナの社会で定在遊牧民化した我々にとっての変化した価値観はなんだろうか.その中で自分が気になっているのはなんだろうか? そのモチーフは?
この問いを繰り返してきた.そして直感があった.ヌードを撮ることだ.理由はわからないが直感があった.人生の旅路は直感の中で点と点を繋ぐ作業に似ている.今でいうとDJだ.理由はないが直感がある.毎年直感に従って日常の行為を定め,それが言葉へ変化しながらテーマを探る.
昨年の自分にすれば直感はヌードポートレートを撮影し続けることで,点と点を繋ぐ過去のコンセプトは定在遊牧民,そして未来に向けた思考としては農耕文化と狩猟文化の差の中でカーボンニュートラルや持続可能性について考えることだ.直感の理由を探る過程は文脈の復習でもあり自己との対話でもある.
巣篭もりする人類に見られるための服が必要だろうか.これは定在遊牧民なのか,デジタルヤドカリなのかは指し示す問題は近かったとしてもファッションの上では大きな違いを持つ問題である.裸と衣服を着た状態を分けるものは公私,ハレとケ,陰陽などさまざまな対比の中にあると思う.裸の持つ自然は文化によって定義や距離が異なるが纏う状態と脱ぐ状態に区別がない文化はほとんどない.ゆえに自然な状態である裸性には作品化した際になんらかの寓意が宿る.その寓意はポストコロナにおいて変化しただろうか,そして寓意のない純粋な美しさのようなものは身体性をもつメディア表現として表現していくことは可能だろうか.
そういった思考を続けながら,対話的にヌードを撮り続けた.ただその人についてのコンテクストを探しながら光を探し,光を見つけ,シャッターを切り,試行錯誤を繰り返す.光を使って肌を叩き,透かし,反射を描いていく.その日常を続けながら,思考の旅路を続けると世界の姿もまた違って見えるのである.
結果,定在遊牧民から始める計算機自然における狩猟採集の意味を探る中で,農耕以前,縄文・木の文化・超人性,歓喜天・ナムジュンパイク・両面宿儺などの多くのコンセプトを拾い集めることができた.公と私で分け,裸を特別なものとしている社会から違う場所に踏み出してみれば何か違ったことが見えるかもしれない.裸性と身体性の連載はこれからも続けていくと思うけれど,この展覧会はある意味での中間報告のようなものである.今改めて連載と展示に関わった全てのスタッフとモデルさんに感謝したい.
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落合陽一の見ている風景と考えていること
落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…
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