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晴れときどきライカ:逆逆たかり行動とダダイズム

4年ぶりにライカで展覧会をさせていただきます! 東京.京都の二か所で開催! いつもありがとう! ライカ!

晴れときどきライカ ── 逆逆たかり行動とダダイズム

“ 逆たかり行動”(Contrafreeloading)という概念は,動物が食べ物を手に入れようと何らかの活動を行う姿を描くものだ.今回の展覧会はその「逆の逆たかり行動」に着目している.それは猫のように逆たかり行動を持たない生き物を通じて,「質量に固定した日常」から自由なデジタルデータが,物化のプロセスを繰り返す姿を描く試みだ.これは無為計算機自然の元で逍遥遊に振る舞っている姿を描き出す.

“ 晴れときどきライカ” というフレーズは私の日常を描き出している.晴れた日には,ライカを通じて計算機自然の微細な動きを捉え,その物質的な美しさをデジタルの世界へと移す.反対に,雨の日には閑居し,デジタル世界を読み込み,そこから得た情報を肉体の世界に適用する.この一連のプロセスの中で,私は閑雲野鶴の如く,物質と非物質,生命と非生命の間を自由に行き来し,それぞれの世界で得た感覚を融合させ,新たな表現領域を切り開く.

私の人生に常に付随するダダの精神は,無秩序で非論理的な表現を通じて新たな相互接続性を生み出すことを目指している.逆逆たかり行動の精神は,私たちが日常的に直面する二元性の問題に対する新たな視点を提示する.この多元的な世界で,全ては曖昧に相互接続し,実在・非実在に関わらない全てのものたちが,交錯するその響きの中で物化を繰り返し,微睡を生み出していく.猫のように,きのこのように,そして遊牧民のように.


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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から4年以上経ち,購読すると読める過去記事も1200本を越え(1記事あたり3円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

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