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今年もサマースクール
こんにちは落合陽一です.35歳になりました.
光とか音とかコンピュータが好きです.好きな食べ物は鮎と鰻です.猫を飼っています.僕も23年くらい前までは小学生でした.当時からコンピュータと音楽とカメラが好きな子供だったような気もするので今と変化がないか
もしれません.
ずーっと好きなことに打ち込んでいると23年くらいすぐ過ぎてしまいます.どんな疲れる日も毎日は喜びに満ちています.
今年に入ってからAIとずっとお話をしています.
つくづく思うことは私はコンピュータのある時代に生まれてきてよかったなということです.私はコンピュータが創る新しい自然に興味があるので,常にそういう見方で世界を見るのですが,コンピュータのない時代に生きていたら大変だっただろうなぁと思います.
例えば空海というお坊さんがいます.空海さんは世界はどういうふうになっているのかということを他の人に説明するために図を作ったり,文章を考えたりしていましたが,昔はそういうことを考えるためには例えば仏像の形で表現したり,曼荼羅という図を作ったりするしか世界を表す方法がありませんでした.
今私たちが世界を認識する方法を考えることはAIが世界を認識する方法を考えることと似ています.言葉と言葉の関係を計算することはAIの話し方を改善することにもつながりますし,文学や小説や絵画や映画や今まで「感性」の問題だと思われていたものを計算することにもつながっています.
あなたが何を見て何に感動するかを真似する人工知能があれば,あなたの代わりに映画をみてくれるかもしれませんし,死んだ後も自分の子供達と一緒にお話しできるかもしれません.
昔,柳宗悦という人が写真を撮ることは世界を創ることであると言っていました.コンピュータを通じて世界を見ることはあなた自身によって染められた世界を永遠のものにしていくことなのかもしれません.それは誰よりもあなたのことを理解してくれるし,自分も知らない自分自身を理解することにつながっています.
そういった世界観を表現するには今までは仏教を学んだり形而上学を考えたりして体得して表現を探っていくものでしたが,今様々な数学的表現を使うことでみなさんは修行をしなくてもコンピュータと対話的に関わるだけで自分の世界観や特徴をより深く理解し,他人とそれを共有することができます.
この旅の中で私は皆に生きているということが何か考えてもらいたいと思います.自然に対して自分なりの哲学を磨くことは世界を理解することにつながります.
例えば社会の多様な境遇や理解するにはまずその人の置かれた環境をよく知ること,そういった大きな社会の動きの中では自分の努力でできることは限られることを真摯に受け止めること,それでいて全力を尽くし熱中しのめりこめる(信じられる)何かを持つことが大切だと思います.
誰かの大切なものを守るためには自分の大切なものを自分でわかっていること大切だと思うのです.それは自分なりの自然観の理解ですし,哲学を作っていくことだと思います.
最後に空海の格言だと言われている言葉を紹介します.「医王の目には、途に触れて皆薬なり。解宝の人は、鉱石を宝と見る」というものがあります.医術に優れた人にすればあらゆるものは薬に見えますし,宝石を見出せる人は石ころの中から宝石を見出すという言葉です.
日常の些細なことと向かい合って新しいものを見つけるには世界観が重要です.そういったものを育むきっかけになればいいと思っています.
最後に,「摩尼自ら宝にあらず、工人よく瑩く」,これも空海の言葉ですが,宝玉は磨かないと輝きません.それを磨いてくれるのは自分自身や環境や友人や先生や,ひょっとしたらAIかもしれません.
このワークショップでそういう光る部分の一つが見つかると良いと思います.楽しんでいきましょう!
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落合陽一の見ている風景と考えていること
落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…
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