Leica Stemar 3.3cm F3.5 / #レンズとのダイアローグ
落合陽一です.これまた世界で自分しか嬉しくないんじゃないかというレンズレビュー.Leica Stemarのお話です.
ライカのステマー.1954年-1957年に1,571本(のシリアル割り当て)があるレンズ.現存するのは何本なんだろう.立体写真を撮るために作られたレンズだ.
今年もデジハリのメディアアートの授業(デジハリは特任教授)をやっていたのだけれど,そのときの学生さんが「VRゴーグルの中を懐古的にフィルムで撮りたい」と言っていたので,「ではステレオレンズを使ってみたらどう?」「覗くやつもあるよ多分」と指導したものの,自分は知識だけでステレオレンズを持っていないし,日常遣いしたこともないことに気がついたので急遽探し始めた一本.やっぱり自分でやってみないと指導できないことはたくさんある.
相変わらず古ぼけたパッケージ.そりゃ60年以上経っていたらこうなるか,と思いつつ,ヨーロッパからの長旅ありがとうと思いながら開封.
レンズフードも二眼,ビューワーもついている.そして異様に軽いレンズだ.今まで使ってきたライカの35mmの中で一番軽いかもしれない.(体感値)
実に不思議な写りをするレンズである.確かに2眼VRっぽい絵が撮れるので,懐古主義の学生さんに勧めるにはこの辺りのレンズ(ステレオレンズ+フィルム系)はいいのではないかと思ってきた.
高解像度のカメラで撮ると縦にクリップしても2000万画素くらいはある.それはそれで使える気もする.写りも不思議な描写が二枚取れる.現代で使うとこれは実に不思議なレンズであることは間違いない.
今日はそんなダイアローグを.
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落合陽一の見ている風景と考えていること
落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…
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