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落合陽一塾でエージェントワークショップ

落合陽一塾には毎月オフ会という名のワークショップがある.今年初めの1回目はAIエージェントで手放しコーディングをやってみるワークショップだった.その議事録とまとめ.



以下に、2025年1月11日に行われた落合陽一塾ワークショップ「AIエージェント、プログラミング、要件定義」の議事録をもとに、セリフや議論内容を参照しつつ、アカデミックな文脈で論じた長いテキストを提示する。ワークショップ全体の流れ・デモ内容・参加者の発言背景、そして今後の展望を含め、読み物としても成立するよう整理した。


1. はじめに

2025年1月11日に開催された落合陽一塾のワークショップは、「AIエージェントを使ったプログラミングのデモンストレーション」「参加者同士の要件定義の共同作業」「エンジニアの役割変化や社会的インパクトの議論」という3点を大きな柱として進行した。本ワークショップでは、Cursorエディタ・Anthropic・OpenAIなどのAIツールを同時に活用することで、プログラムの自動生成やデバッグがどこまで実用レベルに到達しているかを示しながら、今後の開発プロセス・エンジニアリング教育がどう変化し得るかを検討している。

議事録の冒頭では、Speaker 1(落合陽一氏)が「いまPythonで画像入力をして、カメラの映像をリアルタイムで取り込み、それに音声周波数を掛け合わせて波紋のようなエフェクトをつけたい。そういうコードを書くための仕様設計書(システムプロンプト)をAIエージェントに書かせたい」という主旨の発言を行っている(議事録・Speaker 1 00:00:47付近)。このように、要件定義を最初からAIエージェントに任せるというアイデアが示され、続く発話では実際に「リアルタイムでカメラ入力を処理しながら、音声周波数成分に応じて波紋エフェクトを描画するコード」を自動生成させるプロセスを、ワークショップの参加者全員が目撃する形で進められた。

この記録にはプログラミング知識を必須としない開発手法の登場、実装の大半をAIが担う未来像、そして要件定義の重要性とエンジニア・ディベロッパーの役割の再定義といった論点が浮き彫りになる。その流れを本稿では、議事録のセリフを引用しながら追いつつ、アカデミックな意義を考察していく。


2. ワークショップ前半:AIエージェントによる開発プロセスの体験

2.1 「AIで手放しコーディングは本当に可能か?」

ワークショップ前半の議事録によれば、Speaker 1(落合氏)は以下のように語っている。

「AIエージェントがあれば何でも作れるって、いま世の中のみんなが言ってるけど、本当にそうなのか疑問があってね……。結構バグ取りが大変だったり、エラーが出たりするんだよね。」
(議事録・Speaker 1 00:06:07付近)

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